[HONDA]JMX Rd.4 IA1・IA2ともにダブルウインでTeam HRCが完勝

全日本モトクロス選手権は、シーズン中盤戦に突入し、第4戦が宮城県のスポーツランドSUGOで開催されました。昨年に続いて年間で3戦が設定されているスポーツランドSUGOは、2つの丘にまたがるようにレイアウトされた、テクニカルかつハイスピードなインターナショナルコースです。スポーツランドSUGOでは、これまで頻繁にセクションの変更が加えられてきました。

今大会の前には、スネークと呼ばれるコーナーが連続した区間のレイアウト変更や、フープスに代わるリズムセクションの新設など、基本を踏襲しながら改良が施されました。天候は、各クラスの予選が行われた6月6日(土)の午前中が曇りで、それ以降は晴れでした。決勝が開催された6月7日(日)は、雲一つない青空に恵まれました。路面は、土曜日の午前中こそ、やや柔らかい状態でしたが、その後はベストな状態が保たれました。

●IA1(450/250)ヒート1
ランキングトップで今大会を迎えた小方誠(Team HRC)が、小島庸平(スズキ)に次ぐ2番手で1周目をクリア。田中教世(ヤマハ)を挟み、昨年度王者の成田亮(Team HRC)が続きました。2周目、成田が田中をパスして3番手にポジションアップ。4周目以降は、小島と小方と成田が、後続を引き離してトップグループを形成しました。

テールトゥノーズ状態となったトップ集団の中で、小方は小島のパッシングを試みましたが、なかなかそのチャンスを得られませんでした。3台によるバトルは、5周以上も順位の変動がないまま続きました。9周目に、小島を抜こうとした小方を成田がパスして、2番手に順位を上げました。

10周目には、勢いを保った成田がトップの小島をパス。さらに小方が小島を抜き、Team HRCの1-2態勢となりました。レース終盤には、成田が後続を引き離す一方で、小方はコースアウトをしそうになるミスをし、勝負あり。16周のレースを成田が制し、今季3勝目を挙げました。また小方は、小島を抑えて2位となりました。

●IA1(450/250)ヒート2
小島がヒート2でも好スタートを切りました。それを成田が追い、星野裕(KTM)を挟んで小方が4番手で続くと、1周目に小方は星野を抜き、ヒート1に続いて小島、成田、小方のトップ3が形成されました。レース序盤では、トップグループの3台はヒート1と同様に接近戦を続け、4番手以下を引き離し、4周目にはその差が7秒近くになりました。

レースが間もなく折り返しを迎える5周目には、成田が小島を抜いてトップに浮上。小方は前の2台から少し後れていましたが、すぐにその差を取り戻し、小島の背後に迫りました。先頭に立った成田は、後続を引き離そうと試みましたが、最大で2秒程度のリードしか奪えないまま、レースは終盤を迎えました。

残り2周となる14周目が終わった時点で、トップの成田と2番手の小島との差は約2秒。小島と小方の差はコンマ数秒でした。しかし最後は、成田が意地の走りで速いラップタイムをキープ。そのままトップチェッカーを受け、今季開幕戦以来の両ヒート制覇を果たしました。また小方は、小島に約0.3秒及ばず3位でした。

●IA2(250/125)ヒート1
富田俊樹(Team HRC)がホールショットを奪うと、そのままオープニングラップをトップで終えました。これに岡野聖(ヤマハ)や大塚豪太(T.E.SPORT)、能塚智寛(カワサキ)、竹中純矢(スズキ)が続きました。富田はレース序盤から、ライバルを圧倒する速さを披露し、徐々にリードを拡大していきます。5周目の段階で、早くも約10秒のアドバンテージを築きました。

一方の大塚は、2周目と3周目に1つずつ順位を落としましたが、その後はポジションをキープ。後半には、4番手の竹中に迫りました。16周のレースを終え、富田が完ぺきとも言える走りで独走優勝。大塚は5位でゴールしました。また、序盤の転倒で21番手まで順位を落とした田中雅己(Nakaki Honda)は、驚異の追い上げで6位に入賞しました。

●IA2(250/125)ヒート2
富田が再び好スタート。これを能塚と田中が追いましたが、田中は転倒して後退。富田、能塚、岡野、小林秀真(カワサキ)、道脇右京(TEAM KOHSAKA)の順で、1周目をクリアしました。富田はヒート1に続いて、序盤からハイスピードをキープ。大きく後れずにいたのは能塚だけでしたが、富田はその能塚をも引き離して、レース中盤までに独走状態を築きました。

スタートで好位置につけた道脇は、5周目まで6番手をキープ。この背後に、1周目の17番手から追い上げてきた田中が迫ると、6周目に道脇を抜き、順位が入れ替わりました。その後、道脇は9番手まで順位を落としました。一方で、田中はレース後半になって5番手に浮上しました。しかしその時点で、4番手の選手は約10秒もの差を田中につけていました。ヒート2でも富田が再び勝利し、田中は5位に入賞しました。

コメント
■成田亮(IA1・優勝/優勝)
「前戦が終了してから数日間、アメリカに行っていました。日本にいるとつい甘えてしまうこともあり、ルーキーのようなガムシャラな気持ちを取り戻すために必要だと感じたからです。向こうではマシンに乗らず、マウンテンバイクでトレーニングをしていたのですが、いつも行くコースはとても厳しいところなので、体力的にも気持ちの部分でも改善されたと思います。路面がかなり荒れていた予選はトップでゴール。シーズンオフにケガをした鎖骨の状態もよくなってきていたので、これなら決勝は余裕かと思っていました。しかし決勝は、予選ほどコースが荒れず、ライバルも乗れている状態だったので、混戦になってしまいました。ここは地元で、声援が大きかったのも、勝因だと感じています」

■小方誠(IA1・2位/3位)
「両ヒートとも、序盤から最後までトップ争いに絡みながら、どちらも優勝を手にすることができなかったので、非常に悔しく思っています。ヒート1は、小島選手をパスしようと何度も試みたのですが、うまく抜けずにいる間に成田選手の先行を許してしまいました。成田選手との1-2になったあと、最後まで食らいついていられたら勝負できた可能性もあったのに、ラスト4周でミスをして逃げられてしまったのが残念です。ヒート2も、同じくパッシングポイントを見つけられませんでした。今回は深いワダチがたくさん発生して、ベストラインがかなり絞られている状況だったので、スタートでもっと前にいることが重要だったと思います。次の神戸大会は、まだだれも走ったことがない特設コースですが、初めてのコースやジャンプは得意だと思っているので、勝利を狙っていきます」

■富田俊樹(IA2・優勝/優勝)
「ようやくピンピン(両ヒート制覇)をすることができました。開幕から3戦連続で、ヒート1を落とし続け、周囲からも『次こそは』と言われ続けてきたのですが、最初はそれがプレッシャーとなっていた部分がありました。しかし今は、全く気にすることなく走れています。結局、やることは1つですから。今回の事前テストで、チームのライディングコーチを担当してくれている元AMAスーパークロスチャンピオンのベン・タウンリーから、いろいろとアドバイスをもらい、それが生きた部分も多かったと思います。ただし具体的な助言内容については、秘密です。次の神戸大会は特設コースで、どんなコースか今は分かりませんが、たぶん順応力は高い方だと思うので、再度のピンピンを目指します」

■芹沢直樹|Team HRC監督
「チームとしては、小方選手がヒート2の最後に小島選手を抜いてくれれば完ぺきでしたが、そんなに簡単なレースではなかったし、ポイントリーダーという位置は守れたので、悪くなかったと思います。成田選手の復調については、チームとしてもフォローしましたが、本人がしっかり対策をした結果だと思います。事前テストでは、10度もチャンピオンになったライダーが、コーチのベン・タウンリーからアドバイスを受けているシーンがありました。そういうどん欲な姿勢も、今回のリザルトに結びついたと思います。両ヒートともハラハラする内容でしたが、成田が前に出た段階で勝てると確信しました。IA2の富田選手は、ほぼ完ぺきなレース内容だったと思います。ただし、もっと上を目指してもらいたいので、次はIA1のトップを上回るゴールタイムを狙って欲しいです。今大会は、IA1とIA2だけでなく、IBオープンの両ヒートとレディースクラスもHondaが制し、非常にうれしく思っています」

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