保安基準の国際統一は程遠いのか(前編)

【和歌山利宏:モーターサイクルジャーナリスト】

20150410102
私は昨年の12月から3月に掛けて、3台の海外モデルの試乗会に参加しました。欧州メーカーの欧州における試乗会ですから、試乗車は当然、欧州仕様車ということになります。そこで、改めて現実の壁にぶつかる想いになりました。せっかくの新しいアイデアが造り込まれても、日本の保安基準に合致せず、国内に導入できないというのです。

まず一つは、R1200RのDRL(デイタイム・ランニング・ライト=昼間点灯ライト)です。でも日本ではDRLが認められていません。昼間点灯が義務付けられていても、それは普通のヘッドライトを点灯すればいい。DRLを点灯していて、夜になったとき肝心のヘッドライト点灯を忘れてしまってはいかん、というわけで、4輪車も含め、認可されていません。

これは設計者が拘った部分でもあったそうで、実際、バーベル形に明るくなるLED式のDLRは、走るR1200Rの顔の一部になるポイントです。開発スタッフとしては思い入れのあるものが採用されないのが残念のようで、「日本じゃ、使えないんだってね」と言われた言葉を皮肉っぽく感じたものです。

そして、MVアグスタのクロスオーバーツアラー、ストラダーレには、脱着式のパニアケースが装着されています。軽量でスタイリッシュなモデルだけにLED式のテールライトがケース後部に埋め込まれています。で、ケースを取り外し、同時に配線のコネクターを外せば、自動的に車輌側に設置されたライトが点灯するようになっています。

これはなかなか便利で、多様な用途に使いたいときに有効なはずです。でも、これも国内の保安基準には合致しません。灯火類は固定された位置にないといけないということなのでしょうか。

もう一つの、ムルティストラーダについては、次回に譲るとして、どうも生真面目な日本人というのは、遊び心があるものを嫌い、前例に則り一つの型に嵌ったものしか受け付けないところがあるのでしょうか。そんな気にさせられてしまうのです。

(後編に続く)

和歌山利宏

【プロフィール】
和歌山利宏
1975年にヤマハ発動機に入社。ロードスポーツの開発に携わる。
レーシングライダーとしても活躍し、鈴鹿8耐第4回大会では4位入賞。
85年からはヨコハマゴム契約となり、タイヤの開発テストを行うとともに、ワイルドカード参戦した87年の日本GPでは、250ccクラスで11位に入る。
90年からはジャーナリストとしての活動を始め、現在に至る。

【関連ニュース】
◆保安基準の国際統一は程遠いのか(後編)

和歌山利宏

和歌山利宏モーターサイクルジャーナリスト

投稿者プロフィール

1975年にヤマハ発動機に入社。ロードスポーツの開発に携わる。
レーシングライダーとしても活躍し、鈴鹿8耐第4回大会では4位入賞。
85年からはヨコハマゴム契約となり、タイヤの開発テストを行うとともに、
ワイルドカード参戦した87年の日本GPでは、250ccクラスで11位に入る。
90年からはジャーナリストとしての活動を始め、現在に至る。

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