【賀曽利隆 コラム】続「東京→青森・林道走破行」(上)

【賀曽利隆:冒険家・ツーリングジャーナリスト】

あれから2ヵ月…再び東北林道走破へ旅立つ!

昨年(2015年)8月の「東京→青森・林道走破行」にひきつづいて、その2ヵ月後の10月21日、続「東京→青森・林道走破行」に旅立った。

相棒は前回同様、スズキの250ccバイクのグラストラッカー。グラストラッカーのことを誰もオフロードバイクだとは言わないが、じつに楽々と林道を走破してくれるスグレモノのバイクなのだ。

早朝ラーメンで気合いを注入⇒東北道へ

神奈川県伊勢原市の自宅を午前3時に出発。東名厚木ICで高速に入ると、圏央道経由で東北道に入り、5時45分には宇都宮ICに到着。その間では佐野SAで定番の「佐野ラーメン」(780円)を食べた。

東北道の宇都宮ICに到着▲東北道の宇都宮ICに到着

林道突撃!の前に…湯西川温泉で回復

東北道の宇都宮ICからは日光宇都宮道路で今市(日光市)まで行き、そこからは国道121号を北上。第1本目の林道、安ヶ森鱒沢林道入口の湯西川温泉に着いたのは7時。

我が家から250キロ。まずは湯西川温泉の共同浴場に入る。「湯銭箱」に200円を入れて熱い湯につかる。ここまで走ってきた疲れがいっぺんに吹き飛ぶようだ。温泉の効果は絶大!

湯西川温泉の共同浴場に入る▲湯西川温泉の共同浴場に入る

【1本目】安ヶ森鱒沢林道へ。難無く突破!のハズが

湯西川温泉から安らぎの森キャンプ場の前を通り、栃木県側の安ヶ森林道に入っていく。福島県境の安ヶ森峠までは舗装路。

ところがいつもならば難なく走れる安ヶ森林道が大荒れなのだ。あちこちで路肩が崩れ落ち、倒木が道をふさいでいる。そしてついに大崩落現場で通行不能になってしまった。まさか最初の安ヶ森林道で通行不能になるなんて…。福島県側の鱒淵林道はダート距離が15.2キロのロングダートなので残念だ。

予定では安ヶ森鱒淵林道で栃木県から福島県に入り、田代山林道で福島県から栃木県に入り、川俣檜枝岐林道で栃木県から福島県に入るつもりにしていた。そんなプランがしょっぱなから崩れ去った。これが「林道ツーリング」というもの。このようなときはすぐに頭を切り替えて、プランを練り直さなくてはならない。

大荒れの安ヶ森林道を行く
▲大荒れの安ヶ森林道を行く
安ヶ森林道は大崩落で通行不能
▲安ヶ森林道は大崩落で通行不能

【2本目】”カソリ的”超ロングダート、田代山林道。紅葉と絶景峠を堪能

そこですぐさま湯西川温泉に戻り、県道249号で土呂部峠へ。そこから第2本目の田代山林道に入っていった。入口からダートなのがうれしい。県道に昇格した田代山林道。短い区間ではあるが舗装が延び、路面も整備されて、以前よりはるかに走りやすくなっている。

田代山林道の入口▲田代山林道の入口

10.4キロのダートを走り切ると、栃木・福島県境の田代山峠に到達。帝釈山脈から那須連峰を一望する絶景峠だ。

田代山林道の田代山峠
▲田代山林道の田代山峠
田代山峠からの眺め
▲田代山峠からの眺め

関東から東北に入り、奥会津側を下っていく。福島県側のダート区間は栃木県側以上に整備されているので走りやすい。13.3キロのダートを走りきり、峠下の水引の集落に出た。田代山林道のダート区間の合計は23.7キロになった。

紅葉の田代山林道を下っていく▲紅葉の田代山林道を下っていく

【3~5本目】の林道は…

第3本目の川俣檜枝岐林道は残念ながら予定が狂ってしまったのでパス。ダート34.3キロの日本でも有数のロングダートなだけに残念だ。

ところが「残念…」は、さらに次々につづくことになる。国道352号旧道の中山峠の近くから入っていく第4本目の七ヶ岳林道(ダート17.5キロ)、国道289号旧道の駒止峠の近くから入っていく第5本目の玉川林道(ダート7.8キロ)はともに通行止だった。

七ヶ岳林道は通行止
▲七ヶ岳林道は通行止
駒止峠旧道は通行止。玉川林道に入れず…
▲駒止峠旧道は通行止。玉川林道に入れず…

山口温泉・みそラーメン。再び気合いを注入!

もうガックリきたが、こういうときは温泉にかぎる。国道289号沿いの道の駅「きらら289」の山口温泉(入浴料700円)に入ると、さっぱりした気分になった。

さらに伊南(南会津町)の「こたき食堂」で「みそラーメン」(650円)を食べると、「さー、林道だ!」という気分になった。

伊南の「こたき食堂」の「みそラーメン」▲伊南の「こたき食堂」の「みそラーメン」

【6本目】意気揚々と小塩塩ノ岐林道へ!

伊南ではロングダートの小塩塩ノ岐林道に入った。これが第6本目の林道。大崩落で長い間、通行止だったが、入口には「通行止」の看板は立っていなかった。

「よーし、行くぞ!」とグラストラッカーのアクセルを吹かし、意気揚々とした気分で走ったが、またしても残念…、林道入口から4.2キロ地点で工事中。大型の重機が林道をふさいでいた。

その地点で戻らなくてはならなかったが、小塩塩ノ岐林道のダート区間は14.4キロ。「きっと今年こそは走れる!」と期待しているのだが…。

小塩塩ノ岐林道を行く。だがこの先で工事中…▲小塩塩ノ岐林道を行く。だがこの先で工事中…

【7本目】本名室谷林道へ突入。今度こそ…!

南会津からは国道289号→国道252号で本名(金山町)へ。本名ダムを渡ったところから第7本目の本名室谷林道に入っていく。福島県側の本名林道はダート14.8キロのロングダート、新潟県側の室谷林道は全線舗装。

「今度こそは!」という気分で県境の峠に向かって登っていくと、何ということ…。林道入口から7.0キロ地点で橋が落ちていた。またしても「残念…」で、来た道を引き返さなくてはならなかった。

本名室谷林道では橋が落ちていた。またしても残念…▲本名室谷林道では橋が落ちていた。またしても残念…

【8本目】会津街道の旧道、諏訪峠林道へ

国道252号→国道49号で新潟県に入る。会津街道の津川宿からはこの日、最後の諏訪峠林道に入る。第8本目の林道。この道が会津街道の旧道になる。

会津街道の野沢宿に寄っていく
▲会津街道の野沢宿に寄っていく
会津街道旧道の諏訪峠林道
▲会津街道旧道の諏訪峠林道

舗装路からダートに突入し、1.0キロのダートを走りと諏訪峠に到着。峠には巨大な電波塔が建っているが、林道はそこで行止り。諏訪峠林道は往復2.0キロのダート距離だった。

諏訪峠林道の諏訪峠。林道はここで行止り…▲諏訪峠林道の諏訪峠。林道はここで行止り…

津川宿に戻ると国道49号で新潟まで行き、新潟古町の「東横イン」に泊まった。それにしてもさんざんな一日。臨んだ7本の林道のうち、満足に走れたのは1本だけだった。

【賀曽利隆 コラム】続・東京→青森・林道走破行(下)に続く

賀曽利隆

賀曽利隆冒険家・ツーリングジャーナリスト

投稿者プロフィール

1947年東京生まれ。
1968年から2年間をかけてアフリカを一周したのを皮切りに、バイクで世界の6大陸を駆け巡る。
1982年には「パリ→ダカールラリー」に日本人ライダー初の参戦。1987年には「サハラ砂漠往復縦断」。7度の「日本一周」を成しとげ、「70代編日本一周」を目指している。
ツーリングマップル東北の担当ライダーで、東北の道という道を精力的に走っている。
モットーは「生涯旅人!」

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