[HONDA]JMX Rd.9 最終戦で成田が2位表彰台を獲得

全日本モトクロス選手権は、設定されていた全9戦のファイナルレースを迎え、第52回MFJ-GPモトクロス大会として、宮城県のスポーツランドSUGOで開催されました。

今季の第4戦と第6戦の舞台でもあるこのコースは、2つの丘にまたがるようにデザインされています。今大会は、フープスなどのセクションのレイアウトが変更され、さらに一部の区間には、土質の改善処理が施されるなど、全体のレイアウトは踏襲しているものの、細部は前大会と異なる仕様でした。
各クラスの予選が行われた10月25日(土)、決勝が繰り広げられた26日(日)は、ともに天候に恵まれた秋晴れ。10月末の東北地方ということで、朝晩の気温は一ケタ台まで下がりましたが、日中の最高気温は23℃まで上昇しました。

●IA1(450/250)ヒート1
前大会でライダーズタイトルの獲得を決めたTeam HRCの成田亮が、1周目をトップでクリア。ランキング2位で臨んだチームメートの小方誠が、これに続きました。序盤、この2人にスポット参戦したクーパー・ウェブ(ヤマハ)と新井宏彰(カワサキ)を加えた4台が、僅差でのトップ争いを展開。3周目に、小方はウェブに抜かれて3番手に後退しました。
4周目、成田もウェブにパスされましたが、直後のフープスでこのAMAモトクロスのトップライダーを抜き返す大健闘。しかし次周、再び2番手に後退すると、その後はウェブに逃げきりを許してしまいました。一方、小方は成田から少し後れて3番手を守り、新井を抑えながらの走行が続きました。
レースが後半に入ると、2番手の成田に小方と新井が追いつき、3台による2番手争いに。そんな中、小方は10周目にポジションを落とし、終盤になると成田、新井、小方はそれぞれ単独走行となりました。そしてレースは16周で終了。成田がウェブに次ぐ2位でゴールし、ラスト3周で平田優(ヤマハ)にパスされた小方は、5位でフィニッシュしました。

●IA1(450/250)ヒート2
ホールショットのウェブに続いて、新井、成田、熱田孝高(スズキ)、小方の順でオープニングラップをクリアしました。2周目、ウェブの逃げきりを許す一方で、2番手争いは混戦に。新井が転倒し、これで成田が2番手に浮上すると、熱田を抜いた小方が続き、Team HRCによる激しい2番手争いが始まりました。しかし4周目、小方は熱田に抜かれて3番手に後退しました。
5周目、成田も熱田にパスされ、これで成田が3番手、小方が4番手に。さらに6周目、小方が平田に抜かれて5番手、次周には成田もパッシングを許して4番手に後退しました。7周目には、2番手を走る熱田に、平田と成田、小方の3台が接近。4台による2番手争いが展開されました。
この中で、レース後半にまず平田、続いて熱田が抜け出し、一方で小方の後方からは三原拓也(カワサキ)と新井が接近。成田と小方は、再び4台によるバトルに加わることになりました。そして終盤、成田は後続を振りきって4位でゴール。一方で、小方はポジションを下げて7位となりましたが、年間ランキングでは2位を守り、Team HRCは2年連続で1-2を達成しました。

●IA2(250/125)ヒート1
Team HRCの富田俊樹は、ライダーズランキング1位の勝谷武史(カワサキ)を20点差で追う2位で、最終戦を迎えました。その富田は1周目をトップでクリア。田中雅己(Team HRC)も好スタートを決めましたが、混戦の中でポジションを落とし、6番手からのレースとなりました。序盤、富田は2番手に浮上した勝谷を最大で5秒ほど離し、田中は5周目に3番手へと浮上しました。
ところがレース中盤、富田は勝谷に差を詰められ、8周目からは接近戦に。そして11周目に逆転を許してしまいました。一方の田中は、上位2台には逃げられましたが、3番手を守り続けました。終盤、富田はやや拡大した勝谷との差を詰め、ラスト2周となった15周目には、約2秒差まで接近。しかし順位は変わらず、富田は勝谷に次ぐ2位、田中は3位となりました。

●IA2(250/125)ヒート2
富田はヒート1と同じく、ホールショットを奪う好スタート。田中は5番手で1周目をクリアしました。2周目、富田と勝谷はトップ争いを演じ、そこから少し間隔を空けて、田中が竹中純矢(スズキ)や能塚智寛(カワサキ)と僅差の3番手争いを繰り広げました。その後、富田は勝谷を次第に引き離し、リードは6秒ほどに。一方で田中は、前の2台から後れて単独5番手走行になりました。
レース中盤、富田は勝谷に粘られるも、しっかりとリードをキープ。危なげなく周回を重ねました。そしてレースは15周でチェッカー。富田が勝利し、最終戦での総合優勝を手にしました。田中は、単独走行のまま5位でゴール。1周目の9番手から追い上げた大塚豪太(T.E.SPORT)は6位に入賞しました。年間ランキングでは、富田が2位、田中が7位でした。

■コメント
成田亮(IA1・2位/4位)
「実は前回大会のあとに、娘が誕生しました。本来であれば、シーズン中はレースが最優先なのですが、前戦でシリーズタイトルの防衛を決められたことから、ちょっとだけ家族優先の行動をさせてもらいました。しかしそのために、トレーニングやテストがあまりできていない状態で今大会に臨んだので、不安な部分が多くありました。(クーパー)ウェブ選手が本当に速いライダーであることは分かっていましたので、正直なところ、勝つのは難しいと予想していました。それでも、2周や3周であればバトルができると考えました。会場を訪れてくれたお客さんも、本当に速い外国人ライダーに、僕たち日本人ライダーが挑めば、メーカーに関係なく楽しんでくれるはず。勝てませんでしたが、お客さんが喜んでくれたなら僕は幸せです」

小方誠(IA1・5位/7位)
「ヒート1は好スタートを決め、中盤には2番手の成田選手との差を詰めて、勝負を挑むことができました。しかし、うまくパッシングポイントが見つからず、ラインを変えているうちにリズムを崩してしまいました。ヒート2も、課題だったスタートはうまく決まり、2番手争いに加われていたのですが、やはりうまくライバルを抜けず、ブロックされたことでスピードが落ち、逆にポジションを落としてしまうシーンが多かったです。終盤にポジションを落としたのは自分のミス。成田選手を抜こうと思って仕掛けたところ、タイヤを滑らせすぎて失速しました。今季は、終盤になってあまりいいレースができませんでしたが、とはいえ昨年の1勝に対して3勝。どうすれば勝てるのかが分かってきたシーズンだと思います」

富田俊樹(IA2・2位/優勝)
「ヒート1は、ライン取りなどのコース攻略ができていませんでした。序盤に逃げようとしたら、勝谷選手がすぐに追いついてきて、焦った部分が大きかったです。逆にヒート2は、同じような展開になったので、ヒート1の経験を踏まえて序盤は飛ばさず、ラインを見つけながら走っていました。ところが、その状態でも勝谷選手が離れたので、あとは余裕を持って引き離せました。本来はヒート1も勝って、勝谷選手にもう少しプレッシャーを与えたかったのですが、とはいえ、最後に勝てたことには満足しています。シーズン序盤は勝谷選手と絶望的な差がありましたが、中盤以降は勝負できるようになり、昨年の倍となる6勝をマークしました。本当に成長できた一年だと思います」

田中雅己(IA2・3位/5位)
「ヒート1では、第6戦や第8戦のヒート1と同じく表彰台に上がれましたが、今回も富田選手と勝谷選手というトップ2台のレースにさせてしまいました。もう少し、トップ争いに絡めるような展開に持ち込みたかったのですが、シーズン前半の不調を考えれば、タイム差もそこまで大きくはなかったですし、今持っている実力を発揮できたレースだったとも思います。ヒート2は、序盤のペースはそれほど悪くなかったものの、荒れた路面に対してラインがうまく定まらず、迷いの中で後れていきました。今季は、前半にまるでパフォーマンスを発揮できず、そのことがシーズン後半にまで影響しました。もったいない一年でしたが、これが実力だと受け止めます」

芹沢直樹|Team HRC監督代理
「IA2では、富田が最後までプッシュして、今季を総合優勝で終わることができました。しかしチームとしては、シリーズタイトルの獲得が最大の目標でしたので、これが成し遂げられなかった原因については考える必要があります。その一方で、昨シーズンの王者である富田が、今季は年間2位であるのに、成長したと評価するのはおかしいかもしれませんが、シーズン序盤にあった勝谷選手との大きな差を、本人の努力によって埋めていったことには満足しています。田中は、シーズン後半は本来の走りがみえてきました。ただし、優勝経験のあるライダーですから、片目を開けさせてあげたかったという思いも残りました。IA1は今年も1-2となり、正直なところ、監督代行初年度の私としては、ほっとしています。ただし、シーズン後半は小方の成績が安定しなかったので、その点についてはチームとしても今後の課題です。どうしてライダーの調子が落ちたのか、研究していきたいです。成田に関しては、さすがにAMAのトップライダーを負かすことはできませんでしたが、会場を沸かせたことには、チームとして拍手を送りたいです。一年間、応援ありがとうございました」

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