【賀曽利隆 コラム】V-STROM(ストローム)1000で行く日本(1)

【賀曽利隆:冒険家・ツーリングジャーナリスト】

昨年(2015年)の9月17日、V-STROM(ストローム)1000での「東京~鹿児島・往復」に旅立った。国道1号の起点となる日本橋から、すべて一般道の旅程だ。

日本橋に行くまでがひと苦労。国道の起点から下道の旅

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▲雨の東京・日本橋を出発

神奈川県伊勢原市の自宅を出たのは午前4時。東名→首都高で日本橋に向かったのだが、首都高は事故で大渋滞。ようやく日本橋に到着したのは5時30分。5時45分に出発。バサバサ音をたてて雨が降っている。

「東京~鹿児島」の往路編では国道1号→国道2号→国道3号を行く。復路編では国道10号→国道9号→国道8号で新潟へ。新潟から東京に戻ってくる予定。
何か、暗号めいた「123・1098」での「東京~鹿児島・往復」なのだ。

東京と神奈川の県境、多摩川まで一号線をトレース

国道1号はほぼ東海道に相当しているが、都内では国道15号(第一京浜)が東海道になる。日本橋から国道15号を行けば、銀座、品川を通り、ほぼ一直線に多摩川の六郷橋へと延びている。
ところが国道1号では都内を抜け出るまでが大変。日本橋を出るとすぐに右折。さらに大手町の交差点を左折し、日比谷の交差点を右折、警視庁のある桜田門の交差点を左折する。
虎ノ門、赤羽橋と通り、慶応大学角の三田の交差点を右折、白金の交差点は左折する。中原街道と分岐するとやっと一本道になり、環七、環八と交差して多摩川大橋で多摩川を渡る。迷わずに国道1号で多摩川まで来るのは簡単ではない。

雨の東海道をひた走る

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▲雨の箱根峠を越えて静岡県に入る

多摩川を渡って神奈川県に入り、川崎から横浜へ。横浜駅の手前で国道15号と合流し、ここから先は国道1号がほぼ東海道に相当する。保土ヶ谷から戸塚へ。神奈川県に入っても大渋滞は続き、茅ヶ崎も大渋滞。相模川を渡って平塚まで来ると、やっと渋滞は緩和された。
日本橋から68キロの平塚到着は8時45分。68キロに3時間もかかったことになる。家を出てからは4時間30分。我が家からまっすぐ平塚まで来れば30分もかからないのだが…。 平塚から大磯、二宮を通り小田原へ。相変わらず雨が音をたてて降っている。箱根峠を越えて静岡県に入ると、雨はいっそう激しくなった。

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▲静岡も雨...
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▲名古屋に入っても雨
静岡、浜松、豊橋、岡崎とずっと雨…。日本橋から368キロの名古屋に到着したのは18時。雨は相変わらず降っている。
木曽川を渡って三重県に入り、鈴鹿峠を越えて滋賀県に入り、逢坂山峠を越えて京都府に入り、洞ヶ峠を越えて大阪府に入った。

下道を560キロ走り、国道1号線の終点、大阪・梅田へ

24時45分、日本橋から560キロを走って国道1号の終点、梅田新道の交差点に到着。19時間をかけての国道1号全線走破。雨は最後の最後まで降り続いた。
交差点近くの「東横イン梅田東」に泊まる。湯に入り、体をあたためたところで、国道1号の完走を祝ってカンビールで乾杯。そのあと真夜中の「コンビニ弁当」を食べるのだった。 kasori02-20160222
▲大阪・梅田の「東横イン」にやっと到着!

夜明け前の梅田の交差点から国道2号、一路神戸へ

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▲夜明けの大阪・梅田の交差点を出発

翌日は午前5時、出発。ちょうど夜が明けるところだった。前日の雨、雨、雨…とはうってかわって晴天なのがありがたい。国道1号の終点の梅田の交差点から走り出す。ここが国道2号の起点になる。大阪の中心街も、この時間帯だと、まだ交通量はすくない。
淀川を渡り、神崎川を渡って兵庫県に入り、尼崎、西宮、芦屋と通り神戸へ。大阪から35キロ、神戸の中心、三宮に到着したのは6時。ここまではスムーズに走れた。 kasori04-20160222
▲神戸の三宮駅前

神戸からが大変だ。渋滞の連続。明石海峡大橋の下をくぐり抜け、明石の中心街を通過。明石から加古川を通って姫路へ。
バイパスを使わなかったのは大失敗。神戸から60キロの姫路に着いたのは9時。3時間もかかった。姫路の中心街から南へ、国道2号の姫路バイパスに入り、太子竜野バイパスを走り相生へ。相生を過ぎると、すこしは楽に走れるようになった。国道2号はとにかく交通量が多い。ただひたすらに我慢、我慢で走るしかない。
播州平野から関西と中国の境に連なる山地に入り、まずは鯰峠を越える。続いて兵庫・岡山の県境の船坂峠を越えて中国地方に入っていく。 kasori05-20160222
▲船坂峠を越えて中国地方に入っていく

岡山、広島を通り、大竹を過ぎると山口県に入る。岩国、徳山、防府と通り、小郡で国道9号に合流。下関までは国道2号と国道9号の重複区間。小郡を過ぎたところで夕日が山の端に落ちていった。

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▲広島の中心街を走り抜ける
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▲小郡を過ぎたところで夕日が落ちる

大阪から548キロ、下関で一泊。下関名物「ふく料理」に舌鼓

下関市に入り、国道2号と国道9号の分岐点ではいったん国道2号を離れ、国道9号で下関駅まで行く。下関駅前に到着したのは20時30分。大阪から548キロだった。

下関駅近くの「東横イン」に泊まると、さっそく夜の下関の町を歩く。駅周辺の海鮮料理店をのぞいていく。そのうちの一軒、「ふく料理」の暖簾を掲げた「つた本店」に入った。店の入口のボードに掛かれた「ふく定食3000円」に魅かれたからだ。これは安い。
下関ではフグのことを福を呼ぶ魚という意味で「フク」といっている。ここでは「ふく刺し」と「こふく揚げ」を食べた。「おー、これぞ下関!」

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下関の「東横イン」に到着
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下関の「ふく定食」

【賀曽利隆 コラム】V-STROM1000で行く日本(2)に続く

賀曽利隆

賀曽利隆冒険家・ツーリングジャーナリスト

投稿者プロフィール

1947年東京生まれ。
1968年から2年間をかけてアフリカを一周したのを皮切りに、バイクで世界の6大陸を駆け巡る。
1982年には「パリ→ダカールラリー」に日本人ライダー初の参戦。1987年には「サハラ砂漠往復縦断」。7度の「日本一周」を成しとげ、「70代編日本一周」を目指している。
ツーリングマップル東北の担当ライダーで、東北の道という道を精力的に走っている。
モットーは「生涯旅人!」

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