保安基準の国際統一は程遠いのか(後編)

【和歌山利宏:モーターサイクルジャーナリスト】

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外国車には、せっかくのアイデアが造り込まれても、そのままでは日本に導入できないものが多々あります。昨年末に現地試乗したR1200R、ストラダーレだけでなく、先日乗った2015年型ムルチストラーダもそうです。

上級型の1200Sには、速度30km/h以上のコーナーで、バンク角が7度以上になったとき、ヘッドライトイン側の補助ランプが点灯し、視界を広げるコーナリングライトが装備されます。でも、これも現時点では認可されるかどうか不確かです。前例がないからだそうです。

また、ムルティストラーダには、D-Airというダイネーゼのエアバッグモデルが設定されています。が、瞬間的にガスを充填するために火薬が用いられていて、これが保安基準というより、消防法に抵触するらしく、日本導入はできません。こんなことが、海外試乗した3モデルに連続してあると、もう、さすがにうんざりです。

ただ、お役人は頭が固いから、などと言ってはいけません。安全を第一に考えてのことも事実です。昨今は国際的な基準に合わせていく方向で動いていますし、実際、昨秋には4輪車の流れるウィンカーも認可されました。排ガス、騒音も現実を国際標準に近づけ、海外との差は埋まってきています。

とは言え、そこに日本の古い体質が残っていることも否めません。産業復興を大義名分(もちろん安全も)としていただけに、そこに遊び心が入る余地はありません。現実に問題なければ新機軸も一蹴され、かつてはカウリングやセパハンを認めさせるために、メーカーは大変な苦労をしたものです。認可してやっている、とのお上の意識もあって、認可に交換条件を持ち出された事例もあったと聞きます。

40年経てばお役人は全て入れ替ることになりますが、体質はすぐには変わりません。でも、バイクを一つの文化として定着させ、バイクに関わる全ての人がハッピーでいられるように、もっと国際基準への調和に向けて進んで欲しいと願って止まないのです。

和歌山利宏

和歌山利宏モーターサイクルジャーナリスト

投稿者プロフィール

1975年にヤマハ発動機に入社。ロードスポーツの開発に携わる。
レーシングライダーとしても活躍し、鈴鹿8耐第4回大会では4位入賞。
85年からはヨコハマゴム契約となり、タイヤの開発テストを行うとともに、
ワイルドカード参戦した87年の日本GPでは、250ccクラスで11位に入る。
90年からはジャーナリストとしての活動を始め、現在に至る。

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