【賀曽利隆 コラム】SSTR参戦記(1)

【賀曽利隆:冒険家・ツーリングジャーナリスト】

宮古湾に昇る朝日

日の出から日没まで。能登半島を目指す「SSTR」に参加!

昨年(2015年)5月、バイクでの北極点到達、南極点到達という偉業を成しとげた風間深志さんが主催するSSTRに参加した。

SSTRというのは「サンライズ・サンセット・ツーリングラリー」のことで、参加者は日の出とともに太平洋岸を出発し、日没までに能登半島の千里浜にゴールするというもの。その間では高速道路のSAやPA、道の駅のスタンプをラリー帳に押していく。

極限のSSTRに挑戦しようと、ぼくは青森港を出発点にすることにした。

東北太平洋岸最南端。鵜ノ子岬から「海道を行く!」

5月28日4時、神奈川県伊勢原市の自宅を出発。相棒はV-ストローム650XT。V-ストロームの20リッタータンクがきっと大きな力になってくれるはずだ。東名→首都高→常磐道と走り、8時20分、いわき勿来ICに到着。

ここからは「海道を行く!」で青森を目指す。「海道を行く!」というのは「街道を行く!」と並ぶ我が主要テーマで海岸線をメインルートにしてのツーリング。東北太平洋岸最南端の鵜ノ子岬から北を目指す。

常磐道の三郷料金所を出発
▲常磐道の三郷料金所を出発
東北太平洋岸最南端の鵜ノ子岬
▲東北太平洋岸最南端の鵜ノ子岬

小名浜港からは三崎、竜ヶ崎、合磯岬、塩屋崎、富神崎と連続する岬をめぐる。「海道を行く!」では「岬めぐり」が大きなテーマだ。

国道6号の二輪車通行禁止区間は常磐道(常磐富岡IC~浪江IC)で迂回し、宮城県に入ると国道6号→県道10号で仙台へ。仙台からは塩釜、松島、石巻、女川を通り、16時、南三陸に到着。ここからは国道45号を北上する。

福島県の中之作漁港で▲福島県の中之作漁港で

気仙沼を過ぎると岩手県に入り、陸前高田、大船渡、釜石を通り、20時10分、宮古に到着。宮古の市街地の手前に新しくできた「ルートイン」に泊まった。東京からここまでは623キロ。

宮古湾の朝日、日本一美しい灯台

翌5月29日4時、宮古の「ルートイン」を出発。宮古湾を赤々と染めて朝日が昇る。国道45号を北上。久慈を通り、青森県に入り、6時30分、八戸に到着。ここから下北半島に入っていく。

宮古湾に昇る朝日▲宮古湾に昇る朝日

道の駅「のだ」の塩を運ぶ「牛方像」
▲道の駅「のだ」の塩を運ぶ「牛方像」
尻屋崎への快走路
▲尻屋崎への快走路

下北半島の北東端の尻屋崎に到着したのは9時15分。ここが東北太平洋岸最北端になる。東北太平洋岸最南端の鵜ノ子岬からは714キロ。寒立馬で知られる尻屋崎は日本で一番絵になる岬だと思っているが、白亜の灯台前にV-ストロームを止めて記念撮影。
尻屋崎に到着。日本一美しい灯台!▲尻屋崎に到着。日本一美しい灯台!

そのあと岬の食堂に入るとストーブにあたりながら熱々の「おでん」を食べた。天気は快晴なのだが、切る風は冷たい。6月になろうかというのに、冬の名残のような寒さなのだ。
尻屋崎の店で食べる「おでん」▲尻屋崎の店で食べる「おでん」

カソリ、「あつめの湯」で真っ赤に!

尻屋崎からは津軽海峡沿いの道で本州最北端の大間崎へ。その途中では下風呂温泉の共同浴場「大湯」(入浴料350円)に入った。
本州最北端の大間崎に到着▲本州最北端の大間崎に到着

「あつめの湯」と「ぬるめの湯」の2つの湯船があるが、「ぬるめの湯」でも十分に熱い。無色透明有味無臭の湯。木の洗い場は趣がある。じっと我慢して「あつめの湯」につかったので体は真っ赤になったが、それがまた何ともいえずに気持ちいい。湯から上がったあとは体がすっきりさっぱりする。

下風呂温泉の共同浴場「大湯」に入る
▲下風呂温泉の共同浴場「大湯」に入る
大間崎近くの大間漁港で
▲大間崎近くの大間漁港で

これぞ下北半島!海の幸に大感動

本州最北端の碑の建つ大間崎からは下北半島の西岸を南下。佐井村に入ると佐井を通り、福浦漁港近くの「ぬいどう食堂」で昼食にする。ここの名物「うに丼」(1,500円)を食べたが、丼飯を覆いつくすウニはこぼれ落ちんばかり。このボリュームと1,500円という値段にはもう大感動。これぞ下北半島だ。

これが「ぬいどう食堂」の「うに丼」▲これが「ぬいどう食堂」の「うに丼」

漁港で待っていた、驚きの出会い

福浦漁港の南の牛滝漁港では岸壁にV-ストロームを止め、観光船(1,000円)で名所の仏ヶ浦に渡ろうとした。ここでは驚きの出会いが待っていた。何と『ツーリングマップル北海道』担当のカメラマン、小原信好さんと、『アウトライダー』編集部の西野鉄兵さんが撮影していた。

小原さんとは旧知の仲なので、お互いに「おー!」と驚きの声をあげた。乗客はぼく一人という観光船に乗って仏ヶ浦を見てまわり、牛滝漁港に戻ると、2人はまだ撮影をつづけていた。撮影が終わったところで小原さんと西野さんに、「今日は青森で宴会にしよう~!」と誘った。

観光船に乗って仏ヶ浦へ
▲観光船に乗って仏ヶ浦へ
仏ヶ浦を歩く
▲仏ヶ浦を歩く

東京から1,194キロ走破。旅の出会いに乾杯!

牛滝からは3人旅。脇野沢。むつ、野辺地と通って青森へ。東京から1,194キロを走って青森に到着したのは19時。3人で青森駅前の「東横イン」に泊まった。

青森駅前の「東横イン」に泊まる▲青森駅前の「東横イン」に泊まる

駅前のコンビニで食材をゴッソリと買い込み、カソリの部屋で宴会開始。カンビールやワイン、日本酒をガンガン飲み干す。空き缶、空き瓶がズラッと並ぶ。おおいに話がはずみ、気が付くと日付が変わっていた。

宴会がお開きになったのは午前1時。西野さんとは今回が初めての出会いだが、「ホッカイダー」こと小原信好さんとはあちこちで出会い、そのたびに飲み明かしているのだ。

「いや~、旅はやっぱり人との出会いだ!」
と、胸を熱くさせて眠りにつくカソリだった。

【賀曽利隆 コラム】SSTR参戦記(2)に続く

賀曽利隆

賀曽利隆冒険家・ツーリングジャーナリスト

投稿者プロフィール

1947年東京生まれ。
1968年から2年間をかけてアフリカを一周したのを皮切りに、バイクで世界の6大陸を駆け巡る。
1982年には「パリ→ダカールラリー」に日本人ライダー初の参戦。1987年には「サハラ砂漠往復縦断」。7度の「日本一周」を成しとげ、「70代編日本一周」を目指している。
ツーリングマップル東北の担当ライダーで、東北の道という道を精力的に走っている。
モットーは「生涯旅人!」

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