ロボット化するクルマ、その中でバイクはどうする!?

【ケニー佐川:Webikeニュース編集長】

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今週、クルマの自動運転の実用化に向け、政府が法整備に乗り出すというニュースが紙面に踊った。公道でメーカーによる自動運転車の実証実験ができるようにし、データを分析した上で2020年を目処に法整備を目指すそうだ。

現行法ではクルマにドライバーが乗っていることが前提だが、急速に発展する自動運転技術の現状から、政府ではドライバーを一切必要とせずハンドルもない「完全自動運転」の技術開発を目標にしているとのこと。一方、警察庁はドライバーのいない自動運転車が事故を起こした場合の責任の所在などについて法的検討を始めるが、ハッカーによる自動運転車の乗っ取りも想定した対策も課題だという。

超ハイテク都市「TOKYO」を世界にアピールすべく、東京五輪で華々しく完全自動運転車をデビューさせたいという思惑は分からないでもないが、素人目にも100%安全に運用できるまでには難題が山積みに見える。果たして自動運転の未来はバラ色となるだろうか。

翻って二輪はというと、公式には自動運転化の話題は聞こえてこない。グーグルがモーターサイクルの分野までその対象として研究を進めているという話はあるが、実際の公道における安全性や信頼性を考えると実用化までは遠いと思われる。二輪に自動運転をさせることに意味があるのか、は置いておくとして。

二輪においてより現実的なのは先週、ホンダ、ヤマハ、BMWの3社共同での発表があった「協調型高度道路交通システム(C-ITS)」だろう。これは人と道路と自動車の間で情報の受発信を行い、道路交通が抱える事故や渋滞、環境対策など、様々な課題を解決するためのシステムで、先進国を中心に実用化に向けて急ピッチで研究が進められている。C-ITSが実用化されることで、あらゆる交通手段の安全性や効率が向上し、特に二輪車の安全性を飛躍的に向上させると期待されている。前述の3社は共同で二輪に特化したシステムの開発を行い、車載器の標準化を進めていく計画だ。

ただ、そこで問題となるのが四輪と二輪の運転特性の違い。既存のモーターサイクルをC-ITSに組み込むためには、専用のソフトウェアやアルゴリズム開発が必要で、二輪はここでも障壁は高いと言わざるを得ない。かといって何もしないでは、変化する交通社会の中で二輪の存続すら危うくなっていく気がする。

社会全体が急速にロボット化、人工知能化に向けて進んでいく今、モーターサイクルをその枠組の中でどう親和させていくかがこれからの課題だろう。

ケニー佐川

ケニー佐川 Webikeニュース編集長

投稿者プロフィール

早稲田大学教育学部卒業後、情報メディア企業グループ、マーケティング・コンサルタント会社などを経て独立。趣味で始めたロードレースを通じてモータージャーナルの世界へ。
雑誌編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。
株式会社モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。
日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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