【賀曽利隆 コラム】東京→青森・林道走破行(上)

【賀曽利隆:冒険家・ツーリングジャーナリスト】

「林道の宝庫」東北へ…林道走破行!

昨年(2015年)の8月21日、「東京→青森」の林道走破行に旅立った。
東京から青森へ、「林道の宝庫」の東北を縦断しながら何本もの林道を駆け抜けていくのだ。「東京→青森」というのは、「林道の狼・カソリ」の大好きな林道走破行のルート。いままでにルートを替えて何度も走っている。

今回の相棒はスズキの250ccバイク、グラストラッカーだ。街乗りのお洒落なバイクのイメージがあるが、グラストラッカーの林道の走破性はきわめて高い。何しろ車高が低いので、両足ベタ着きでガレ場やヌタ場などの難所を軽々と突破できる。

東京を出発⇒福島県境を越え東北へ

14時、東京を出発。首都高経由で常磐道に入り、那珂ICで高速道を降りると、国道118号を北へ。常陸大宮、大子と通り、茨城・福島の県境を越えて東北に入った。感動の瞬間。

国道118号の茨城・福島県境▲国道118号の茨城・福島県境

1日目の夜。東舘温泉に浸かった後は…

17時、東京から240キロの矢祭に到着。東舘温泉「ユーパル矢祭」に泊まる。さっそく大浴場の湯にどっぷりとつかった。バイクで走ったあとの温泉はもう最高。湯から上がると、生ビールで乾杯。「明日からの林道、がんばるぞ〜!」。

そのあとの夕食もよかった。刺身の盛り合わせ、煮魚、肉鍋、天ぷら、こんにゃく料理、煮物、玉子豆腐…。東北の玄関口の東舘温泉「ユーパル矢祭」はおすすめだ。

生ビールで乾杯! 「ユーパル矢祭」で▲生ビールで乾杯! 「ユーパル矢祭」で

東舘駅前から国道349号を行く

翌日は朝湯に入り、朝食を食べ、7時30分、出発。まずはJR水郡線の東舘駅前にグラストラッカーを止め、しばし記念撮影。そこから国道349号を行く。

JR水郡線の東舘駅前を出発▲JR水郡線の東舘駅前を出発

【1本目】密林のような金沢入宝坂林道に突入!

矢祭の町を抜け出たところで第1本目の金沢入宝坂林道に突入。狭路の林道は草木でびっしり覆われ、枝が体にからみついてくる。まるで大密林の中を一人、バイクで行くといった気分。

金沢入宝坂林道の道なき道を行く▲金沢入宝坂林道の道なき道を行く

大荒れの林道はまるで際限なくつづくかのようで、とにかく谷に落下しないように気をつけて走った。道の状態が少し良くなったところに出た時は、「助かった!」と声が出たほど。車の轍を確認できたのだ。「道なき道」から「道」になった。

こうして3.2キロのダートを走りきり、舗装路に出たときは、思わず「万歳!」。そこで折り返し、再度、金沢入宝坂林道を走り、国道349号に戻った。往復6.4キロのダート距離だ。

【2本目】整備された板庭入宝坂林道を往復

つづいての2本目は板庭入宝坂林道。こちらは路面の状態も良く、きわめて走りやすい。すぐに矢祭町と塙町境の稜線上へと登っていく。木々がおい茂っているので展望はよくないが、途中にある展望ポイントからは久慈川の向こうに連なる八溝山地の山並みを見る。

林道入口から4.8キロ地点の分岐を直進し、さらに板庭入宝坂林道を行くと、林道入口から5.9キロ地点で舗装路になった。舗装区間が延びたのはつい最近のことで、それまではダート区間が10キロ超のロングダートだっただけに残念。

舗装林道を走り、県道27号の板庭で折り返し、国道349号に戻った。往復11.8キロのダート距離だ。

よく整備されている板庭入宝坂林道を走る▲よく整備されている板庭入宝坂林道を走る

【3本目】峠越えの唐露林道を往復

国道349号を北上。第3本目は鹿角平牧場の近くの唐露林道で、峠越えの林道を往復した。といってもダートは0.9キロ。往復しても1.8キロでしかなかったが…。

峠越え林道の唐露林道を走る▲峠越え林道の唐露林道を走る

福島⇒宮城へ。白石名物を食べ、白石温泉に浸かる

国道349号で福島県から宮城県に入ると、角田から東北横断の国道113号で白石へ。町中の「小杉食堂」で白石名物の「うーめん」を食べた。「冷やしうーめん」(600円)。こうして名物を食べると、「今、旅をしている!」と実感できる。

泊まりは白石川に近い白石温泉「薬師の湯」。露天風呂の湯につかりながら満天の星空を見上げた。

白石の「小杉食堂」の「冷やしうーめん」
▲白石の「小杉食堂」の「冷やしうーめん」
白石温泉「薬師の湯」に到着
▲白石温泉「薬師の湯」に到着

【4本目】2県にまたがるロングダート、南蔵王不忘山林道へ

翌日は朝湯に入り、5時30分、出発。南蔵王不忘山林道を走る。宮城県側が不忘山林道で、山形県側が南蔵王林道になる。

宮城県側の不忘山林道はいままで何度か通行止で走れなかったことがあるので、国道113号→県道51号経由でダートに突入したときは緊張した。路面の状態は思ったよりもはるかに良好で、これなら「行けるな!」と、うれしくなってくるのだった。

宮城・山形県境の峠を超える

南蔵王の主峰、不忘山(1705m)の南側を縫う14キロのダートを走り切り、奥羽山脈の宮城・山形県境の峠に到達。舟引山(1172m)の山頂直下の名無し峠。

南蔵王不忘山林道の宮城・山形県境の峠に到達▲南蔵王不忘山林道の宮城・山形県境の峠に到達

山形県側の南蔵王林道は不忘山林道よりもはるかに走りやすい。峠を下っていく途中ではニホンカモシカに遭遇した。南蔵王林道のダートは7.9キロ。南蔵王・不忘山林道のダートは21.9キロで、日本有数のロングダートになっている。

山形では山寺を参拝

南蔵王不忘山林道を走り終えると上山へ。上山からは山形を通り、千年の法燈が灯る山寺の根本中堂を参拝。そのあと門前の「いずみや」で山形の郷土料理「いも煮鍋」(900円)を食べた。

山寺の根本中堂を参拝
▲山寺の根本中堂を参拝
山寺門前の「いずみや」の「いも煮鍋」
▲山寺門前の「いずみや」の「いも煮鍋」

山寺からは山形・宮城県境の二口峠に登り、二口林道を走ろうとしたのだが、残念ながら通行止だった。

【賀曽利隆 コラム】東京→青森・林道走破行(下)に続く

賀曽利隆

賀曽利隆 冒険家・ツーリングジャーナリスト

投稿者プロフィール

1947年東京生まれ。
1968年から2年間をかけてアフリカを一周したのを皮切りに、バイクで世界の6大陸を駆け巡る。
1982年には「パリ→ダカールラリー」に日本人ライダー初の参戦。1987年には「サハラ砂漠往復縦断」。7度の「日本一周」を成しとげ、「70代編日本一周」を目指している。
ツーリングマップル東北の担当ライダーで、東北の道という道を精力的に走っている。
モットーは「生涯旅人!」

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