【和歌山利宏 コラム】タイヤは走りの世界をアレンジするアイテムへと進化している

【和歌山利宏:モーターサイクルジャーナリスト】

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近年のタイヤ性能の進化は著しい

バイクのみならず、タイヤの進歩には凄まじいものがあります。
事実、一昔前のバイクに最新のタイヤを履かせたら、ハンドリングは当時のオリジナルよりも向上すると言って過言ではありません。

特にここ近年は、接地面形状やプロファイルの曲率、剛性などを各バンク角において最適化させる技術が進歩し、誰にとってもクセがなく、ワイドレンジで乗りやすくなっています。

しかも、ハンドリングが素直で安定性に富むだけでなく、低温時のグリップ、ウェットグリップ、そして耐磨耗性も含め年々向上、登場時期が新しいほど優れていると見ていいほどです。

ブリヂストン バトラックス・ハイパースポーツS21の試乗会へ

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さて、先日、ブリヂストンは、アラブ首長国連邦のアブダビで、バトラックス・ハイパースポーツS21の試乗会を開催。私はそこで初の夜間走行を経験しました。

このS21は、サーキット走行向きタイヤとツーリングタイヤの間を埋める位置付けで、ワインディングを楽しみながら時にはサーキット走行も、という人のためのタイヤです。となると、サーキット用をマイルドにし、耐磨耗性を高めたものというイメージがありますが、実はそれだけではないのです。

ステアリングはキビキビとスポーティなのに、リヤからのリーンは穏やかで、マシンの寝かし込みに対する恐怖感を取り除いてくれるのです。それでいて、フルバンクでのフロントからの旋回性はなかなかのものです。

悪く言えば、寝かし込みにダルさはあっても、先鋭化したスーパースポーツを、多くの人にとって親しみやすいものとしてくれるのです。培ってきた技術をS21では走りのアレンジに生かしているわけです。

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用途に合ったタイヤ選びでバイクライフが豊かに

ただ、タイヤ選びの面白さが広がっている反面、自分のバイクライフに合っていないと、がっかりすることになりかねません。

S21と時をほぼ同じくして、ダンロップから登場したスポーツマックスα-13spは、S21と位置付けが近いタイヤです。
α-13spは「公道も走れるレーシングタイヤ」と言っていいキャラです。中間バンク角からフルバンクに向かって、見事に接地感と旋回性を高めてくれます。

でも、直立付近では標準のα-13のほうがダイレクト感があって、楽しいハンドリングが実現されています。ワインディング主体だけど余裕のグリップが欲しいみたいな理由で選ぶと、失望するかもしれません。

選択さえ間違わなければ、バイクライフをますます豊かにしてくれそうな昨今のタイヤなのです。

▼ブリヂストン バトラックス・ハイパースポーツS21 和歌山利宏試乗ムービー

和歌山利宏

和歌山利宏モーターサイクルジャーナリスト

投稿者プロフィール

1975年にヤマハ発動機に入社。ロードスポーツの開発に携わる。
レーシングライダーとしても活躍し、鈴鹿8耐第4回大会では4位入賞。
85年からはヨコハマゴム契約となり、タイヤの開発テストを行うとともに、
ワイルドカード参戦した87年の日本GPでは、250ccクラスで11位に入る。
90年からはジャーナリストとしての活動を始め、現在に至る。

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