【高速道路の逆走】もし遭遇してしまったら・・・

【ケニー佐川:Webikeニュース編集長 】

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先週末、耳を疑うようなバイク事故が発生しました。新聞記事などによると、19日の午後10時30分頃、兵庫県宍粟市山崎町の中国自動車道下り線山崎インターチェンジ-佐用ジャンクション間で、少年2人乗りのバイクが下り線を逆走し乗用車と衝突。さらに別の車を巻き込む多重事故となり、バイクに乗っていた土木作業員(17)と建設会社員(16)が死亡しました。県警によると、乗用車が追い越し車線を走行中、対向してきたバイクと衝突。運転手の男性(51)は「バイクが前から来て、よけきれなかった」と説明。なお、車2台に乗っていた2歳から51歳の男女6人にけがはなかったとのことです。

事故直前に「バイクが逆走している」との110番通報が数件あったことからも、しばらくの間、バイクは逆走し続けていたようです。日曜の夜中、彼らは何故このような信じがたい行為に及んだのでしょうか。認知症などの高齢ドライバーによる高速道路の逆走が最近ではよく取り沙汰されますが、今回のケースは十代の少年たち。アルコールか何かの薬物を摂取していたのか、通常では考えられないことです。事故の原因や背景は分かりませんが、人の命を危険に晒すけっして許されない行いです。

ともあれ、我々ライダーが逆走に遭遇する可能性はいつでもあります。JAFの調べによると、逆走の75%は高速道路や自動車専用道路の本線上やインターチェンジで発生(NEXCO西日本管内)しています。逆走事故を起こしたドライバーの年齢については65歳以上が45%以上、次いで75歳以上が約30%を占めるなど高齢者の割合が高いのが特徴です。一般的な原因としては「進行方向を間違える」といった勘違いの他、「インターチェンジを通り過ぎてしまい慌ててUターンする」も多いようです。

逆走ドライバーの多くは自分では左車線を走っていると思いこんでいるため、実際には巡行車側の追い越し車線を走行してくるケースが多いとのこと。ただでさえ流れの速い追い越し車線で、しかも巡行車と逆走車の速度が合算されるため、危険発見から回避するまでの時間的な余裕はほとんどありません。

逆走車を発見したら瞬間的な判断が求められます。JAFでは対応策として「高速走行時の急激なハンドル操作は、スピンや転倒に加え周囲のクルマとの接触などの危険もあります。逆走車両だけでなく、落下物や故障車両等、様々なことが起きる可能性を想定した防衛運転を心掛けるとともに、緊急時に最善の操作を行うことが出来るよう日ごろから正しい乗車姿勢を身につけておくことも重要です。また何よりも逆走車と遭遇する確率を減らすことが重要ですので、追い越し車線は追い越し時のみに走行するという基本走行を心がけましょう」とアドバイスしていますが、基本はバイクでも同様と思われます。

想像するに、逆走車が前から迫ってきたら前方を行く車両の動きが急に慌ただしくなると思われます。もし、前方車両がウインカーも出さずに急回避するような動きを見せたら、逆走を疑ってみるべきでしょう。その場合は、次に起こる事態を予測して速度を落としつつ、バイクの機動力を生かして速やかに路側帯に緊急避難すべきでしょう。実際はパニックに陥るなど、そう簡単にはいかないかもしれませんが、普段から平常心を以て対処できるよう心の準備をしながら乗ることが大事ですね。

ケニー佐川

ケニー佐川Webikeニュース編集長

投稿者プロフィール

早稲田大学教育学部卒業後、情報メディア企業グループ、マーケティング・コンサルタント会社などを経て独立。趣味で始めたロードレースを通じてモータージャーナルの世界へ。
雑誌編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。
株式会社モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。
日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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