「SC-1」から最新の「NMAX」まで。スクーターでライフスタイルを提案し続ける、ヤマハ発動機のモノ創り

2016 NMAX

ヤマハ発動機は、”ひろがるモビリティー”を合言葉に様々なモノ創りを展開しているが、そのきっかけとなったのは1960年。従来のモーターサイクルファンに加え女性や若い学生たちまで客層を広げようと手がけた、スクーターとモペット(アンダーボーンモデル)だった。

ユーザーのライフスタイルを提案し続ける小・中型スクーターの歴史から、ヤマハのモノ創りの原点が見えてくる。

軽快・快適・ファッショナブルを追求した「SC-1」

SC-1▲出展:国内販売店向け情報誌「ヤマハニュース」1960 年6月表紙より

1955年、モーターサイクルメーカーとして第一歩を踏み出したヤマハ発動機は、125ccと250ccスタンダードモデル、250ccスポーツモデルの3機種で月産7,000台を達成。海外輸出も販路を広げつつあった。

この勢いをさらに促すため、1960年に新発売したのが2機種のコミューター。175ccスクーター「SC-1」と50ccモペット「MF-1」
1959年、日本の二輪車生産台数は年間88万台で、そのうち14%にあたる12万5,000台をスクーターやモペットが占めており、ここに「SC-1」と「MF-1」を投入し、国内外の新規需要開拓を図ったのだった。

女性の利用を意識したデザインと斬新な技術

ここで注目すべきは、すでに女性をを「SC-1」の想定ユーザーに入れていたこと。開発は操作の容易さ、居住性の良さ、走行安定性の高さ、軽さを重点に進められ、プレスモノコックフレーム、2段ギアの自動変速装置、前後片持ちサスペンション、アルミ鋳造ホイール、シャフトドライブ、セルスターターなど斬新な技術が盛りだくさんに織り込まれた。
またヤマハならではのスマートで洗練されたスタイリング、デザインも特徴のひとつとなり、発売直後、モダンに着飾ったマネキンと花々に囲まれた「SC-1」が大手デパートのショーウインドウを飾り、道行く人々の注目を集めたのだった。
時代はまだ1960年。戦後15年ほどしか経っていない中で、女性の活躍の場はまだ限られていた時代の話である。

SC-1▲1959年の東京モーターショーに展示されたヤマハ発動機初のスクーター「SC-1」
 女性を意識した展示であったことが伺える。

先進技術導入も車両トラブルが続出

また「MF-1」についても、乗り降りしやすく軽量なアンダーボーンのモノコックフレーム、高出力低燃費のエンジン、セルスターターなどを採用。より若く軽快なイメージを打ち出した。
ところが発売後まもなく、数々の新技術を詰め込んだ両車にトラブルが続出。クレーム対策に苦慮したヤマハは、軽自動車の普及に押されて需要が激減したスクーターから、いったん手を引かざるを得なかった。

その後ヤマハは、コミューター製品を市場が活況なモペットに絞り、実用性、耐久性を大きく進化させた初代「Mate(U5)」を発売。さらに、核家族化が進む1970年代の日本市場で手軽に乗れる50cc・80ccモデル(ファミリーバイク)を数多く開発し、簡単操作、軽量・小型化の技術を蓄積していった。

 

優しいステップスルーでブレイクした「Passol」

160223_20▲出展:「ヤマハニュース」1977年9月表紙より

そして1977年、ひとつの画期的な新製品が、ヤマハにスクーター復活の光を灯した。社会進出がめざましい女性層を狙って開発した「Passol」だ。
最大の特徴は、スカートを穿いたまま両足をそろえて乗れるフラットなフットボードの”ステップスルー”スタイル。
さらに足着き性がよく扱いやすいコンパクトなボディ、エンジンや駆動系を外装で隠して清潔さや親しみやすさを感じさせるスマートな外観デザイン、乗り心地を重視した足まわり、両手ブレーキとアクセルだけのシンプルな加減速操作など女性に優しい機構やアイデアを満載したのだ。ショッピングにレジャーに仕事に、女性の行動半径を大きく広げるオシャレで便利なパーソナルビークルとして大ヒットした。

 

蓄積した技術でスクーター市場を牽引する存在へ

160223_21

「Passol」をきっかけにブレイクしたヤマハスクーターは、同時に市場をアメリカやオセアニア、ヨーロッパ、台湾へと拡大。やがて近距離コミューターと長距離ツアラーの機能・性能を合わせ持つ250cc「Majesty」、500cc「TMAX」も登場し、現在は50ccから排気量ごとにスタンダード、クラシック、スポーツなど個性豊かな製品ラインナップで、幅広いユーザーの好みや用途に応えている。
過去の失敗や成功を繰り返した経験の蓄積から、スクーター市場においても革新的なアイディアや独創的な製品を、次々と生み出す原動力となったに違いない。

各国の文化・風土に合わせたローカライズで発展していったスクーターモデル

一方、100~150ccの小排気量車で先進国をしのぐ巨大市場のASEAN諸国は、実用優先・生活密着型の4ストローク・アンダーボーンモデル(モペット)が中心だった。そこで2002年、ヤマハは新たな潜在需要の開拓をめざし、オートマチックの手軽さ・扱いやすさとアンダーボーンのスマートさを融合させたスクーター「NOUVO」をマレーシア、インドネシア、タイ、ベトナムなどに幅広く投入。さらに「Mio」、ステップスルースタイルのスクーター「Cygnus」シリーズや「Nozza」シリーズを続々と開発し、ファッション感度の高い若者層の支持を獲得したのだった。
また2012年には、スクーター人気が高まりつつあったインドに、ファッショナブルでやさしい機能満載の「Cygnus Ray」を投入。かつて日本市場を変えた「Passol」のように、若い女性たちの社会進出を促した。

しかし、こうしてスクーター市場のグローバル化が進むほど、国や地域ごとの社会背景や文化の違いに適合した細やかな作り込みは困難になっていった。そこでヤマハは、エンジンやフレームなど基本ユニットを共通化し、スタイリングやデザイン、装備、各部の仕様を変更することで最適なローカライズを行い、製品バリエーションを増やすプラットフォーム戦略を推進した。

先進技術が投入されたBlue Coreエンジン

160223_15▲走りの楽しさと燃費・環境性能を両立する“BLUE CORE”エンジン。
 2020年には3タイプのエンジンで年間500万台の生産を目指す

その中核をなすのが、走りの楽しさと燃費・環境性能を高次元で両立し、高効率な燃焼、高い冷却性、ロスの低減を徹底的に追求した「Blue Core 思想」に基づく小型エンジンだ。このエンジンは、2014年発売のベトナム向け「Nozza Grande」に初搭載された。

2015年にインドネシアに導入され、2016年3月に国内発売が予定されている「NMAX」は、125ccと155ccの2モデルがグローバル展開中。いっそう燃焼効率を高める可変バルブシステム採用の最新エンジンを搭載しており、同時に国内モデルとしては初めての”BLUE COREエンジン搭載車”となる。

160223_16

「NMAX」発売による国内市場への影響もさることながら、今後も市場に密着しながら進化し、ユーザーのライフスタイルを提案し続けるヤマハのモノ創りに期待したい。

 

「SC-1」から「NMAX」までの年表

160223_23

【関連ニュース】
◆【新車】ヤマハ、新開発水冷BLUE COREエンジンを搭載した「NMAX」を発売 インドネシアへ導入
◆【新車】ヤマハ、MAXシリーズのスタイルを125ccに展開した「NMAX」を発売
◆好みは都会派「NMAX」?それとも野生派「BW’S」? ヤマハから個性溢れる2スクーターが登場!

情報提供元 [ ヤマハ発動機 ]

関連記事

編集部おすすめ

  1. エッジの効いたラインとスパイダーメッシュ柄 アライは、機能に徹したスタンダードフルフェイス…
  2. サーキット直系のクオリティーをストリートで! アクラポビッチは、ニンジャ1000(Z100…
  3. 欲しいバイクがきっと見つかる!「ウェビックバイク選び」のスタッフが試乗して「普通のライダー目線」のレ…
  4. 【 Webikeニュース編集部 】 初代GSX-Rが発売されてから33年目、6代目のGSX…
ページ上部へ戻る