【和歌山利宏 コラム】コンポーネントの共用化は市場にも優しいはず

【和歌山利宏:モーターサイクルジャーナリスト】

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先日、MVアグスタの新型ブルターレ800にスペインで試乗してきました。

国産車に引けをとらない「最高水準」の完成度

はっきり言って、技術的な完成度は現時点における最高水準にあり、国産車にも全く引けを取っておりません。そして、キャラにはイタリアンらしくパッションが放たれていても、尖った要素は排除され、乗りやすさがしっかりライダーをフォローしてくれます。

多くの欧州メーカーがそうであるように、MVアグスタは企業規模としては決して大きくなく、日本メーカーのように基礎研究に巨費を投じることもできません。
でも、技術的には最先端にあります。欧州メーカーがそれぞれの分野のサプライヤーとの共同開発によって、最先端技術の提供を受けているからなのです。

電子制御はマグネッティ・マレリ、ABSはボッシュ、ブルターレには採用されていませんが電子制御サスはザックスといった具合です。欧州メーカーの多くがタイヤにピレリ、ブレーキにブレンボを採用するのは、それらが優れているだけでなく、共同開発体制が整っていて開発コストを抑えることができるからでもあります。

グローバルな技術共用がもたらすもの

ところが、日本メーカーはそうした取り組みを好みません。技術的に自分たちのほうが優れているとの自負があるでしょうし、自ら開発することによる技術蓄積が大切との考えもあるからです。また、古くからの機密保持体質もあるのでしょう。
でも、欧州車の現実と業界のグローバル化を考えると、方針転換の時期に来ていると思えます。

今年から、モトGPではECUがマグネッティ・マレリに共通化されます。モトGPへの新規参入メーカーがそのECUを使うことで、電子制御面での技術的ハンディを小さくし、参入しやすくするのが狙いとのことです。

私は、このECU共通化が、市販車開発に一石を投じることになればとさえ思っているのです。

和歌山利宏

和歌山利宏モーターサイクルジャーナリスト

投稿者プロフィール

1975年にヤマハ発動機に入社。ロードスポーツの開発に携わる。
レーシングライダーとしても活躍し、鈴鹿8耐第4回大会では4位入賞。
85年からはヨコハマゴム契約となり、タイヤの開発テストを行うとともに、
ワイルドカード参戦した87年の日本GPでは、250ccクラスで11位に入る。
90年からはジャーナリストとしての活動を始め、現在に至る。

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