【賀曽利隆 コラム】V-STROM(ストローム)1000で行く日本(3)

【賀曽利隆:冒険家・ツーリングジャーナリスト】

>>【前回】 V-STROM(ストローム)1000で行く日本(2)

東京⇔鹿児島「下道」の旅、後半戦の復路へ

「東京から鹿児島・往復」の後半戦開始。鹿児島からは国道10号で小倉を目指し、鹿児島市から姶良市に入る。
この鹿児島・姶良の市境が旧国でいうと薩摩・大隅の国境になる。鹿児島県というと誰もがすぐに「薩摩」を連想するが、鹿児島県は薩摩ともう一国の「大隅」の2国から成っている。面積でいうと薩摩よりも大隅の方が広いのだ。

kasori01-20160307▲鹿児島を出発。国道10号で小倉を目指す

「最南端バイクミーティング」でちょっと寄り道

鹿児島から40キロ地点の霧島市国分でいったん国道10号を離れ、国道220号を南へ、日本本土最南端の佐多岬を目指す。岬入口の南大隅町大泊で開催される「最南端バイクミーティング」に参加するためだ。「最南端バイクイベント」というのは、バイクで北極点と南極点の両極点に到達した冒険家風間深志さんが南大隅町と組んで開催するイベント。今回はその第1回目になる。

途中、鹿屋漁港前の「みなと食堂」で昼食。鹿屋名物カンパチの「かんぱちあぶり丼」(800円)を食べた。これが大正解。丼飯の上に花びら状にのったカンパチの切り身は、脂がたっぷりのって最高うまさ。それにカンパチのあら煮がついている。

kasori02-20160307▲これが「みなと食堂」の「かんぱちあぶり丼」

大隅半島を南下し、北緯30度59分30秒の佐多岬に立ったあと、「最南端バイクミーティング」の会場へ。海岸には特設の舞台がつくられている。日本各地からライダーのみなさんが続々とやってくる。会場入口のアーチをバイクがくぐり抜けるたびに、地元のみなさんが太鼓を鳴らして出迎えてくれた。

kasori03-20160307
▲日本本土最南端の佐多岬
kasori04-20160307
▲南大隅町の若き皆さんによる和太鼓の演奏

「最南端バイクミーティング」は南大隅町の町長さんの挨拶から始まった。風間深志さんの挨拶につづき、地元の若きみなさんによる和太鼓の演奏と舞踊が披露された。
そして翌日はカソリ、1時間ほどの講演を終えると、来た道を引き返し、国道10号に戻った。

門司を目指して国道10号を走る。鹿児島県から宮崎県に入り、都城を通り、20時30分、宮崎に到着。「ルートイン」に泊まった。ホテル内のレストランで炭火焼きの「日向鶏」をつまみにして生ビールを飲み、そのあとサンマの「焼き魚定食」を食べた。

宮崎から一気に北上 24時間下道1000キロへ

翌9月22日4時30分、宮崎の「ルートイン」を出発。外はまだ真っ暗だ。V-ストローム1000を走らせ、国道10号を北上する。この時間帯の国道10号はほとんど交通量がない。やがて夜が明け、朝日が昇る。

kasori05-20160307
▲宮崎の「ルートイン」を出発
kasori06-20160307
▲夜明けの国道10号を行く

6時15分、宮崎から86キロの延岡に到着。延岡を過ぎると交通量はガクッと減り、国道326号との分岐を過ぎるとさらに交通量は減った。大分に向かう車の多くは国道326号経由で国道57号→国道10号を行くし、「宮崎から大分」間の東九州自動車道の全線が開通しているので、国道10号はもうガラガラ状態。同じ九州でも西の国道3号と東の国道10号では大違い。大分県に入り、佐伯に近づくとようやく交通量が増えた。

8時30分、宮崎から202キロの大分に到着。大分からは別府、宇佐を通り、中津の道の駅「なかつ」で小休止。中津を過ぎると山国川を渡って福岡県に入る。豊前市、行橋と通り、11時45分、宮崎から329キロの小倉に到着。国道3号との交差点までが国道10号になる。鹿児島からは696キロ。その間の佐多岬往復分を引くと、「鹿児島→小倉」間の国道10号は458キロになった。

kasori07-20160307▲小倉に到着し、国道10号から国道3号に入る

関門トンネルを越えて本州再上陸!

関門トンネルで関門海峡を越え、12時30分、下関駅前に到着。ここからは国道9号で京都を目指す。小郡までは国道2号との重複区間。14時、下関から70キロの山口に到着。「セブンイレブン」でコカ・コーラを飲みながらハムサンドを食べる。山口からは木戸峠を越え、野坂峠を越えて島根県に入った。

kasori11-20160307
▲下関駅前から国道9号で京都を目指す
kasori08-20160307
▲国道9号の野坂峠を越えて島根県に入る

16時、下関から160キロの益田に到着。ここまで渋滞無し。国道9号は交通量は少なく、スイスイ走れる。山陽側の国道2号とは大違い。益田からは浜田、太田を通り、19時、下関から315キロの松江に到着。コンビニでカップ麺を食べた。

kasori12-20160307
▲日本海沿いの国道9号を行く
kasori09-20160307
▲日本海に落ちていく夕日。太田の近くで

松江からはナイトラン。鳥取県を走り抜け、蒲生峠を越えて兵庫県に入り、夜久野峠を越えて京都府に入る。猛烈な睡魔との戦い。自販機のカンコーヒーを飲んで耐える。福知山、亀岡と通り、老ノ坂峠を越えて京都盆地へと下っていく。あともう一息。堀川五条の交差点で国道1号と合流し、次の烏丸五条の交差点が国道9号の起点。ここが「下関→京都」のゴール。下関駅前から649キロだった。

四条大宮の「東横イン」に到着したのは2時30分。宮崎から22時間走っての到着だ。何ともうれしいことに、宮崎からの走行距離は1000キロを超え、1001キロになった。今まで何度かチャレンジしてできなかった24時間での「下道1000キロ」を達成したのだ。国道10号→国道9号はそれだけ走りやすいということになる。「下道1000キロ」を祝って一人、カンビールで乾杯するのだった。

kasori10-20160307▲「下道1000キロ」を達成し、カンビールで乾杯!

【賀曽利隆 コラム】V-STROM(ストローム)1000で行く日本(4)に続く

賀曽利隆

賀曽利隆冒険家・ツーリングジャーナリスト

投稿者プロフィール

1947年東京生まれ。
1968年から2年間をかけてアフリカを一周したのを皮切りに、バイクで世界の6大陸を駆け巡る。
1982年には「パリ→ダカールラリー」に日本人ライダー初の参戦。1987年には「サハラ砂漠往復縦断」。7度の「日本一周」を成しとげ、「70代編日本一周」を目指している。
ツーリングマップル東北の担当ライダーで、東北の道という道を精力的に走っている。
モットーは「生涯旅人!」

この著者の最新の記事

関連記事

編集部おすすめ

  1. コルハートが取り扱いを行う「Dzell」からブレーキのリザーバータンクキャップの上に共締めす…
  2. 1a6433aec6af783f6d008221be38055e_s
    自賠責保険(共済)の損害調査を行っている損害保険料率算出機構は、2017年1月17日に金融庁…
  3. 国土交通省は、二輪自動車等に備える緊急制動表示灯の基準を新設し、発表した。 平成2…
  4. 20170209_swm_SV11
    2015年、EICMAでの発表を機にブランドの復活を宣言 1971年に創業されたイタリアのモー…
ページ上部へ戻る