【ケニー佐川 コラム】気持ちよく走るための「意思表示」

【ケニー佐川:Webikeニュース編集長】

分かりづらいジェスチャー

先日、都内でクルマを運転していたときのこと。左に車線変更をしたくてウインカーを出したが、後続のクルマが車間距離を詰めてきてなかなか入れてくれない。
しばらく並走するかたちになったが、どうしても入れてくれないので仕方なく減速してそのクルマをやり過ごしてからあらためて車線変更することに。こちらのほうが前にいたし十分な間合いがあったと思うが、相手はよほど急いでいたのか、それとも何か気に障ることでもあったのか。

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一瞬、窓越しにドライバーをちら見したのだが、その高級外車に乗った高齢の男性は、手のひらをヒラヒラさせて何か意思表示しているように見えた。「あっちへ行け」なのか、「早く入れ」なのか、「バイバイ」なのか・・・・・・。

そのジェスチャーの意味がどうもよく分からず、その後も悶々とした気持ちが残ったのだが、こういうことは意外と多いのではないだろうか。クルマもバイクもだが、走行中は相手の顔が見えにくく言葉でのやりとりもできないため、意思の疎通がしづらい。ちょっとしたボタンのかけちがいが、路上の口論やトラブルの原因になることがある。

よくあるのが、クラクションやパッシングを巡るトラブルだ。クラクションも“プッ”は「ありがとう」を伝えるマナーにも聞こえるが、“プーーーッ”になると途端に攻撃的な感情表現に変わる。交差点でのパッシングライトも「眩しいよ」なのか、「先に行け」なのか、「先に通るよ」なのか迷うことがある。受け手の精神状態にもよるが判断が難しいところだ。

簡単なことでも意思は通じる

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バイクの場合は幸いにしてライダーの身体が剥き出しなので、手振り身振りによる意思表示がしやすいのは利点と言える。代表的なのはピースサイン。日本でも海外でも、ツーリング先ではすれ違うライダー同士がピースサインを出し合うが、気持ちのいいものである。バイクでつながった仲間としての連帯感や、旅の感動や安全への祈りを互いに共有する気持ちだと思う。

今のクルマに比べるとややローテクな感じのするバイクのほうが案外、意思疎通がしやすいというのも皮肉な感じだが、その利点をもっと生かしてライダー同士がコミュニケーションしやすい「ハンドサイン」を作ったらどうかと思う。たとえば、「もっと速度を落とそう」とか「ネズミ捕りやっているぞ」(笑)とか。ツーリング中の仲間同士で使える簡単なハンドサインがあってもいい。「先に行って」「標識を見て」「休憩しよう」などいくつか決めておくと、インカムがない場合でも便利だ。

もっと簡単なことがあった。ちょっと“片手を挙げる”だけでいい。バイクでもクルマでも、相手に車線を譲ってもらったら「ありがとう」、反対に自分が強引に入ってしまったら「ごめんね」という気持ちを伝えたい。ちょっと片手を挙げるだけで、路上でのぎすぎすした人間関係がだいぶスムーズになると思うのだが。

ケニー佐川

ケニー佐川Webikeニュース編集長

投稿者プロフィール

早稲田大学教育学部卒業後、情報メディア企業グループ、マーケティング・コンサルタント会社などを経て独立。趣味で始めたロードレースを通じてモータージャーナルの世界へ。
雑誌編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。
株式会社モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。
日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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