電動モーターサイクルが描く未来

先日、電動バイクのZECOO(ゼクー)に試乗してきました。ご存じの方も多いと思いますが、元トヨタのデザイナーと町工場が手を組んで、ゼロから作り上げた純国産スポーツ電動バイクです。日本のモノ創りの精神や職人技を世界に示していこう、今までにない乗り物を作ろう、ということで有志が集まって始めたプロジェクトですが、製品化までには長い時間と多くの試行錯誤を経たようです。

電動バイクというと、これまでは「静か」で「環境に優しい」などエコの面がクローズアップされてきましたが、ゼクーは環境に加えてEVでしか表現できない思い切ったスタイリングや電動モーターならではの加速性能など、EVであることの「価値」を我々に見せてくれました。ほとんど手作りということで価格も880万円!とまだまだコスト超過ですし荒削りな部分もありますが、未来への希望を感じました。

日本でも数年前に外国製の電動スクーターが大量に入ってきましたが、結局は一過性のブームで終わってしまいました。ネガとなったのは、やはり品質と性能でした。”安かろう、悪かろう”では目の肥えた日本の熟練消費者にはまったく通用しません。海外の電動スクーターメーカーが次々に撤退していく中、製品としての品質や性能はもちろんのこと、そこに志というか作り手の心が練り込まれていなければ、やはり最後は見放されてしまうのだと思いました。

「EVがガソリン車を超えられることを証明したい。瞬時に得られるトルク、絶大なパワー、ゼロエミッションを誇る妥協のないクルマ。世代が新しくなる度に価格も下がり、世界の持続可能な輸送手段へのシフトを加速する・・・」これはシリコンバレーで生まれた電気自動車メーカー「テスラモーターズ」のミッションだそうですが、技術が世界をイノベートするという発想は、ゼクーにも共通するものを感じます。

もちろんガソリン車も日々進化していますし、どちらがいいかという問題ではなく、いろいろな可能性や選択肢が広がっていく世の中であれば楽しいのでは。EVとガソリン車が一緒にツーリングに行ったりサーキットを走ったり……。いつかそんな景色を見てみたい気がします。

Webikeニュース編集長 ケニー佐川

【関連トピックス】
◆話題の電動モーターサイクル『zecOO』 動画+試乗インプレッション

ケニー佐川

ケニー佐川Webikeニュース編集長

投稿者プロフィール

国産・外車を問わずミニモトからビッグバイクまで、どんなバイクでも乗りこなすモータージャーナリストとして2輪専門誌等で活躍中。
16歳から乗り継いだバイク30台、テストライド経験300台以上。装備や用品、カスタムパーツのテストも数多くこなしてきた。
MFJ公認インストラクター。米国ケビン・シュワンツ・スクール修了。

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