Z1000ABS最新モデルは「アシスト&スリッパークラッチ」を得てさらに進化熟成!

【ケニー佐川:Webikeニュース編集長 】

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カワサキはストリートファイター系のフラッグシップモデル、Z1000ABSの2016年モデルを発表。新型ではクラッチレバーの操作力の軽減やバックトルクの低減に貢献する「アシスト&スリッパークラッチ」が新たに標準装備された。ちなみに今回採用されたのはレースでの実績も高いF.C.C.社製アシスト&スリッパークラッチシステムだ。

スリッパ—クラッチ、またはバックトルクリミッターと呼ばれる機構は、元々はレーステクノロジーからのフィードバックを受けて開発された機構であり、量産市販車では10年ほど前から高性能スーパースポーツや大排気量ツアラーなどの上級モデルから採用され始めた経緯がある。

今回、Z1000ABSに採用された「アシスト&スリッパークラッチ」は、急激なシフトダウンやミスシフトなどで過度のエンジンブレーキが発生した際にクラッチプレートにかかる圧着力を減少させ、バックトルクを逃がしてリヤタイヤのホッピングやスリップを抑制するという本来の役割の他に、アシストカムによるセルフサーボ効果で、クラッチレバーの操作感を軽くスムーズにするとともに高負荷時の駆動力を確実に伝える機能も持ち合わせている。

最近の高性能スポーツモデルに搭載されることが多くなった「トラクションコントロール」が加速方向での後輪スリップや危険なスライドを抑制するものとすれば、スリッパ—クラッチは減速方向で同様の効果を求めたシステムと言って良い。

さて、Z1000だが、現行モデルは2014年モデルでフルモデルチェンジを受けた4代目である。Z1000のネーミングは80年代初期に遡る、いわゆる空冷Zにその原点があるが、現行の水冷Z1000の初期型は2002年のインターモトで発表されたブランニューモデルだ。

エンジンはニンジャZX-9Rがベースで排気量は953cc、車体は新設計となる新世代のスポーツネイキッドとして登場。2007年にフルモデルチェンジとなったII型では、エンジンは従来型を踏襲しつつ車体はフレームを含めて新設計となり、特徴的な4本出しマフラーのレイアウトも変更された。

さらに2010年に登場したD型ではフルモデルチェンジが行われ、水冷直列4気筒DOHC4バルブエンジンは排気量を1,043ccまで拡大。車体のすべてのコンポーネンツをゼロから新たに開発し直し、外観もライトユニットの大型化やアンダーカウル装備、液晶メーターパネルが採用されるなど、大幅に刷新されている。また、同年にはZ1000と共通のエンジンと車体を持った派生モデルとしてZ1000SX(北米向けはNinja1000)が登場。「ツーリングもできるスーパースポーツ」として、世界的なヒットとなっている。

そして、2013年の東京モーターショーで”凄”のキーワードとともに公開された新型Z1000は、極端に低いノーズに収められた眼光鋭いLEDヘッドライトが採用され、その攻撃的とも言える超アグレッシブなシルエットが一大センセーショナルを巻き起こしたことは記憶に新しいところだ。

世代を超えて進化熟成を続ける現代のZ。さらに激しくスポーティに、そして多くのライダーが求める扱いやすさも手に入れたということだろう。

【関連ニュース】
【新車】カワサキ、アシスト&スリッパークラッチを採用した、2016年モデル「Z1000/ABS」を発表

ケニー佐川

ケニー佐川 Webikeニュース編集長

投稿者プロフィール

早稲田大学教育学部卒業後、情報メディア企業グループ、マーケティング・コンサルタント会社などを経て独立。趣味で始めたロードレースを通じてモータージャーナルの世界へ。
雑誌編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。
株式会社モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。
日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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