ヤマハが電動バイク「E-Vino」を発売。いよいよ国産本格EVの時代へ!

【ケニー佐川:Webikeニュース編集長 】

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ヤマハは電動バイク「E-Vino(イービーノ)」を2015年8月20日より発売することを発表した。同社のエレクトリックコミューターとしては第4弾となるモデルで、原付1種スクーター「Vino」の車体をベースに電動ユニットが組み込まれている。

「E-Vino」のターゲットは都市部に生活拠点があり、駅までの移動や買い物など半径5km圏内を用途とする女性層とアダルト層、およびガソリン補給を煩わしく感じる層であり、現行「Vino」同様、カジュアル志向の10〜20代前半の女性層に似合うボディカラーを設定している。販売価格は23万6,520円(本体価格219,000円)ということで、従来の「Vino」から実質1万円高(2万円の補助金導入により)に抑えられている点も魅力だ。

動力源は極低速でのトルクに優れた3相ブラシレスDCモーターで、ロスの少ないギア駆動方式を採用し、EVならではの滑らかな乗り心地と動力性能、静粛性を実現。バッテリーには50Vのリチウムイオンバッテリーを搭載し、満充電での走行距離は29km(30km/h定地)を確保。バッテリーは着脱式で家庭用100V電源(2極プラグ)から充電可能。充電時間は約3時間となっている。また、シート下には約10Lの収納スペースを設け、専用オプションパーツにより予備バッテリーも収納できる仕組みだ。

また、走行条件に応じてモーターの駆動力を「標準」か「パワー」に設定できるモード切り替え機能の他、一時的により登坂性を高める場合などに役立つ「ブースト」機能を装備。ボタンにより30秒間作動し、急坂での発進などに対応する。

車両重量は68kgと「Vino」から12kg軽量化することで優れた取り回し性を実現。ライポジやサスペンションなどの設定も現行モデルと同仕様となっている。ボディには「e」マークを車体にあしらう他、吸排気系装置を持たないこともEVらしさを強調するポイントとなっている。

今週、都内で開催された「E-Vino」発表会では、開発の背景やコンセプトについても詳しい説明がなされた。それによると、「E-Vino」のミッションでは2つの目標が掲げられている。ひとつは「EVのパイオニアとなること」、そして「新しい価値と顧客の創造」である。

ヤマハが描く今後のモビリティ像としては従来の内燃機関に加え、ハイブリッド、充電池、燃料電池などを動力源とする電動モーターによって走るEVが増えてくると予想され、そこで多様な選択肢をユーザーに提供することを今回のテーマとしている。

電動バイクのポジショニングは「低速」かつ「近距離用」が適しているとも。電動領域のパーソナルビークルの棲み分けとして、現状では電動アシスト自転車を5km以内、電動バイクを10km以内、エンジンバイク(原付1種)を30km以内と設定。ターゲット像として、都市部在住、片道5km以内の移動、女性層などをキーワードに掲げた。

商品コンセプトは”ユースフル&フレンドリー クリーン コミューター”。マーケティング調査に基づき、パワーやスピードよりも扱いやすさやファッションセンスを求める都市部の若い女性を意識した商品として仕上げられているのが特徴だ。

手軽に脱着できる小型バッテリーの搭載や、ペットボトルやフランスパンなどの長物を楽々収納できる縦長収納スペースもその表れ。メーターパネルのデザインも見やすく優しさがあり、ボタン操作も極力分かりやすく作られている。バッテリーは手軽に屋内充電できて、従来型EV「EC-03」の半分の3時間で充電可能。しかも1充電当たりの電気代14円というランニングコストの安さも若年層には大きなメリットとなるはずだ。

試乗は屋内で行われたが、実物は全体のデザインやディテールの作り込みも含めて見た目のグレードの高さが感じられ、発進時のモーターの出力制御も滑らか。ごく短い直線でもパワーモードのメリハリも感じられた。スタンドの上げ下げや取り回しでも車体の軽さが際立っていた。バッテリーのさらなる小型軽量化や航続距離などの課題もあるが、総じて”よくできた”作りが印象的であった。

「E-Vino」の登場によって、国産EVもようやく本格的な量産市販車の段階に入ったといっていいだろう。EVが日本に根付くかどうかのカギを握っていると言えそうだ。

【関連ニュース】
◆「乗りやすさ」を追及した電動スクーター・ヤマハ「E-Vino」
◆【新車】ヤマハ、スクーター「Vino」の電動バイク「E-Vino」(原付一種)を発売

ケニー佐川

ケニー佐川Webikeニュース編集長

投稿者プロフィール

早稲田大学教育学部卒業後、情報メディア企業グループ、マーケティング・コンサルタント会社などを経て独立。趣味で始めたロードレースを通じてモータージャーナルの世界へ。
雑誌編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。
株式会社モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。
日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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