最新テクノロジーにふれてみて

【ケニー佐川:Webikeニュース編集長 】

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今週、ドゥカティの新型ムルティストラーダ1200Sのプレス試乗会に参加してきました。北海道の道東という日本でも最も自然豊かなエリアを舞台に、ツーリングしながら念入りにマシンの性能やフィーリングをチェックする機会に恵まれました。

従来型も凄いマシンと思っていましたが、最新型の進化ぶりには目を見張るものがありました。まるで空からフックで吊るされているかようにスムーズに路面の凹凸をいなすことから「スカイフック」と名づけられた電子制御アクティブサスペンション、走行状態をセンシングし常に最適なパワーが得られるバルブタイミングに調整し続ける「DVT」、バンク角やピッチ角までも演算してコーナリング中のフルブレーキングをも可能とする電子制御ABS。さらにこうした機能を「4バイクス・イン1」(4つの異なるカテゴリーを1台にまとめたバイクの意)のコンセプトの元、ボタン操作ひとつでスポーツ、ツーリング、アーバン、エンデューロの4つのモードに瞬時に切り替えることができるなど、テクノロジーがもの凄いことになっています。

個人的に一番驚いたのはダート性能でした。自治体のお墨付きをいただいた上で、北海道ならではの雄大な林道にも分け入りましたが、ところどころ泥濘に覆われた細い未舗装路を信じられないスピードでぶっ飛んでいきます。自分の今までの経験値からすると、この排気量と車格、しかもロードタイヤでそれはあり得ないだろうと思えるほどの軽快で安定した走りがダートでもいとも簡単にできてしまいます。まるでアスファルト路面を走っているかのように。

もちろん、どんなスーパーマシンにも限界はありますので、バイクに乗るときはいつでも真剣に真摯に向き合う必要はあります。ただ、今までは一部のエキスパートライダーにしか体験できなかった高度なライディングの世界を、一般ライダーでも安全に楽しめるようにしてくれたことを素直に喜びたい気持ちになりました。人車一体という言葉があるように、昔からバイクはクルマに比べて人間の能力の割合が大きいといわれてきましたが、ここにきてだいぶマシンのほうがライダーを助けてくれるようになりました。数年前までは、バイクの高性能化=危険増大という図式が語られていましたが、最近はライダーの能力を補う方向での進化が始まっているのです。それを強く感じた今回の体験でした。

レトロでシンプルなバイクが好きな人も多いでしょう。私もそのひとりですが、今後も進むであろうバイクの電子制御化に良い悪いはないでしょう。どんなバイクを選ぶのか、選択肢は常にユーザー側にあるのですから。

ケニー佐川

ケニー佐川Webikeニュース編集長

投稿者プロフィール

早稲田大学教育学部卒業後、情報メディア企業グループ、マーケティング・コンサルタント会社などを経て独立。趣味で始めたロードレースを通じてモータージャーナルの世界へ。
雑誌編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。
株式会社モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。
日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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