【和歌山利宏 コラム】バイクメーカーのテスト部門は、どこも体育会系だった

【和歌山利宏:モーターサイクルジャーナリスト】

体育会系の雰囲気を持っていたヤマハのテスト部門

41年前、バイクの開発に興味を持ち、テストライダーにも憧れてヤマハに入社、希望通り実験部門に配属された私にとって、意外だったのは職場の雰囲気が体育会系そのものだったことでした。

日本のバイク産業創成期の昭和30年代に浅間コースを体験してきた先輩が多かった時代ですから、当然といえば当然で、設計部門や研究部門の研究室っぽい雰囲気とは違っていて、それは驚きでもありました。

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考えてみれば、バイクに乗ることはスポーツであり、危険も伴ないますから、先輩が後輩に目を光らせることは当たり前で、若造にはそれを受け入れる謙虚さが必要です。実際、私はその雰囲気に育てられたと感謝しています。

日本の4メーカーにもよく似たところがあったはずです。では、海外メーカーではどうなのでしょう。そのことがジャーナリストとして海外メーカーを訪問するようになった私にとって、興味の一つでもありました。

海外メーカーのテスト部門事情

で、どうだったのかと言うと、私がかつて経験した体育会っぽさは、どこも同じでした。それだけではありません。実験部門には、チーフとなる番長型、一方で外交型、学究型など色んなタイプの人達でいてチームワークが成り立っていますが、そのことも同じだったのです。

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写真で私と一緒に映るのは、先のブルターレ800の試乗会でテストチームのチーフであるアリスティーデ・クレモネーゼさんです。試乗会ではいつもテストライダーやメカニックを仕切っています。

2年余り前、シート高が極端に高いリヴァーレの試乗会で、サスが私の体重には固めで車高も高かったのでプリロードを下げてもらえないかと彼にお願いしたら、「いや、本来のセッティングで乗ってくれ」と、見事に却下されたことがありました。私もそうした事情や背景を理解し、お互いさらに仲良くなったものです。

数年前、MVアグスタ社を訪れたとき、着替えのために案内されたテストライダーのロッカールームのチリひとつない整然さにいたく感心したことがあります。きっと彼の指導が行き届いているのでしょう。テストライダーの感性を磨くために、そうした整理整頓に気を配ることも大切なのです。

体育会的と思われがちなことも、日本だけのものではないのかもしれません。

和歌山利宏

和歌山利宏モーターサイクルジャーナリスト

投稿者プロフィール

1975年にヤマハ発動機に入社。ロードスポーツの開発に携わる。
レーシングライダーとしても活躍し、鈴鹿8耐第4回大会では4位入賞。
85年からはヨコハマゴム契約となり、タイヤの開発テストを行うとともに、
ワイルドカード参戦した87年の日本GPでは、250ccクラスで11位に入る。
90年からはジャーナリストとしての活動を始め、現在に至る。

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