[HONDA]MotoGP Rd.17 決勝 マルケスが12勝目を挙げ、史上最多優勝記録に並ぶ

3連戦最後の戦いとなった第17戦マレーシアGPは36℃の猛暑の中、8万人を超える大観衆が詰めかけ、熱戦が繰り広げられました。

熱い戦いの主役となったのが、シーズン最多記録となる、13度目のポールポジション(PP)からスタートしたマルク・マルケス(Repsol Honda Team)。レース中盤にトップに浮上すると、バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)やホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)とのリードを広げ、5戦ぶりに優勝を果たしました。

すでにライダーズタイトルを獲得しているマルケスは、前戦オーストラリアGPで、ミック・ドゥーハンとケーシー・ストーナーが持つシーズン最多PP記録の「12」に並びました。そして今大会では、13度目のPPを獲得し、新記録を樹立しました。決勝では、スタート直後の1コーナーでロレンソとの接触を避けるためにオーバーラン。オープニングラップは6番手と、ポジションを落としましたが、2周目に3番手に浮上すると、ロレンソとロッシのヤマハ勢を追いました。

そして、レースの折り返しとなる10周目にロレンソをかわして2番手に、11周目にロッシを抜いてトップに浮上すると、終盤は2位以下を引き離し、20周のレースで真っ先にチェッカーを受けました。今大会で挙げたシーズン12勝目で、1997年にドゥーハンが樹立した、最多記録に並びました。最終戦バレンシアGPでは、記録更新に挑みます。

Hondaは今大会、マルケスが優勝したことで、MotoGPクラスのコンストラクターズタイトルを獲得しました。4年連続21度目。全クラス通算63度目のタイトル獲得となりました。

予選4番手から決勝に挑んだステファン・ブラドル(LCR Honda MotoGP)は、オープニングラップで5番手に。それでも、終盤にアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)をかわして4番手に浮上。その後はブラッドリー・スミス(ヤマハ)と4番手を争いますが、振りきって4位でフィニッシュしました。昨年はケガのために予選と決勝を欠場たブラドル。2年ぶりのマレーシアGPでは、昨年の悔しさを見事に晴らしました。

Hondaの市販レーシングマシン「RCV1000R」で出場のスコット・レディング(GO & FUN Honda Gresini)は、予選17番手から10位でフィニッシュしました。今大会は気温が36℃、路面温度が54℃という厳しいコンディションとなり、転倒車が続出。前戦オーストラリアGPと同様に、完走が14台というサバイバルレースになりました。そのレースでしっかり走りきったレディングが、RCV1000R勢の最上位でフィニッシュしました。

今季ベストグリッドの11番手から決勝に挑んだ青山博一(Drive M7 Aspar)は、中盤までオープンクラスの最上位である9番手を走っていましたが、高速の12コーナーで転倒。再スタートを切って11位でした。

そのほかのHonda勢は、厳しいコンディションの中で転倒リタイアに終わりました。2番グリッドから好スタートを切り、2番手につけていたダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、2周目の最終コーナーで転倒。再スタートを切って11番手までポジションを上げますが、今度は左ヘアピンの9コーナーで転倒してリタイア。マレーシアGP3連覇を逃し、残念ながら総合2位争いから脱落しました。

アルバロ・バウティスタ(GO & FUN Honda Gresini)は2周目に、ニッキー・ヘイデン(Drive M7 Aspar)は7周目に、カレル・アブラハム(Cardion AB Motoracing)は12周目に、それぞれ転倒リタイアに終わりました。

Moto2クラスは、タイトル王手で今大会を迎えたエステベ・ラバト(Marc VDS Racing Team)が、3位でフィニッシュしてタイトルを獲得しました。今大会はシーズン10度目のPPを獲得。7勝を含む13度の表彰台獲得という安定した速さでした。優勝したのはマーベリック・ビニャーレス(Paginas Amarillas HP 40)で、2戦連続のシーズン4勝目。逆転チャンピオンに向けて闘志を燃やしていた、総合2位のミカ・カリオ(Marc VDS Racing Team)は2位に終わり、タイトル争いが決着しました。カリオは、最終戦でビニャーレスと総合2位を争います。

6番グリッドを獲得し、今季ベストリザルトが期待された中上貴晶(IDEMITSU Honda Team Asia)は、16番手を走行していた7周目の最終コーナーで転倒リタイア。予選28番手から決勝に挑んだ小山知良(Teluru Team JiR Webike)は23位でした。

Moto3クラスは、タイトル王手のアレックス・マルケス(Estrella Galicia 0,0)と総合2位のジャック・ミラー(KTM)、総合3位のアレックス・リンス(Estrella Galicia 0,0)、エフレン・バスケス(SaxoPrint-RTG)、ダニー・ケント(ハスクバーナ)の5台による、し烈な優勝争いが展開され、バスケスが今季2勝目を達成しました。ミラーが2位、予選17番手から猛然と追い上げたリンスが3位でフィニッシュ。アレックス・マルケスが5位に終わったことで、タイトル争いは最終戦バレンシアGPに持ち越されました。なお、Moto3クラスも34台が出場して完走が20台という、荒れたレースになりました。

■コメント
マルク・マルケス(MotoGP 優勝)
「今回のレースは、体力的に今年最もハードなレースとなりましたが、優勝できました。ミック・ドゥーハンの記録に並ぶことができてうれしいです。マレーシアでは、今日のような気候になることは分かっていました。それでも、今日は特別暑い一日でした。だれもがレースを完走するのが大変だったと思います。レース中盤にペースが下がりました。みんな、一息つきたかったのだと思います。スタート直後の1コーナーは少し悪夢のようでしたが、その後、タイヤとブレーキを温存しながら追い上げ、前に戻れました。そして、残り10周でアタックを始め、残り5周でリードを広げられました。今日のレースの進め方には満足しています」

ステファン・ブラドル(MotoGP 4位)
「信じられないほど暑い中でのレースでしたが、4位でフィニッシュできてとてもうれしいです。今大会はレースウイークを通して、いい仕事ができました。しかし、ハードに攻めていくには、フロントが十分ではありませんでした。そのまま20周、なんとか走らなければならないと思いました。(アンドレア)ドヴィツィオーゾに追いつこうとしましたが、彼の方が少し速かったです。そのあと、彼が苦しんでいるのが見えたのでパスし、後ろのライダーたちとのギャップを広げることができました。今週末はミスをせず、安定していい仕事ができました。そして3日間を通じて、トップ5に入れました。とても厳しいレースが続きましたが、やっとトップ5に戻れました。チームのすばらしい仕事に感謝したいです」

スコット・レディング(MotoGP 10位)
「今日は青山選手よりペースが少し遅いことが分かっていましたので、リアにハードを選択しました。また、オープンクラスのHondaのマシンが、ソフトオプションを使うことも分かっていました。そのため、前戦オーストラリアGPのように、異なる戦略を試してみようと思いました。ハードタイヤではレース終盤で強さが出ると思いましたが、実際は違いました。今回はソフトタイヤを使うべきでした。そのためにタイムをかなり落としてしまい、完走できるかどうかという感じでした。今週は、全体的に青山選手の方がいいペースでした。Hondaのオープンクラスのトップでフィニッシュできてよかったです」

青山博一(MotoGP 11位)
「今日は8位になれたレースでした。とても残念です。ラスト5周くらいで脱水状態になり、集中が切れました。それで高速の12コーナーでラインをちょっとだけ外れ、フロントから転んでしまいました。再スタートして、11位でフィニッシュできてよかったですが、9番手を走行中は、前との差をどんどん縮めていましたし、後ろとは5秒も開いていました。あのまま走っていれば8位だったはずですし、本当に悔しいです。今回は予選でQ2に進出でき、決勝でも転倒するまでは、RCV1000R勢のトップでした。結果は悔しいですが、自分の走りをアピールできたことには満足しています」

ダニ・ペドロサ(MotoGP リタイア)
「とてもいいレースウイークでしたし、楽しく乗れましたが、レースでは結果を出せませんでした。2周目にフロントから転倒してしまいました。限界で走っていたわけではないので、どうしてそうなったのか分かりません。幸い再スタートでき、ポジションを取り戻せました。とてもいいペースで走れていましたが、また同じように、フロントから転んでしまいました。このときも限界では走っていませんでした。全く同じように転倒しました。2度続いたので、なぜそうなったのかを、これから検証します。レースウイークを通してとてもいい仕事をしていたので、もっと違う形でレースを終えたかったです。こんなはずではありませんでした」

ニッキー・ヘイデン(MotoGP リタイア)
「いいスタートではありませんでしたが、すぐに後れを取り戻せました。マシンは快適で、何人かパスしました。次第に(青山)ヒロとのギャップを縮められました。そして9コーナーでブレーキを緩めたときに、フロントから転倒してしまいました。路面温度が高かったせいかもしれませんが、言い訳にはなりません。僕のミスです。今大会は、少なくともトップ10に入れるほどの、いいレースができたと思います。メインスポンサーのホームレースでもっといい結果を残したかったです。本当に残念です」

アルバロ・バウティスタ(MotoGP リタイア)
「なにが起きたのか分かりません。正直、どう説明すればいいのかも分かりません。アレックス・エスパルガロ(FORWARD YAMAHA)を2周目の序盤のストレートでパスし、1コーナーのブレーキングで僕は彼のインサイドにいたのですが、接触し、2人とも転倒してしまいました。幸い2人ともケガはありませんでしたが、とても残念でした。今シーズンはいつもいろいろな問題が出ます。今回は、このようなエピソードまで加わってしまいました」

ミカ・カリオ(Moto2 2位)
「まず、タイトルを獲得したティト(ラバト)におめでとうと言いたいです。彼がチャンピオンになった理由は、すべてのサーキットで速く、安定していたことにあります。シーズン序盤は僕も同じでしたが、僕の方はここ5〜6レースで、かなりポジションを下げてポイントを失いました。最大の理由はリアグリップの問題で、いいリズムをつかむのが困難だったからです。しかし、シーズンはまだ終わっていません。次の最終戦バレンシアGPでは、いい結果を出してシーズンを終えたいです」

エステベ・ラバト(Moto2 3位)
「チャンピオンを獲得できてとてもうれしいです。言葉が見つかりません。今日はスタートから一生懸命プッシュしました。しかし最後は、表彰台に立ってレースを終えるために、後ろのライダーたちとのギャップを維持することに決めました。自分がワールドチャンピオンになったことに、まだ自覚がなく、言葉がありません。それでも、毎日僕の背中を押してくれたチームに感謝したいです。彼らは毎日、僕をサポートしてくれました。前進するときは常に彼らがいました。チーム、そしてサポートしてくれた家族にも感謝したいです。また、ここ数年サポートしてくれた、アルメリア・サーキットにも感謝したいです。そして、この世界チャンピオンを母に捧げたいです。母との思い出がいつも、自分のモチベーションを上げてくれました」

小山知良(Moto2 23位)
「今回は、第15戦日本GPで問題になっていた、燃料タンクとポンプの関係で、残り3リッターくらいになると、うまく吸えないというトラブルでペースを落としました。前戦オーストラリアGPで転倒したときに、対策済みの燃料タンクを壊してしまったのが残念です。フィリップアイランド・サーキットに比べてここは燃費が激しいので、仕方ありません。しかし、この3連戦を走ったことで、本当に多くのデータを得ることができました。開発ライダーの仕事はしっかりこなせたと思いますし、その点では満足できる代役出場でした」

中上貴晶(Moto2 リタイア)
「フリー走行、予選、そして決勝前のウォームアップと、すべてが順調でした。しかし、サイティングラップのときに、フロントブレーキに違和感があり、決勝でもブレーキのフィーリングがおかしく、ペースを上げられませんでした。なにが原因でそうなったのか、今調べてもらっています。今回はアベレージがよかったですし、トップグループで戦えると思っていました。それだけにとても残念です。今シーズンは、残すところ最終戦だけですので、バレンシアGPでは来年につながる走りがしたいです」

アレックス・リンス(Moto3 3位)
「おもしろいレースでした。多くのことを学びましたが、メンタル面でも体力面でも厳しいレースでした。人生で一番いいスタートを切れたと思います。ポジションをかなり上げられました。しかし、無茶をするライダーがいたため、1コーナーは少し慎重に入りました。そしてトップグループに追いつくまでプッシュし、最終的に表彰台に上がれました。全体的には厳しいレースウイークでした。いいセットアップを見つけるのに苦戦しました。チームとHondaのがんばりに感謝したいです」

アレックス・マルケス(Moto3 5位)
「テレビの映像を見れば分かると思いますが、とても大変なレースでした。タイトルがかかっているので、ずっと慎重に走る必要がありました。もしかしたら、慎重になりすぎたのかもしれませんが、最後は完走しようと決めました。幸い、ミラーは優勝しませんでした。今日はとても大事なポイントを獲得できてうれしいです。レースで勝ってタイトルを獲得したかったです。しかし、重要なことは、ポイントでリードして最終戦バレンシアGPへ向かうことでした」

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