今年のミラノショーは何かが違う。でも、それは悪いことじゃない。

【和歌山利宏:モーターサイクルジャーナリスト】

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例年とは違ったミラノショー

今年もミラノショーEICMAが開催されました。ミラノショーに限って言えば19年目、10年前に今の新会場が開設されてから以降は毎年欠かさず取材を続けてきました。
だけど、今年は何かが違っていたのです。

まず、ミラノではほんの3週間前までEXPOが開催されていたため、ここの博覧会場でのショーも行われておらず、それを取り戻すべく、紡績機関係の展示会と同時開催になってしまったのです。ホテル不足で宿泊予約できないことに四苦八苦するばかりか、親しんできたプレスルームも使えず、何かと不都合なことが多かったのです。

まあ、それはともかく、ショーの内容も違っていた様子でした。例年なら知人と出会ったとき聞かれるのは「何が一番、印象的だった?」なのに、今年は「何か面白いものあった?」なのです。ミラノショーというとイタリアンパッションを感じさせるエキサイティングさが身上で、それが当たり前になっていたのに、今回は実用的で現実的なモデルばかりだったというわけです。

しかも、嗜好が間違いなくレトロ調に向かっています。実際、ショーでバイクに跨り、真剣にバイクを調べているのは、50歳以上と思しき高年齢者ばかりです。それは日本でも同じことでしょうが。

バイク業界への予感

でも、ショー会場で顔を合わす知人と言えば、同業のジャーナリストを始め、この業界に携わっている人です。それぞれにバイクに思い入れがあって、この世界に足を踏み入れたプロばかりです。ある意味では彼らは特殊な人間です。彼らにとって快感のあるインパクトは、多くの人達にとって必ずしも受け入れられるものばかりではないのかもしれません。そう考えると、今回のトレンドはバイクの原点を見直すいいきっかけとも言えます。

それに、この業界にとって好ましい面も発見できます。中小排気量のシングルかツインエンジンしか作れないような中小メーカーも、これまではただの実用車でしかなかったものを、レトロ調の魅力的なバイクに生まれ変わらせることができるのです。

バイク業界全体が活気を帯びていくであろう予感さえあるのです。

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和歌山利宏

和歌山利宏モーターサイクルジャーナリスト

投稿者プロフィール

1975年にヤマハ発動機に入社。ロードスポーツの開発に携わる。
レーシングライダーとしても活躍し、鈴鹿8耐第4回大会では4位入賞。
85年からはヨコハマゴム契約となり、タイヤの開発テストを行うとともに、
ワイルドカード参戦した87年の日本GPでは、250ccクラスで11位に入る。
90年からはジャーナリストとしての活動を始め、現在に至る。

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