[HONDA]JMX Rd.8 決勝 Team HRCの成田亮が、最終戦を残してシリーズタイトル防衛

年間9戦が設定されている今季の全日本モトクロス選手権は、いよいよ残り2大会に。第8戦中国大会が、今季第3戦の舞台にもなった広島県の世羅グリーンパーク弘楽園で開催されました。

丘陵地の斜面に設けられたこのコースは、土の下に岩盤が埋まった硬い路面を特徴としてきました。しかし今大会では、大量の土が搬入されて大幅に路面状況が改善。これにより、やや粘土質の路面には深いワダチが刻まれ、より攻略が難しいコンディションとなりました。

台風18号の接近により、天候の悪化が心配された今大会。しかし天気はなんとか持ちこたえ、決勝日はときどき雨が降り、風も強めでしたが、基本的には曇り空。路面がマディと化すことはありませんでした。

●IA1(450/250)ヒート1
今大会でTeam HRCの成田亮は、ランキング2位につけているチームメートの小方誠より、両ヒートの合計で5点以上多くポイントを稼げば、年間タイトル防衛と、自身のV10が決定する状況でした。その成田は好スタートを決めて、1周目をトップでクリア。一方の小方は大きく出遅れ、11番手からの追い上げを強いられました。

レース序盤、成田は2番手の新井宏彰(カワサキ)や、4周目に新井が転倒したのに代わって2番手に上がった三原拓也(カワサキ)らを引き離しながら周回。5秒近いリードを築きました。ところが、6周目に平田優(ヤマハ)が2番手に浮上すると、その差は次第に縮まりました。

レースが後半に入ると、成田と平田は約2秒差にまで接近。そして、13周目から激しいバトルが展開され、14周目には平田がトップに立ちました。それでも、成田は数周にわたって平田を猛追しましたが、最後は引き離されてしまい、19周のレースを2位でフィニッシュしました。また小方は、追い上げがうまくいかずに8位でレースを終えました。

●IA1(450/250)ヒート2
成田はスタートでやや出遅れながらも、積極的にポジションを上げ、1周目を5番手でクリア。2周目に池谷優太(スズキ)が転倒したことで4番手となると、3番手の新井に迫りました。一方で小方は、再びスタートに失敗し、2周目を10番手。トップグループは、熱田孝高(スズキ)を先頭に三原、新井、成田で形成されました。

3周目に新井を抜いた成田は、次周には三原と熱田を次々にパスしてトップに浮上。トップグループは、田中教世(ヤマハ)と平田が加わり6台となりました。レースが中盤に入ると、田中が転倒してこの集団から脱落。成田の後方には平田が浮上し、10周目には接近戦となりました。

そして11周目、成田は平田にトップの座を譲って2番手に後退。その後、平田の独走を許してしまいました。レース終盤、成田の後方には新井が迫りましたが、成田は最後までポジションを死守して平田に次ぐ2位でフィニッシュ。8位に終わった小方のゴールを待つことなく、Hondaライダーとして3年連続となる、自身10度目のシリーズタイトルの獲得を決めました。

●IA2(250/125)ヒート1
Team HRCの富田俊樹と田中雅己はともに好スタートを決め、富田がトップ、田中が2番手で1周目をクリア。さらに小川孝平(Team ITOMO)が続き、Honda勢が上位を占めました。2周目、田中は小川と勝谷武史(カワサキ)に抜かれて4番手に後退。4周目には小川も勝谷に抜かれ、この段階で上位4台は約2秒ずつの差がある縦に長い集団を形成しました。

ここから、富田と勝谷が後続を引き離す展開に。6周目、富田は勝谷に抜かれて2番手に後退し、同じ周に田中と小川はポジションを入れ替えました。後半、富田は勝谷との差を最小限に保ちながら周回。しかし、視認できる位置にいる勝谷との距離は縮まりませんでした。そしてレースは19周で終了。勝谷に次いで富田が2位、中盤に小川を振りきった田中が3位、小川が5位に入賞しました。

●IA2(250/125)ヒート2
富田は、1周目を3番手の好位置でクリア。しかし田中はスタートで出遅れて、10番手からの追い上げを強いられました。レース序盤、トップ争いを演じる勝谷と能塚智寛(カワサキ)を、富田が冷静に追走すると、4周目にまず能塚を抜いて2番手に浮上。5周目からは、勝谷の背後に迫りました。またこの段階で、田中は7番手まで順位を上げました。

レース中盤、富田はミスにより一度は勝谷に引き離されかけましたが、その後にリカバーして再び勝谷のすぐ背後に。そして13周目、ついにパッシングに成功しました。すると次周から、富田は一気にスパート。最後は勝谷を大きく引き離して、このコースで初めてとなるトップチェッカーを受けました。田中は、ヘルメットバイザーが破損した影響もあり、7位となりました。

■コメント
成田亮(IA1・2位/2位)
「チャンピオン争いは意識せず、いつも通りに勝利を目指すつもりで挑んだ大会でしたが、前の週にラトビアで行われたモトクロス・オブ・ネイションズに参加したことから、疲れと時差ボケが解消しきれず、それが不安要素でした。苦手意識のあるコースなので、気持ちで負けないようにいいイメージ作りを続けてきました。さらに、今回はコースに大量の土が入って路面状況が変わったことから、自分に有利だとも感じていました。それでも勝てなかったのは、単純に今回は、平田選手のほうが速かったということ。悔しい気持ちも少しありますが、とにかく今は、再びシリーズタイトルが獲得できたことでほっとしています。最終戦は、来年に向けて平田選手を調子づかせないよう、きっちり前でゴールします」

小方誠(IA1・8位/8位)
「両ヒートともスタートで大きく出遅れてしまい、これが最後まで響くレースとなってしまいました。いつものコンディションとは異なり、土が大量に入ったことから深いワダチが多く、ベストラインを外して前のライダーをパッシングするのが、非常に難しい状況でした。その中で必死に追い上げを試みているうちに、自分のリズムを乱してしまい、結果的にはまるでいいところがない走りとなってしまいました。事前テストでは好調だったのですが、自分のポテンシャルをまるで発揮できないうちにレースが終わってしまい、悔しい気持ちでいっぱいです。最終戦が行われるスポーツランドSUGOは、乗り慣れているコースですので、とにかくこれまでやってきたことをすべて出しきって走ります」

富田俊樹(IA2・2位/優勝)
「ようやく、この苦手なコースで勝利できました。ヒート1は正直なところ、レース中盤にタレてしまい、思うように走れずにいました。それでも、後半になってペースが上がったこともあり、気持ちさえ強く保てばなんとかなるような感覚もありました。そして迎えたヒート2は、勝谷選手の先行を許してしまい、序盤はとにかくついていくのに必死でした。中盤くらいから次第に差が詰まってきたので、前戦と同じようにラスト10分くらいで抜いて逃げきれたらと思っていたら、その通りの展開になりました。勝谷選手のマシンにトラブルがあったようですが、序盤に追走できたことが呼び込んだ勝利だと思います。最終戦にはとにかく2つ勝って、それでチャンピオンになれなければ仕方がない、という気持ちで臨みます」

田中雅己(IA2・3位/7位)
「ここは得意なコースという意識もあり、どん欲に勝利を狙っていきました。ヒート1はホールショットが奪えたのですが、いつもの中国大会とは異なるワダチが多いコンディションにやや戸惑い、速いラインが見つからず、結果的に序盤のペースが上がりませんでした。出遅れが最後まで響いて勝利には届きませんでしたが、中盤以降はペースがよく、ヒート2に向けて手応えを得て臨みました。ところが、ヒート2ではスタートで出遅れてしまい、雨対策としてヘルメットに施していた透明なロングバイザーが飛び石によって壊れ、視界をふさいでしまいました。ネジで留めてあったためにどうすることもできず、追い上げができませんでした。最終戦では、ここまでのうっぷんを晴らす走りで、勝利を目指します」

芹沢直樹|Team HRC監督代理
「IA1では、成田が再びシリーズタイトルを獲得しました。ヒート2は、プレッシャーが大きい中で、優勝こそ逃しましたが、しっかり結果を出してくれました。チャンピオンというのはチームにとっても最大の目標なので、感謝しています。小方は、どうしてこのような結果になるのか、原因の特定が難しいのですが、最終戦に向けて解明を進め、ベストな走りができるようにチームとしても全力でサポートします。IA2では、勝谷選手が得意とするコースで、富田がヒート2の勝利をもぎ取りました。同じコースで行われた第3戦では、圧倒的な力の差を見せつけられましたが、本人の努力によりここまで差を詰めたことをうれしく思います。田中は、ヒート1で表彰台に上がれたことから、ヒート2での優勝も期待しましたが、スタートで出遅れてしまったのが残念です。最終戦には、外国人ライダーがIA1に参加するという話も聞いています。そういうときの成田選手は、異次元の集中力と速さをみせます。いいレースを期待してください」

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