初登場から20年以上。熟成を重ねた「690DUKE」が魅せる、新しいロードバイクの世界

【ケニー佐川:Webikeニュース編集長】

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幅広い用途で楽しめるミドルクラス・ネイキッドの進化型

KTMは3月の大阪・東京モーターサイクルショーで国内初公開した新型「690DUKE(デューク)」と「690DUKE R」を2016年モデルとして4月より国内発売することを発表した。

「690DUKE」とその上級バージョンの「690DUKE R」は、KTMにおいてはミドルクラス・ネイキッドの定番に位置づけられる中核モデルのひとつ。水冷シングルエンジンの強力なトルクと、車重150kgを切るクラス最軽量の車体を武器に、街乗りからツーリング、サーキットまで幅広い用途で楽しめる扱いやすさが魅力となっている。

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新型では基本設計を生かしながらもエンジンを大きくリニューアル。ボア×ストロークも見直し最高出力を5PSアップ。シリンダーヘッド部分にカウンターバランサーを新たに組み込むことで振動を低減、スムースなパワーデリバリーを実現している。

先進的な電子制御技術を投入。車体のディメンションも刷新

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ポイントはKTMが誇るビッグアドベンチャーシリーズで鍛えられた電子制御技術を投入していることだ。3モードが選べる「トラクションコントロール」や急激なエンジンブレーキを緩和する「モータースリップ・レギュレーション」、フロントのみABSを作動させてスポーティな走行を可能にする「スーパーモト・モード ABS」などの先進機能を設定。ベースモデルにはこれを「トラック・パック」というオプションとして用意することで、コストを抑えているところが新しい。

車体のディメンションも刷新されている。高出力化したエンジンに合わせてスタビリティを増す方向でフロントフォークのオフセットを最適化。シート形状も足着きを改善しながらもホールド性と快適さを兼ね備えたタイプとなっている。

ロードスポーツ性の高まった「690DUKE R」

一方、上級バージョンの「690DUKE R」は、フルアジャスタブルタイプの前後WPサスペンションにブレンボ製モノブロックキャリパー、アクラポヴィッチ製エキゾースト、バックステップなどの高性能パーツを標準装備し、スポーツ走行にフォーカスした仕様となっている。

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94年に登場した初代DUKEは、当時ほとんどオフロード専業メーカーだったKTMが初めて挑んだロードバイクだったが、その作りはまさにオフ車ベースのモタードチックなモデルだった。それが世代を重ねるうちに、エンジンの排気量を拡大しつつサスペンションもロード寄りの設定となりホイールもキャスト化。デザインも独自の脚長ネイキッドスタイルへと進化し現在に至っている。

そして、5代目となる最新型ではエンジンがショートストローク化され、バランサーも装備されるなど、高回転・高出力タイプになっているようだ。さらに注目したいのはステアリングまわりのディメンションの見直しで、ショートオフセット化によりトレールを伸ばしている点だ。

これにより、ステアリングの応答性は高めながら直進安定性も向上させている。つまり、より高い速度レンジでのコーナリングに対応したロードスポーツへと進化していると見て間違いないだろう。

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従来モデルは峠道などのタイトコーナーが得意な一方で、サーキットなどの高速コーナーではややフロントに立ちの強さを感じたが、おそらくそれも解消されていることだろう。加えて電制が入ったことで、より思い切った攻めの走りも安心してトライできるはずだ。

「DUKEシリーズ」熟成の歴史と新型への期待

思えば20年以上の長い時間をかけて少しずつ進化熟成してきたモデルであり、それがダートからアスファルトへと適応していった過程も興味深い。最新版DUKEがどんな走りを見せてくれるのか、今から楽しみである。

Webikeニュース編集長 ケニー佐川

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ケニー佐川

ケニー佐川Webikeニュース編集長

投稿者プロフィール

早稲田大学教育学部卒業後、情報メディア企業グループ、マーケティング・コンサルタント会社などを経て独立。趣味で始めたロードレースを通じてモータージャーナルの世界へ。
雑誌編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。
株式会社モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。
日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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