【賀曽利隆 コラム】V-STROM(ストローム)1000で行く日本(4)

【賀曽利隆:冒険家・ツーリングジャーナリスト】

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京都から国道8号を走り新潟へ

9月23日5時、京都・四条大宮の「東横イン」を出発。昨夜というか、今朝というか、寝たのは3時なので、2時間にも満たない睡眠。しかし、わずか2時間でもグッスリ眠れたので気分は壮快。京都からは国道8号を走り、新潟を目指すのだ。

逢坂山峠を越えて滋賀県に入り、大津、草津と通って栗東へ。ここまでが国道1号との重複区間。栗東の分岐で国道1号と分かれ、国道8号を行く。大津から途切れることなくつづく町並みの向こうに朝日が昇る。
やがて正面には近江富士の三上山(432m)が大きく見えてくる。三上山が後に去ると、国道8号沿いには、湖東の平野が広がった。

0334_夜明け前の京都を出発だ
▲夜明け前の京都を出発だ
0339_国道8号に朝日が昇る
▲国道8号に朝日が昇る

旧中山道で鳥居本宿に寄り道。

彦根を過ぎたところでは旧中山道に入り、鳥居本宿に寄っていく。宿場の風情の残る鳥居本宿には、旅の携帯胃薬「赤玉神教丸」の販売元、有川家の建物が残っている。その前にV−ストローム1000を止めて記念撮影。
ここにはかつて、何軒もの「神教丸」を売る店があったということだが、今では有川家が1軒、残っているだけだ。

0371_中山道・鳥居本宿の有川家
▲中山道・鳥居本宿の有川家

敦賀で気比神宮、石川で金沢城へ寄り道。

鳥居本宿を後にすると、米原、長浜、木之本と通り、県境の峠を越えて福井県に入り、敦賀へと下っていく。敦賀では北陸道の総鎮守、越前の一宮の気比神宮を参拝した。

0379_越前の一宮の気比神宮を参拝
▲越前の一宮の気比神宮を参拝

敦賀からは敦賀湾沿いの国道8号を行く。対岸には敦賀半島。海岸線を離れると、武生トンネルを抜け、武生、鯖江、福井と通り、牛ノ谷峠を越えて石川県に入る。大聖寺、小松と通り、金沢では金沢城を見た。

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▲国道8号で福井を通過
0381_加賀百万石の金沢城に寄っていく
▲加賀百万石の金沢城に寄っていく

倶利伽羅峠展望台から絶景を一望。東西文化の境目は?

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▲天田峠の国道8号旧道

金沢からは国道8号の旧道で石川・富山県境の天田峠へ。そこから稜線上の道で倶利伽羅峠まで行き、峠の展望台に立った。加賀側のゆるやかな山並みを一望。峠からの風景を眺めながらカソリ、日本の東西の境目を考えてみた。

日本海側で一番、はっきりとしている東西の境は北アルプスの断崖が海に落ちる親不知だ。親不知を境にして越後側はより東日本的になり、越中側はより西日本的になる。たとえば親不知を境に越後側では正月魚といえばサケだし、越中側はブリになる。
その越中でも神通川の左岸に長々と横たわる呉羽丘陵を境にして西側の「呉西」は西日本的だが、東側の「呉東」は東日本的だといわれる。

そしてこの倶利伽羅峠だ。倶利伽羅峠の西側の加賀はもう完全に西日本の世界だが、峠の東側の越中になると、東日本の色彩を微妙にとどめている。このように日本の東西文化の境目を見ていくのはきわめておもしろいことだ。

親不知で休憩⇒新潟へ

富山県を走り抜け、境川を渡って新潟県に入り、国道8号最大の難所の親不知に突入。北アルプスの山並みはここで日本海に落ちる。国道脇の展望台に立ち、断崖がストンと海に落ちる親不知の風景を眺めた。道の駅「親不知」では「バイ貝」(500円)を食べたが、すごいシコシココリコリ感があった。

0394_親不知の日本海に落ちる断崖
▲親不知の日本海に落ちる断崖
0402_道の駅「親不知」の「バイ貝」
▲道の駅「親不知」の「バイ貝」

一日で604キロ走破。暗号ルート「123・1098」の完成!

糸魚川に到着。北陸新幹線でにぎわう糸魚川駅に寄り、さらに日本海の海岸線を行く。能生、直江津を通って柏崎へ。柏崎で日本海の海岸線を離れ、長岡へ。長岡では国道17号に合流する。三条・燕、白根と通り、新潟へ。
最後は高速道路のような新潟バイパスを走り、紫竹山ICで国道7号に合流。JR新潟駅に寄り、信濃川にかかる萬代橋を渡り、国道7号と国道8号の起点の本町交差点に到着。時間は22時。京都から604キロだ。

0417_JR新潟駅前に到着
▲JR新潟駅前に到着

この本町交差点はまさに「日本海の十字路」。国道7号と国道8号の起点であり、国道113号と国道289号、国道350号、国道403号、国道459号の起点にもなっている。さらに国道17号、国道49号、国道116号、国道402号の終点になっている。何と11本もの国道がこの本町の交差点に集中している。

このようなポイントは日本中を探しても、ほかにはない。東京の日本橋も真っ青。本町交差点近くの「東横イン」(新潟古町)に泊り、祝杯をあげた。これで「123・1098」の完成だ~!

東京~鹿児島の旅最終日。いわきを経由し東京へ

翌9月24日。4時30分、「東横イン」を出発。本州横断の国道49号で福島県のいわき市を目指す。交通量はほとんどなく、V−ストローム1000の快適走行。途中、パトカーに止められて青くなったが、スピードではなく、飲酒運転の検問なので助かった。やがて夜が明ける。真っ赤な朝焼け。

0425_朝焼けの国道49号を行く
▲朝焼けの国道49号を行く

新潟平野から阿賀野川の谷間に突入。津川を通り、鳥井峠を越えて福島県に入ると会津は一面の霧。会津坂下、会津若松と通り、猪苗代湖あたりまでくると、霧は晴れ、青空が広がった。

奥羽山脈の中山峠を越え、磐梯熱海温泉から郡山へ。朝の通勤渋滞をすり抜け、8時、新潟から180キロの郡山に到着。国道4号を横切り、阿武隈川を渡り、阿武隈山地に入っていく。長沢峠の「ドライブイン長沢峠」で朝食。「朝定食」(620円)を食べた。

往復3959キロの旅の終点は日本橋

10時、いわき市の国道6号との分岐点に到着。ここが国道49号の起点になる。「新潟→いわき」は250キロ。いわき勿来ICで常磐道に入り、常磐道→首都高経由で14時、東京の日本橋に戻ってきた。「東京~鹿児島」の往復は3959キロになった。

0459_東京・日本橋に戻ってきた!
▲東京・日本橋に戻ってきた!

賀曽利隆

賀曽利隆冒険家・ツーリングジャーナリスト

投稿者プロフィール

1947年東京生まれ。
1968年から2年間をかけてアフリカを一周したのを皮切りに、バイクで世界の6大陸を駆け巡る。
1982年には「パリ→ダカールラリー」に日本人ライダー初の参戦。1987年には「サハラ砂漠往復縦断」。7度の「日本一周」を成しとげ、「70代編日本一周」を目指している。
ツーリングマップル東北の担当ライダーで、東北の道という道を精力的に走っている。
モットーは「生涯旅人!」

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