バイクのトレンドは原点回帰か

【和歌山利宏:モーターサイクルジャーナリスト】

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はじめまして。このコラムに寄稿することになった和歌山利宏です。バイクジャーナリストとして、早25年。メーカーでの開発エンジニア、レーシングライダーとして過ごした時期もあり、それらを含めて、仕事としてバイクに40年も付き合ってきたことになります。

でも、バイクにまつわる面白さとか感動は、バイクに仕事として関わる以前の少年時代のときのものと、何ら変わることはありません。言ってみれば、新たな感動を求めて、この仕事を続けているのかもしれません。

ただ、現在のバイクを取り巻く現状に注目すると、僕の少年時代の感動を、同じように味わうのが難しいことも否めません。なぜなら、バイクとは本来、日常的な足として使いながら、気が向けばどこでも遊べるものであるべきだからです。

でも、近年のバイクは様々なカテゴリーに多様化し、それぞれに究極化することで進化してきました。その結果、バイクはそれぞれに合った使い方をしてこそ、面白さを享受できるものなりました。スーパースポーツだったら、レザースーツを着込んでサーキットに出掛けないといけないのです。それに、高性能化のため大型化も伴ない、足代わりに気軽に扱えなくなってきました。

そう考えたとき、2015年型の最新モデルに注目したいバイクがあります。ドゥカティのスクランブラーです。かつて、40年以上前のスクランブラーは、普通のロードモデルにオフロード指向のタイヤを履かせ、マフラーをアップにしただけのものでしたが、これは、サスも少々長脚で、もっと本格的です。

このスクランブラーは、扱いやすい車格で、昔の何にでも使えたバイクをそのまま高次元化したような存在です。この手のモデルが今注目を集めているのは、レトロ指向であることだけでなく、バイクの原点を見つめ直しているからではないでしょうか。レースイメージの強いドゥカの場合は意外性でも注目されましたが、ドゥカとしてはエントリー層を開拓したいという思惑もあるのでしょう。

そして僕は、多くの人がもっとバイク本来の面白さに気付いてもらえたらと期待しているのです。

和歌山利宏

和歌山利宏モーターサイクルジャーナリスト

投稿者プロフィール

1975年にヤマハ発動機に入社。ロードスポーツの開発に携わる。
レーシングライダーとしても活躍し、鈴鹿8耐第4回大会では4位入賞。
85年からはヨコハマゴム契約となり、タイヤの開発テストを行うとともに、
ワイルドカード参戦した87年の日本GPでは、250ccクラスで11位に入る。
90年からはジャーナリストとしての活動を始め、現在に至る。

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