[HONDA]JMX Rd.8 IA両クラスでTeam HRCが予選と決勝を完全制覇

■2015年9月13日(日)・決勝
■会場:名阪スポーツランド
■天候:晴れ
■気温:24℃
■コースコンディション:ドライ
■観客:5960人

今季の全日本モトクロス選手権は、早くも残り3戦に。第8戦近畿大会が、三重との県境に近い奈良県北部の名阪スポーツランドで開催されました。

複数のカートコースも備える名阪のモトクロスコースは、サンド系の路面を特徴とし、スロットルをワイドオープンにしたりマシンを深くバンクさせたりするシーンが多く見られます。今大会は、昨年までの基本レイアウトを踏襲しながら、リズムセクションなどに細かな変更が加えられました。

予選が行われた9月12日(土)は晴天に恵まれ、日中は汗ばむほどまで気温が上昇。決勝が開催された13日(日)は、朝に小雨が降りましたが、徐々に天候が回復し、昼前には再び青空が顔をのぞかせました。

●IA1(450/250)ヒート1
ホールショットを奪ったのは小島庸平(スズキ)。これに熱田孝高(スズキ)、新井宏彰(カワサキ)、三原拓也(カワサキ)、ランキングトップで今大会に臨んだTeam HRCの小方誠が続きました。そうした中、2周目に入るフィニッシュジャンプで、三原とポジションを争っていた小方は激しく転倒。身体にダメージを負ってしまいました。

一方、Team HRCの成田亮はスタートで大きく出後れ、1周目を11番手でクリア。それでも2周目には8番手、3周目には6番手、4周目には4番手と着実に順位を上げて、小島と田中教世(ヤマハ)と熱田によるトップ争いに加わりました。そして6周目、成田はまず熱田の攻略に成功しました。

次周、田中をパスして2番手に浮上した成田は、トップを走る小島を猛追。数周の間は3秒ほどの差を縮められずにいましたが、11〜12周目に距離を詰め、小島にプレッシャーを与えました。すると13周目、小島が転倒して後退。これでトップに立った成田が、19周で終了したレースを独走で制しました。小方はスロー走行で完走するもノーポイントでした。

●IA1(450/250)ヒート2
ヒート1で負傷した小方は出走をキャンセル。レースは、新井の好スタートで幕を開けました。成田がこれに続きましたが、最初のヘアピンカーブで新井と接触してバランスを崩し、一時的に後退。それでも、すぐにポジションを回復して1周目を2番手でクリアしました。そして2周目、成田はトップの新井に迫りました。

迎えた3周目、成田が早くも仕掛けてトップに浮上。しかし新井も粘りをみせたことから、成田は新井を引き連れたまま、ヒート1で5位に入賞した星野優位(SEKI Racing MotoRoman&KBF-RS)を先頭とする3番手以下の大集団を、4周目の段階で10秒以上も引き離しました。

レースが中盤に入っても、成田は序盤とほぼ変わらないラップタイムをキープ。これに対して新井のタイムは落ち、成田は次第に独走態勢を築いていきました。終盤になると、さすがに成田のペースも落ちましたが、それでもなお新井を上回るハイペースを維持。結局、19周のレースで最大約12秒の差をつけ、成田が両ヒート制覇を達成しました。

●IA2(250/125)ヒート1
ホールショットは馬場大貴(TEAM 887)。これを竹中純矢(スズキ)が抜き、1周目を竹中、馬場、古賀太基(N.R.T.)、ランキングトップで今大会を迎えた富田俊樹(Team HRC)の順でクリアしました。2周目、富田は2番手に浮上。3周目以降は竹中と富田、そこからやや後れながら馬場と古賀が、それぞれ接近戦を繰り広げました。そして5周目、古賀が馬場をパスしました。

中盤に入った7周目、竹中が転倒して富田がトップに浮上。竹中は富田と約7秒差の2番手で復帰し、約3秒差で古賀が追う展開になりました。

後半、富田は独走状態に。古賀はやや後れ、終盤には小川孝平(TEAM ITOMO)らとのバトルを制した田中雅己(ナカキホンダ)の接近を許しました。しかし最後までポジションは変わらず、富田が勝利し、古賀が3位、田中が4位、小川が5位に入賞しました。

●IA2(250/125)ヒート2
富田がホールショット。これに古賀と田中が続くと、田中がすぐに古賀をパスし、4番手に馬場が続いたことから、Honda勢が1周目のトップ4を占めました。

3周目、馬場が6番手にダウンしました。さらに4周目、古賀が転倒してほぼ最後尾。一方、富田と田中は接近戦を繰り広げながら、激しく順位を入れ替える3番手以下を引き離しました。

6周目、田中がややタイムを落とし、これで富田との差が約4秒に拡大。しかし田中は再び追い上げ、レースが中盤になっても3秒前後の差をキープしていました。13周目、富田がミスし、その差が一気に約1秒まで縮まりましたが、すぐにペースを取り戻した富田に対して、田中はペースダウン。これで富田が独走し、両ヒート制覇を達成しました。そして田中が2位、馬場が6位に入賞しました。

コメント
■成田亮(IA1・優勝/優勝)

「予選から非常にうまく乗れていたので、気分よく決勝に臨めました。ヒート1のスタートでは、1コーナーを少し慎重にクリアしようとしたところ、予想以上に後ろになってしまい、自分でもびっくりしました。序盤のペースがよく、追い上げそのものは順調でしたが、それでもトップまでは厳しいかも、という思いがありました。トップだった小島(庸平)選手は速く、パッシングできそうな雰囲気ではなかったのですが、後ろからプレッシャーを与えればチャンスは来ると読んでいました。ヒート2は、序盤でうまくトップに立てました。みんなよりもペースが速いことは分かっていたので、あとはかなり余裕がありました。コースは想像していたほどは荒れておらず、疲労もそれほどなかったのですが、転倒のリスクを避けたいという気持ちがあり、圧倒的という内容にまではできませんでした」

■富田俊樹(IA2・優勝/優勝)
「レース前に風邪をひいてしまいました。プロとして情けないです。万全の体調ではないということや、予選で田中(雅己)選手が速かったことから、決勝に対してはいつも以上に緊張しました。ヒート1はスタートで出後れてしまい、焦りながらの追い上げでした。竹中(純矢)選手の後ろについてからは、パッシングポイントが見つからず、そうこうしているうちにペースも乱れてきたのですが、竹中選手が転倒しました。でも最後まで、走りは硬かったと反省しています。ヒート2は、それと比べればいい走りだったと思うのですが、路面が荒れて難しく、田中選手を引き離せずにいました。でも、相手も抜く場所がないだろうと思っていました。以前は後ろからプレッシャーをかけられている状況が苦手だったのですが、今回はずっと冷静に走ることができ、自分の成長を感じたレースでした」

■芹沢直樹|Team HRC監督
「このレースということだけで言えば、両クラス完全制覇ということで、チームとして最高の結果となりました。IA1の成田は、勝利に対する意気込みがいつも以上に感じられ、レース前から優勝を確信するほどでした。IA2の富田は、少し硬い走りでしたが、そういう状態でもしっかり勝てたという点を評価したいです。しかし、IA1のポイントリーダーだった小方が、ヒート1で転倒して両ヒートをノーポイントで終えることになり、IA1のチャンピオン争いでは、チームとして窮地に追い込まれてしまいました。とにかく1つでも多く勝ち、最後まであきらめない姿勢を貫きたいです。なお小方は、ヒート1の終了後に病院へ直行。とりあえずの検査では大きな骨折などはありませんでした。安静が必要な状態ですが、チームとしては、次戦に参戦できるという方向で準備を進めていきます」

■田中雅己(IA2・4位/2位)
「ここ数戦はふがいないレースを続けてしまいましたが、表彰台に戻ってくることができました。前戦からインターバルがないスケジュールだったので、サマーブレイクの間に、この大会に照準を絞ってコースの乗り込みをしてきました。そのため自信を持っていたのですが、先週の練習で足首をひねってしまい、不安な状態で臨むことになりました。実際、予選日はうまく乗れなかったのですが、地元大会ということで、整骨院の先生をはじめ、身体のケアをしてくれる方々がいたので、決勝日には改善して臨めました。ヒート1は序盤のペースが上がらずに苦労しましたが、ヒート2では昔からのライバルである富田選手を脅かす存在になれたので、優勝には届きませんでしたが満足しています」

■古賀太基(IA2・3位/22位)
「今年からIAに昇格して、8戦目でようやく表彰台に上がることができました。今年中に1勝するつもりで臨んできましたが、ずっと結果が残せずにいました。そこでサマーブレイクに、チームオーナーの成田選手が拠点にする宮城県の仙台で1カ月ほど合宿して、一緒にトレーニングや練習をさせてもらいました。その成果が発揮されたということも、初表彰台の要因だと考えています。しかし、ずっと指摘されてきた体力不足という課題は、まだ克服できておらず、ヒート1でもスタミナがもう少しあれば2位の竹中選手に迫れたと思うと、悔しい気持ちが大きいです。とはいえ、今大会で表彰台に上がれたことで、優勝も見えてきたと感じています。好スタートを決め、富田選手に挑みたいです」

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