[HONDA]JMX Rd.3 小方誠が全日本最高峰クラスで自身初の両ヒート制覇

全日本モトクロス選手権第3戦の舞台は、広島県の世羅グリーンパーク弘楽園。今季は春のみに使用されるこのコースは、県の南東部に位置し、丘の斜面を利用したアップダウンに富むダイナミックなレイアウトを特徴としています。

コースは、これまでの基本レイアウトを踏襲しながら、フープスに代わりリズムセクションを設けるなど、細部に改良が施された設定。緩やかな左カーブに配された、名物となっている2連のラムソンジャンプも、仕様が少し変更され、残っています。

天候は、各クラスの予選が行われた5月16日(土)が曇りで、決勝が開催された17日(日)が晴れ。長袖を着ていないと肌寒かった土曜日に対して、日曜日は半袖シャツでも汗をかく、初夏に近い陽気となりました。

●IA1(450/250)ヒート1
Team HRCから参戦の小方誠は、予選をトップでクリアして好調をアピール。勢いそのままに、決勝ヒート1で好スタートを切ると、1周目をトップでクリアしました。チームメートの成田亮は、やや出遅れながらも、5番手までポジションを上げました。

レース序盤、成田は4番手に浮上すると、3番手を走る小島庸平(スズキ)に接近。一方の小方は、2番手を走る熱田孝高(スズキ)との差をじわじわと拡大し、5秒ほどのリードを築きました。ところが、レースが中盤に入った7周目、小方がリズムセクションで転倒を喫してしまいました。

それでも、小方は素早くマシンを起こし、トップのままレースに復帰。その後は、再び熱田を引き離しました。成田は、小島との差を詰めきれず、11周目に新井宏彰(カワサキ)の逆転を許すと、しばらくは数秒差でマークし続けましたが、終盤になって引き離されてしまいました。そしてレースは、小方が今季初優勝。成田は5位に入りました。

●IA1(450/250)ヒート2
ヒート1に続いて小方が好スタートを決めると、1周目をトップでクリア。成田は、大混戦の中でポジションを上げ、三原拓也(カワサキ)と小島に次ぐ4番手からのレースとなりました。2周目、小方は早くも後続を約3秒引き離しました。一方の成田は、小島を抜いて3番手に浮上すると、三原に迫りました。

そして6周目、成田は三原の攻略に成功してポジションアップ。Team HRCが1-2態勢を築きました。しかしその後、成田は思うようにペースを上げることができず、三原を振りきれないまま周回を続けました。この間に小方はリードを拡大。10秒近いアドバンテージを得ました。

11周目、成田はついに三原に再逆転を許してしまい、3番手に後退。その後、終盤にかけて熱田と新井にもパスされ、5番手に後退しました。そしてレースは19周でチェッカー。小方は最後までリードを守り、全日本の最高峰クラスで、自身初となる両ヒート制覇を果たしました。また成田は、ヒート1に引き続き5位でフィニッシュしました。

●IA2(250/125)ヒート1
富田俊樹(Team HRC)が、竹中純矢(スズキ)に次ぐ2番手で1周目をクリア。道脇右京(TEAM KOHSAKA)、馬場亮太(TEAM 887)、古賀太基(N.R.T.)のHonda勢が続きました。序盤、富田は竹中を猛追。この2人から早くも完全に後れた3番手集団では、道脇がポジションを下げ、古賀が先頭に。馬場は5周目の1コーナーでクラッシュしてリタイアしました。

7周目、古賀は能塚智寛(カワサキ)と岡野聖(ヤマハ)に抜かれて5番手。そして、9周目に転倒してリタイアとなりました。レース後半、富田は竹中のマークを続けるも、数秒の差を縮められずに2番手をキープ。レースは20周でチェッカーとなり、富田は2位となりました。また、スタートで出遅れた田中雅己(TEAMナカキホンダ)は、追い上げを続けて5位に入賞しました。

●IA2(250/125)ヒート2
竹中が再び好スタートを決め、混戦の中で積極的にポジションを上げた田中が追って、オープニングラップをクリア。富田はやや出遅れて1周目は6番手でしたが、すぐに3番手まで浮上しました。レース序盤、接戦の竹中と田中、少し離れた富田と4番手の能塚までが、トップグループを形成。後続を引き離していきました。

中盤、能塚がやや後れ、富田は田中の背後に接近。田中も再び竹中に肉迫し、3台によるバトルが展開されました。この中で、富田が11周目に田中を抜くと、終盤には竹中に迫りました。そして迎えた最終ラップで、富田は逆転に成功。今季3勝目を挙げました。田中は、終盤に能塚の先行を許しましたが、竹中が転倒したことから、3位表彰台に登壇しました。

コメント
■小方誠(IA1・優勝/優勝)
「ここまで長かったのですが、ようやくピンピン(両ヒート優勝)を手に入れることができました。本当にうれしいです。ヒート1は、1周目からトップを走り、うまく後続を引き離せていたのですが、新設されたリズムセクションが滑りやすい状態で、足元をすくわれてしまいました。でも、ラッキーなことにエンジンが停まらずにいてくれたので、すぐに復帰できました。その後は熱田選手に粘られてしまったので、転倒を悔やみながらトップを走っていました。ヒート2は、スタートもまずまずで、すぐにトップまで上がれたので、あとは比較的楽な展開でした。とはいえ、ヒート1のようなミスがないようにと集中して走りました。今回、ようやく好調をリザルトにつなげられたので、次戦もこの感じでいきたいです」

■成田亮(IA1・5位/5位)
「前戦から今大会までのインターバルで乗り込みの時間を増やして、中部地方選手権に参戦し、ようやくマシンと一体化してきた感覚があります。路面がとても硬いこのコースは、シーズンの中で自分にとって鬼門。調子がいいときには優勝したこともありますが、苦戦したりケガしたりと、つらい思い出もいっぱい残っています。今回は、もちろん勝利を狙っていましたが、無難に両ヒートをまとめ、前戦のように大きくポイントを取りこぼすこともなかったので、それでよかったと思っています。今まで長年、ゼッケン1を背負ってきましたが、この歳で追われる立場から追う側になり、なんだかルーキーみたいだと考えたら、楽しくなってきました。ライバルを油断させておいて、巻き返します」

■富田俊樹(IA2・2位/優勝)
「ヒート1は、序盤から冷静に走れていて、竹中選手をすぐ後ろでマークしながら、ここで無理して抜くよりも後半に勝負すればいいだろう、と考えていました。ところが実際には、後半になって自分のほうにミスが続き、腕上がりの症状も出て、負けてしまいました。どこで仕掛けられるか観察していたのですが、竹中選手にすきがなかったというのも、こちらが焦ってしまった原因でした。ヒート2は、序盤から竹中選手と田中選手のペースがよく、かなり厳しい状態でした。しかし、周回遅れの転倒に竹中選手が巻き込まれかけて失速するなど、運も味方してくれて、楽に追いつくことができました。実はここは、あまり得意なコースではないのですが、そういう意識も独走優勝できなかった要因になったと思います」

■芹沢直樹|Team HRC監督
「IA1では、ついに小方が両ヒート制覇を達成しました。スタートの部分で昨年から大きく成長しましたが、これまで2戦では、それがレース結果につながりませんでした。今回、チームとして取り組んできたものが、うまく引き出せたと思います。そして、結果も最高でしたが、内容がすばらしかったです。どこにも無駄な力が入っていない、完ぺきな走りでした。成田は、前戦で下位に沈み、苦手なこのコースに向けて必死に取り組んできました。結果は両ヒートとも5位でしたが、踏みとどまったとも考えられる順位です。次戦以降、得意なコースでのレースが続くので、十分に巻き返しが図れる位置を守ったと感じています。富田は、リザルトは総合成績トップでしたが、正直なところ満足できる内容ではなかったと思います。両ヒートをぶっちぎりで優勝できる実力を持っていると思います。それがなぜ達成できなかったのか、ハードとソフトの両面から検証して、次戦に臨みたいと思います」

■田中雅己(IA2・5位/3位)
「予選で転倒してしまい、グリッド選択順位が悪かったことが、ヒート1の出遅れにつながりました。思いきってイン側のグリッドを選び、あわよくばと思っていたのですが、この場所は1コーナーまでが少し上り傾斜になっていて、やはりダメでした。そこでヒート2は作戦を変更し、スタートで前に出られました。そこから、序盤に何度か竹中選手に仕掛けたのですが、抜けるポイントがなく、後半まで様子を見ることにしました。ただ、これで相手のラインを見すぎてしまい、逆に自分のリズムで乗れなくなってしまいました。スピードがトップレベルにあることは確認できたので、あとはレース運びを考えていきます」

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