[HONDA]MotoGP マレーシア・セパン公式テストレポート

マレーシアのセパンサーキットで、2015年シーズンに向けて、公式テストが行われました。1回目の公式テストは、2月4日(水)〜6日(金)までの3日間。2回目は23日(月)〜25日(水)までの3日間で、今季、HondaのマシンでMotoGPクラスを戦う8選手が参加しました。

ワークスマシンのRC213Vで出場するのは4人。ワークスチームのRepsol Honda Teamからは、3年連続のタイトル獲得を目指すマルク・マルケスと念願のシリーズ制覇に挑むダニ・ペドロサ、CWM LCR Hondaからカル・クラッチロー、Estrella Galicia Marc VDSからスコット・レディングが出場します。

また、オープンカテゴリーにも4選手が出場します。今シーズンは、市販レーサーRCV1000Rに代わり、ワークスマシンのRC213Vのエッセンスを存分に注ぎ込んだRC213V-RSが投入されます。このマシンには、Drive M7 Asparのニッキー・ヘイデンとユージン・ラバティ、CWM LCR Hondaのジャック・ミラー、AB Motoracingのカレル・アブラハムの4選手がまたがります。

今年のセパンテストは、1回目、2回目ともに天候に恵まれ、各チーム、各選手とも順調にメニューを消化しました。15年型のワークスマシンであるRC213Vは、14年11月の公式テストに投入した、プロトタイプのテスト結果を反映させた改良型です。マルケスとペドロサは好タイムを連発し、好調なスタートを切りました。

ディフェンディングチャンピオンのマルケスは、1回目のテストで1分58秒867のスーパーラップをマークしました。マルケスはちょうど一年前のテストで、ケーシー・ストーナーの持つ1分59秒607をブレイクする1分59秒533をマークしてライバルたちをうならせましたが、今年はさらにタイムを更新。前人未踏の1分58秒台を叩き出して、ライバルを圧倒しました。

2回目のテストでは、1回目にマークした最速タイムの更新に期待が寄せられました。しかし、連日の猛暑で路面コンディションが悪く、全体的にタイムが伸びませんでした。それでもマルケスは着実にメニューを消化。1分59秒115というタイムを叩き出し、最終日にはロングランに挑みました。レースと同じ20ラップのロングランに挑んだマルケスは、2分0秒台のハイペースで16ラップを刻みます。1回目のテストでの1分58秒台という驚異的なタイムは、ライバルたちを驚かせましたが、2回目のテストで実施したレースシミュレーションの快走ラップにも、驚嘆の声が上がりました。

1回目のテストが行われた3日間で、マルケスは183ラップをこなし、15年型プロトタイプのポテンシャルを感じさせるサーキットベストタイムをマークしました。2回目のテストでは、179ラップを消化。15年型の力をしっかり証明する、すばらしいレースタイムを叩き出しました。MotoGPクラスにデビューした13年には史上最年少で初優勝、史上最年少記録でタイトルを獲得しました。14年には、史上最年少で2連覇を果たし、シーズン最多ポールポジション記録、最多優勝記録など、次々に大記録を打ち立てました。今年は3連覇の期待が寄せられているマルケスですが、さらなる成長を感じさせる内容で、セパンテストを終えました。

チームメートのペドロサも、15年型RC213Vのセットアップを順調に進めました。1回目のテストでは、昨年のテストでマークした1分59秒999を大きく更新する1分59秒006をマークします。「ミスがなければ58秒台は確実でした」とコメントしたペドロサは、20周のレースシミュレーションでは、レース周回数の半分にあたる10ラップで、2分0秒台をマークして好調をアピールしました。

15年型RC213Vの仕上がりのよさを確認したペドロサは、コンディションがそれほどよくなかった2回目のテストでは、コンディションの変化に対応するために、さまざまなセットアップにトライ。データ収集に努めました。3日間のベストタイムは1分59秒912。レースシミュレーションは行わず、1回目のテストとは全く別メニューでの調整を進め、実りある3日間となりました。

1回目のテストで148ラップ、2回目のテストでは151ラップを消化し、合計6日間のテストで予定していたメニューをすべてこなしたペドロサ。開幕直前のカタールテストで最後の調整を行い、開幕戦を待つばかりとなりました。

CWM LCR Hondaに移籍し、RC213Vで新たなチャレンジをするクラッチローは、日を追うごとにタイムを更新。今季の活躍を期待させました。14年11月、HondaのMotoGPマシンに初めて乗ったバレンシアテストでは、RC213Vのパワフルな走りに驚嘆していました。これまでにほかのメーカーのMotoGPマシンを経験してきているクラッチローは、HondaのMotoGPマシンのパフォーマンスを引き出すために、まずは慣熟走行に多くの時間を割きました。そのため、1回目のセパンテストでは、2分0秒536のベストタイムで総合11番手と、着実な走りを心がけ、トップタイムのマルケスから1.669秒差でした。そして、慣れはじめた2回目のテストでは、1分59秒658へと大幅にタイムを更新。総合トップのマルケスとの差を0.543秒に縮め、総合3番手へと大きくポジションを上げました。開幕直前に行われるカタールテストでは、このスピードを生かしつつ、安定したラップタイムを刻むことが目標となります。

MotoGPクラスで2年目のシーズンを迎えるレディング(Estrella Galicia Marc VDS)も、クラッチローと同じく、初めて経験するワークスマシンのポテンシャルを引き出すため、慣熟走行に多くの時間を割きました。昨シーズンはHondaの市販レーサー、RCV1000Rで非凡な走りを何度も披露。大きな身体を生かした豪快な走りは、今シーズンの活躍を期待させました。所属するEstrella Galicia Marc VDSは、チームとしては初めてMotoGPマシンを走らせることになります。そのため、セパンで行われた2度のテストは、チームとしても、MotoGPクラスの経験を積む、重要なものとなりました。

チームとともに大きな成長が期待されるレディングは、1回目のテストでは、182ラップをこなし、2分1秒263で総合17番手。2回目のテストでは、路面コンディションがよくなかったにもかかわらず、2分0秒695でタイムを更新して総合16番手。マルケスやペドロサとの差を確実に縮めているだけに、カタールテストと開幕戦カタールGPでどこまで成長できるかに大きな注目が集まっています。

ECU(電子制御装置)とそのソフトともに、共通のものを使うオープンカテゴリーには、今年は3チーム4台が出場。ニュウマチックバルブを採用するなど、14年型RC213Vのエッセンスが存分に盛り込まれたRC213V-RSで戦います。セパンで行われた2度のテストでは、各選手ともにニューマシンのセットアップと慣熟走行に時間を使いました。

1回目のテストの総合順位では、2006年のチャンピオンであるヘイデンが18番手、ルーキーのミラーが20番手、アブラハムが23番手、15年シーズンより、スーパーバイク世界選手権からMotoGPにチャレンジするラバティが24番手。2回目のテストでは、ヘイデンが17番手、アブラハムが21番手、ミラーが22番手、ラバティが23番手という結果でした。昨年に比べて、タイム差が接近しているMotoGPクラス。ワークスマシンに匹敵するポテンシャルを持つRC213V-RS勢の、今後の走りが注目されます。

コメント

マルク・マルケス(1回目/総合1番手 1分58秒867、2回目/総合1番手 1分59秒115)
「1回目のテストは、昨年11月のバレンシアテストの結果をフィードバックさせたマシンなど、3台のマシンを使って始めました。その中から、セットアップとテストを進めていくマシンを1台に絞り、3日間順調にメニューを消化しました。最終日に出たベストタイムは、自分でも驚きました。コンディションがよかったこともありますが、マシンのポテンシャルを感じさせてくれるもので、ベストタイムもレースシミュレーションもよく、手応えのあるシーズン初テストになりました。2月下旬の2回目のテストでは、初日にブレーキのテストに集中しました。新システムへのアジャストに、思うよりも時間がかかりました。このため、予定していたメニューの消化が遅れましたが、2日目には電気系と車体のテストをこなし、3日目にはレースシミュレーションも実施。目標のタイムをクリアできました。2回目のテストも、非常に満足できる内容でしたし、現状ではこれ以上試せることはないと思いました。次のカタールテストでは、開幕戦に焦点を絞り、セットアップに集中したいです」

ダニ・ペドロサ(1回目/総合2番手 1分59秒006、2回目/総合7番手 1分59秒912)
「今年は天候に恵まれ、1回目のテストは、すべてが順調に進みました。3台で始めたテストですが、その中から2台に絞って、さまざまなことにトライしました。改善すべき点はまだまだありますが、ベストタイムはよく、なによりもレースシミュレーションですばらしいラップを刻めたのがうれしいです。ロングランでこんな走りができたのは初めてのことでしたし、収穫の多いシーズン初テストでした。2回目のテストも全体的には順調で、電気系のセットアップでいろんなことに取り組み、多くのデータを得られました。2回目のテストは暑くて、コンディションが厳しかったですが、進歩は感じられました。2月のテストでは、今シーズン型のマシンへの信頼性が高まり、タイヤのフィーリングもよくなりました。そしてそれ以上に、コンディションの変化によって、セットアップの方向性がはっきり分かったことがよかったですし、本番に向けてとても有意義なテストになりました」

カル・クラッチロー(1回目/総合11番手 2分0秒536、2回目/総合3番手 1分59秒658)
「セパンはあまり得意なコースではないのですが、2回目のテストでは、自己ベストを出すことができました。RC213Vは乗り心地がいいですし、2回目のテストの路面コンディションを考慮すれば、自分のベストタイムは悪くないと思います。全体的にはとても満足しています。しかし、自分のマシンという感じはまだまだしないので、自分のライディングスタイルを変えていかなくてはいけません。コーナリングスピードは、それほど悪くないと思います。ブレーキングもまずまずというレベルになってきました。しかし、もっとハードに攻めている選手がいるので、もう少し改善していく必要があります。コーナーの立上がりも、いい感じで走れるようになってきましたが、これも十分ではありません。この点に関しては、もう少し時間をかければ大丈夫だと思います。2回目のテストではレースシミュレーションを行い、ハードタイヤでリズムよく走れました。ただ、ブレーキのフィーリングが完全ではなかったので、思うようにハードブレーキングができず、何周かロスしてしまいました。これが次回のテストの課題になりました」

スコット・レディング(1回目/総合17番手 2分1秒263、2回目/総合16番手 2分0秒695)
「1回目のテストに比べて、2回目のテストは路面コンディションがよくありませんでしたが、着実に前進できました。電子制御を理解するため、トラクションコントロールのいろいろなことにトライしました。コーナーの出口では、自分のライディングスタイルをそのままに、リアタイヤが滑り始めるタイミングを確認するなど、RC213Vを理解することに全力を注ぎました。この2回のテストでフィーリングもよくなり、快適に乗れるようになってきました。まだまだトップとのタイム差はありますが、いい方向に向かっていることを確信しています」

ニッキー・ヘイデン(1回目/総合18番手 2分1秒508、2回目/総合17番手 2分0秒813)
「昨年に手術した右手首は、まだまだ完全ではありませんが、確実によくなっています。これからもっとよくなっていくと確信しています。昨シーズンに乗っていたRCV1000Rに比べて、今年のRC213-RSは確実に速いです。馬力がかなり上がっていると思います。ラップタイムでは1秒の改善ができました。しかし、ライバルたちも同様に速くなっていますので、セットアップを進めて、さらにポテンシャルを引き出す必要があります。セパンでの2度のテストを終えて、まだまだ改善できる部分がたくさんあるので、開幕戦に向けて、その部分に取り組みたいです」

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