カクテルシェーカーにも応用。ヤマハのマフラーから生まれた「コーティング技術」の可能性

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ヤマハ発動機独自の技術「ナノ膜コーティング」

マフラー(排気管)は、消音や排気ガスの浄化、さらに出力の調整等を担う機能部品。
その一方で、メカニズムがむき出しのオートバイの場合、それらの機能さえ満たせば良いというわけではなく、外観の美しさを左右する重要なデザイン構成要素でもある。

ところが、内側からは高温の排気ガスに、外側からは常に風雨にさらされるマフラーを美しく保ち続けることは決して容易ではなく、ボディの輝きとは対照的にマフラーだけが変色したり、錆が浮き出てしまったようなオートバイを見かけることもしばしば。変色や錆を防ぐために、これまではカバーをして変色を見えなくしたり、マフラーを多重構造にすることで温度を下げるなどの対策が採られてきた。

ヤマハ発動機独自の技術「ナノ膜コーティング」は、高い耐熱性、耐蝕性、耐摩耗性を持つコーティング技術。マフラーにも用いることができるほどの高い耐熱性のある無色透明の成膜技術は世界初であり、また排気系部品へのコーティング加工も自動車・二輪車業界では初という独自性の高い技術となる。

「目指したのは、変色しない、錆びない、そして宝石のような輝きを放つマフラー」
こう話すのは、その研究・開発を中心になって行ってきた材料技術部の高橋尚久さん。

異業種・他業界へ大きく広がる応用展開の可能性

上の写真は、愛知県のプレス部品加工会社が9月から大手百貨店で販売を開始した、ナノ膜コーティングが施されているカクテルシェーカー。

「もともとマフラーのコーティングのために開発した技術ですが、応用展開についても大きな可能性を秘めています。シェーカーはすでに実用化されましたが、その他にも自動車用のエンブレムやマフラーカッターなどの試作も行っています」(高橋さん)

保護を目的とする高い耐熱性、耐蝕性、耐摩耗性といった特長に加え、透明にすることも、また色をつけるのも可能なことから、装飾という視点でも今後ますます用途が広がる可能性があるナノ膜コーティング。来年には国内外の技術展に出展することも決まっており、高橋さんも「どんな業種から声をかけていただけるか、それが楽しみ」と期待している。

「当初は、ゾルゲルという、液体に浸けてガラス膜をつくる方法でチャレンジしていました。その頃、一緒に開発に取り組んでいた女性社員がたまたま耐熱性の高い皮膜をつくる液体の調合に成功したのですが、残念ながら再現をすることができませんでした。それで考え方を変えて、物理蒸着(PVD法)という方法でやったらうまくいきました」と高橋さん。ヤマハ発動機製品への実用はすでに2007年から始まっているが、シェーカーに続く異業種・他業界からの「引き合い」に大きな期待が膨らむ。

情報提供元 [ ヤマハ発動機 ]

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