【賀曽利隆 コラム】北海道一周2434キロ(1)

【賀曽利隆:冒険家・ツーリングジャーナリスト】

V−ストローム650XTと北海道一周の旅へ

昨年(2015年)の4月21日、青森の大間港発14時10分の津軽海峡フェリー「大函丸」に、「北海道一周」の相棒、スズキV−ストローム650XTとともに乗り込んだ。15時40分、函館港に到着。さー、「北海道一周」の開始だ。

函館港から函館駅前に行くと、まずは函館山が津軽海峡に落ちる立待岬に立った。雲ひとつない快晴で、海はキラキラ光り輝いている。絶好のツーリング日和。
函館からは海沿いの国道278号を行く。下北半島の大間崎(本州最北端)への最短距離(17.5km)の汐首岬を通過。右手に海を見ながらの快適走行だ。

函館駅前を出発!
▲函館駅前を出発!



函館山が海に落ちる立待岬
▲函館山が海に落ちる立待岬

 

恵山岬で水無海浜温泉に入るも…

活火山の恵山が海に落ちる恵山岬では、混浴無料湯の水無海浜温泉に入った。といってもほぼ満潮なので、海につかった瞬間、海同然の冷たさに思わず「ヒェーーー」と泣きが入った。まだ4月であり海水は冷たかった。

恵山岬の水無海浜温泉に入った。満潮の露天風呂は海と変わらない▲恵山岬の水無海浜温泉に入った。満潮の露天風呂は海と変わらない

 

握りずし⇒温泉・ビール。初日の北海道を満喫!

旧南茅部町の中心、川汲では国道沿いの「ひでちゃん鮨」で握りずしの「中寿し」(1280円)を食べ、1軒宿の「川汲温泉旅館」に泊まった。湯量豊富な温泉。大浴場の無色透明の湯にどっぷりつかる。湯上りに飲んだカンビールはメチャうま。「北海道に乾杯!」。

川汲の「ひでちゃん鮨」の「中寿司」▲川汲の「ひでちゃん鮨」の「中寿司」

 

2日目は早朝出発。国道5号で長万部へ

翌朝は川汲温泉の朝湯に入り、5時過ぎに出発。昇ったばかりの朝日が太平洋を赤々と染めている。森からは国道5号を行く。さすが北海道の幹線国道だけあって交通量が一気に増えた。

八雲を通り、長万部へ。長万部駅近くの「かにめし本舗」で名物駅弁の「かにめし」(1080円)を食べた。長万部にやってくると、どうしても食べたくなる一品。

川汲温泉「川汲温泉旅館」の朝湯に入る
▲川汲温泉「川汲温泉旅館」の朝湯に入る
長万部駅の名物駅弁「かにめし」
▲長万部駅の名物駅弁「かにめし」

長万部からは道央道を行く。交通量極少なので、片側一車線でもV−ストローム650XTの抜群の高速性能を十分に発揮できた。

 

室蘭で絵鞆岬・地球岬・イタンキ岬を巡る

室蘭ICで道央道を降りると、室蘭港をまたぐ白鳥大橋(無料)を渡って絵鞆岬へ。岬の展望台から内浦湾(噴火湾)の海岸線を一望する。

ここからは一部ダートの海岸線の道を走って地球岬へ。地球岬は中国人の人気スポットになっているようで、中国人観光客でにぎわい、中国語が飛びかっていた。
ここでは売店で北海道名物の「あげいも」(350円)を食べた。1串3個のあげいもはボリューム満点。さらにイタンキ岬まで行った。

地球岬の灯台を見下ろす▲地球岬の灯台を見下ろす

 

襟裳岬の突端。強風の「風の岬」へ

室蘭の3岬をめぐると、登別室蘭ICで道央道に入り、苫小牧東JCTから日高道を走る。ありがたいことに沼ノ端西ICから先は無料供用中で、日高紋別ICまでが完成している。
日高道→R235→R336→道道34で襟裳岬へ。

「風の岬」はいつも通りの強風で、歩いていても吹き飛ばされそうになる。岬の展望台からは、「日高山脈ここに尽きる!」といった風景の岩礁を見下ろした。

ここは襟裳岬の突端。猛烈な風が吹いている▲ここは襟裳岬の突端。猛烈な風が吹いている

 

十勝の大平原をひとり、突っ走る!

襟裳岬からは黄金道路を走った。完成してまもない「えりも黄金トンネル」を走り抜けたが、全長4941mで道内最長のトンネル。広尾、豊似と通り、国道336号で十勝の大平原を突っ走る。すれ違う車はほとんどなく、「一人、我が道を行く!」といった気分。
これぞ「北海道一周」だ。

交通量極少の国道336号を行く▲交通量極少の国道336号を行く

そして十勝川河口橋で道東の大河、十勝川を渡った。夕日を浴びた十勝川の悠々とした流れが目に焼きつく。浦幌からは国道38号のナイトラン。気温が一気に下がる。ガタガタ震えながら走り、20時30分、釧路に到着。釧路駅近くの「東横イン」に泊まった。

 

3日目、氷点下2度の夜明けに出発。国道44号に朝日が昇る

翌朝も夜明けとともに出発。時間は4時30分。国道44号で厚岸に向かったが、気温は氷点下2度。いや〜寒い。V−ストローム650XTのメーターには雪マークが点灯している。気温が2度前後になると灯き始める雪マークだが、路面は乾いているのでアイスバーンの心配はなかった。
それにしても寒い。これが4月下旬の北海道。寒さには何とか耐えられても、手の痛みは我慢できないほど。冬用のグローブを持ってこなかったことを悔やんだ。

寒気をブチ破るようにして、国道44号の行く手に朝日が昇る。真っ赤な朝日に向かって突っ走る感動で、しばらくは寒さを忘れることができた。厚岸に到着したのは5時20分。気温は0度まで上がり、ずい分と楽になった。

極寒の国道44号に朝日が昇る▲極寒の国道44号に朝日が昇る

 

霧多布でも絶景3岬を堪能

厚岸からは「愛の鐘」のある愛冠岬に立ったあと、海沿いの道道123号で霧多布へ。霧多布の「セイコーマート」で「おにぎり&お茶」の朝食を食べたあと、霧多布岬とアゼチの岬をめぐった。ともに絶景岬だが、アゼチの岬からの眺めはとくに目に残る。琵琶瀬湾に浮かぶゴメ島や小島、嶮暮帰島の無人島を眺め、右手に目を移すと霧多布湿原を一望する。岬の背後には霧多布の町並みが広がっている。

絶景岬の愛冠岬からの眺め
▲絶景岬の愛冠岬からの眺め
霧多布岬の霧多布灯台
▲霧多布岬の霧多布灯台

 

落石岬の湿原を歩く

霧多布からは道道123号→道道142号で落石へ。この海沿いのルートは「北太平洋シーサイドライン」といわれているが、北海道屈指の絶景ルート。落石では落石漁港を見たあと、落石岬の灯台まで歩いていく。湿原の中に木道が一直線に延びている。

落石岬を歩く▲落石岬を歩く

 

花咲岬から根室へ。函館→根室で951キロ走破

次は花咲岬。「花咲ガニ」で知られる花咲漁港を見たあと、花咲岬の遊歩道を歩き、岬突端の車石を見る。放射状に広がる直径6mの車形の玄武岩で、国の天然記念物に指定されている。

根室駅前に到着!▲根室駅前に到着!

花咲岬を後にすると根室の町に入り、10時、根室駅前に到着。ここででV−ストローム650XTを止めた。「函館→根室」は951キロだった。

【賀曽利隆 コラム】北海道一周2434キロ(2)に続く

賀曽利隆

賀曽利隆冒険家・ツーリングジャーナリスト

投稿者プロフィール

1947年東京生まれ。
1968年から2年間をかけてアフリカを一周したのを皮切りに、バイクで世界の6大陸を駆け巡る。
1982年には「パリ→ダカールラリー」に日本人ライダー初の参戦。1987年には「サハラ砂漠往復縦断」。7度の「日本一周」を成しとげ、「70代編日本一周」を目指している。
ツーリングマップル東北の担当ライダーで、東北の道という道を精力的に走っている。
モットーは「生涯旅人!」

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