【賀曽利隆 コラム】我が最強の旅バイク「DR-Z400S」

【賀曽利隆:冒険家・ツーリングジャーナリスト】

天山山脈のトルガルト峠を越える

全4回の連載でお伝えした「アフリカ大陸縦断」(2013年~2014年)の相棒は、スズキの400ccバイクのDR-Z400Sだ。「ナイロビ→ケープタウン」間の7,395キロをノントラブルで走りきってくれた。我が相棒との現在までの走行距離は13万4,435キロにもなる。

DR-Z400Sデビューとなった、2002年の「ユーラシア大陸横断」

我がDR-Z400Sのデビューは2002年のこと。旅行社「道祖神」主催のバイクツアー、「賀曽利隆と走る!」シリーズ第7弾目の「ユーラシア大陸横断」で走ったのが最初になる。

富山県の伏木港からロシア船に乗る▲富山県の伏木港からロシア船に乗る

ロシアのウラジオストックからシベリアを横断してウラル山脈を越え、モスクワから東ヨーロッパ、西ヨーロッパの国々を通り、ピレネー山脈を越えてユーラシア大陸最西端のロカ岬(ポルトガル)までの1万6,000キロを走破した。

その間のパーツ交換は一切なし。交換したのはエンジンオイルとオイルフィルターのみ。タイヤは最後はツルツルになったが、それでもパンクはゼロだった。

海のように広いバイカル湖の湖畔で
▲海のように広いバイカル湖の湖畔で
ユーラシア大陸最西端のロカ岬に到着
▲ユーラシア大陸最西端のロカ岬に到着

それ以来、「我が最強の旅バイク」のDR-Z400Sでは、「サハラ砂漠縦断」(6,763キロ)、「韓国往復縦断」(2,974キロ)、「シルクロード横断」(13,171キロ)、「南米・アンデス縦断」(12,574キロ)、「環日本海ツーリング」(4,922キロ)と走り、そのあとがナイロビ→ケープタウンの「アフリカ大陸縦断」(7,395キロ)になる。

これら一連の「賀曽利隆と走る!」のバイク旅がどのようなものであったのかを簡単にふれてみよう。

2004年~2005年の「サハラ砂漠縦断」

2004年~2005年の「サハラ砂漠縦断」はチュニジアの首都チュニスを出発し、アルジェリアのホガール・ルートでサハラ砂漠を縦断した。

大砂丘地帯では砂丘のてっぺんに登り、際限なく広がる砂丘群を一望した。ゴーゴーと吹き荒れる砂嵐に見舞われたこともあった。

大砂丘群の砂丘に登る
▲大砂丘群の砂丘に登る
サハラ砂漠縦断路を行く
▲サハラ砂漠縦断路を行く

サハラ砂漠を抜け出るとみるみるうちに緑が増えていった。ガーナの首都アクラをゴールにしたのだが、目の前に広がるギニア湾の大海原が目にしみた。

ガーナの熱帯雨林の村で▲ガーナの熱帯雨林の村で

2005年の「韓国往復縦断」

2005年の「韓国往復縦断」は韓国内にバイクを持ち込めるようになってすぐに下関から釜山に渡り、38度線を越え、韓国最北の地の高城統一展望台に立った。

すばらしい天気で展望台からは朝鮮半島第一の名山、金剛山の峰々が一望できた。その山並みが海に落ちるところが朝鮮半島随一の海岸美を誇る海金剛。これらはすべてが北朝鮮側になる。

韓国最北の地、高城統一展望台からの眺め▲韓国最北の地、高城統一展望台からの眺め

2006年の「シルクロード横断」

2006年の「シルクロード横断」は中国の天津を出発点にし、シルクロードを西へ。中国西部のカシュガルから天山山脈のトルガルト峠を越えてキルギスに入り、中央アジアの国々を走り抜け、イランからトルコへ。欧亜を分けるボスポラス海峡を渡ってゴールのイスタンブールの町に入っていった。

天山山脈のトルガルト峠を越える
▲天山山脈のトルガルト峠を越える
欧亜を分けるボスポラス海峡に到着
▲欧亜を分けるボスポラス海峡に到着

2007年~2008年の「南米・アンデス縦断」

2007年~2008年の「南米・アンデス縦断」はペルーの首都リマを出発し、アンデス山脈沿いに南下。世界最南の町、アルゼンチンのウシュワイアを目指した。

ペルーナスカの地上絵で▲ペルーナスカの地上絵で

チリに入り、アタカマ砂漠を南下し、首都サンチャゴへ。サンチャゴからは太平洋岸を南下し、アンデス山脈の峠を越えてアルゼンチンに入り、猛烈な風が吹きまくるアンデス山麓のパタゴニアを縦断した。

そしてマゼラン海峡を越えてフェゴ島に渡り、南緯55度の世界最南の町、ウシュワイアに到着。ウシュワイアは夏でも寒く、ガタガタ震えてしまった。

マゼラン海峡を渡る▲マゼラン海峡を渡る

2011年の「環日本海ツーリング」

2011年の「環日本海ツーリング」の出発点は新潟。日本海沿いに北海道の稚内まで走り、フェリーでサハリンのコルサコフへ。

サハリンのコルサコフ港で見た夕日▲サハリンのコルサコフ港で見た夕日

サハリンを走り、ホルムスクからロシア本土のアニワ港に渡った。このあたりが日本海最北の間宮海峡(タタール海峡)になる。

ロシアの沿海州を走り、ウラジオストックからフェリーで鳥取県の境港に渡ると日本海沿いに新潟まで走り、「新潟→新潟」で日本海をぐるりと一周したのだ。

泥まみれになってウラジオストックに到着。ここからフェリーで鳥取県の境港に渡る▲泥まみれになってウラジオストックに到着。ここからフェリーで鳥取県の境港に渡る

最強の相棒DR-Z400Sと「より遠くへ!」

このようにDR-Z400Sでは海外ツーリングを繰り返してきたが、日本国内ではもっぱら林道を走っている。2010年の「林道日本一周」では全部で313本の林道を走破した。DRは「林道走破行」の最強マシン。

ぼくにとってのツーリングというのは「より遠くへ!」が基本。DRのすごさはとにかくタフなこと。総走行距離は13万4,435キロになるが、たいしたトラブルもなく走ってくれたことには感謝と同時に驚きすら感じる。

今年(2016年)はロシアのウラジオストックからトルコのイスタンブールまでの1万4,000キロを走る予定だ。頼むぞDRよ!

賀曽利隆

賀曽利隆冒険家・ツーリングジャーナリスト

投稿者プロフィール

1947年東京生まれ。
1968年から2年間をかけてアフリカを一周したのを皮切りに、バイクで世界の6大陸を駆け巡る。
1982年には「パリ→ダカールラリー」に日本人ライダー初の参戦。1987年には「サハラ砂漠往復縦断」。7度の「日本一周」を成しとげ、「70代編日本一周」を目指している。
ツーリングマップル東北の担当ライダーで、東北の道という道を精力的に走っている。
モットーは「生涯旅人!」

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