欧州での博覧会とはトレードショーなのである

【和歌山利宏:モーターサイクルジャーナリスト】

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欧州ではビジネスの場としての博覧会

バイクショーに限らず、日本における博覧会と欧州のそれとの大きな違いは、日本では一般の人々向きの華やかなショーであるのに対し、欧州ではビジネスの場であるトレードショーとして位置付けられていることです。

メーカーが新型車を発表するのも来期のビジネスのためですし、パーツメーカーやショップが出展するのは商品を業界の関係者に売り込むためでもあるのです。

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そのため、生々しい駆け引きが垣間見えることがあります。他よりもカンファレンスを早く行ったメーカーの新型車の価格はまだ未定で、明日の朝に発表するとの通知が流れることもあります。競合車の出来具合や価格を見極めたうえで、最終決定するというわけです。

プレスとトレード関係者を対象とした日程の後に一般公開が始まるのですが、一般の人達もそうした活気ある雰囲気を味わうことになります。開催地には多くの人達が訪れ、街も潤います。そうした博覧会文化が成り立っているのです。

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日本からの出展者は減少傾向に

ただ、先のEICMAにしても、日本からの出展者は近年かなり減っています。日本の4メーカーにしても欧州の現地法人からの出展で、出展者数は面積も人口も日本の九州程度の台湾からのほうが、日本よりもはるかに多いのが現状です。

そんな中、スペシャルパーツAELLAブランドを製造販売するカスノモーターサイクルが、EICMAに初出展しました。出展スペースが確保できることになったのが、ショーの一ヶ月前という慌しさだったそうです。

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社長の糟野雅治さんは「結構、製品への引き合いがあって、ほんま来て良かったわ。東京モーターサイクルショーに出展しても自己満足で終わりやけど、こっちではやったことが返ってくるもんな」と語ってくれました。やはりトレードショーであることを実感されたようです。

東京”モーターサイクル”ショーに期待するもの

あえて個人的な意見を言わせてもらうと、「東京モーターショー」での二輪車ショーは、バイク業界の発展にさほど貢献しているとは思えません。その点、「東京モーターサイクルショー」は、変に洗練されることもなく、バイクファンにとって等身大で接することができ、楽しめるものとなっていると思います。

さらに、その東京モーターサイクルショーにメーカーが新型車を発表し、トレードショーとしても機能するようになったとしたら、バイク業界全体がもっと盛り上がる気がするのです。

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和歌山利宏

和歌山利宏 モーターサイクルジャーナリスト

投稿者プロフィール

1975年にヤマハ発動機に入社。ロードスポーツの開発に携わる。
レーシングライダーとしても活躍し、鈴鹿8耐第4回大会では4位入賞。
85年からはヨコハマゴム契約となり、タイヤの開発テストを行うとともに、
ワイルドカード参戦した87年の日本GPでは、250ccクラスで11位に入る。
90年からはジャーナリストとしての活動を始め、現在に至る。

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