[HONDA]MotoGP Rd.12 決勝 マルケスが今季11勝目を挙げる

8月31日(日)に開催された第12戦イギリスGP決勝は、レースウイークで初めて、青空が広がるコンディションとなりました。気温は18℃とそれほど高くはありませんでしたが、路面温度は前日の予選より7℃高い、29℃まで上昇しました。そのため、コンディションとしてはよくなったものの、前日までとは多少マシンのフィーリングが変わる難しいレースとなりました。

今季10度目のポールポジション(PP)からスタートを切ったマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、オープニングラップでは2番手に。それでも、次第にペースを上げて、トップを走るホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)との差を縮めていきます。14周目にトップに浮上し、その後、抜き返されますが、18周目に再びトップに立つと、そのまま20周のレースで真っ先にチェッカーを受けました。

前戦チェコGPでは4位と、悔しいレースになったマルケス。しかし、今大会はフリー走行、予選、ウォームアップのすべてのセッションでライバルを圧倒する完ぺきな3日間となり、難しいコンディションとなった決勝でも、追いすがるロレンソを振りきる快走をみせ、優勝に輝きました。

マルケスはこれで、シーズン11勝目を達成。史上2番目のシーズン勝利記録であり、ジャコモ・アゴスチーニ、現在もヤマハで活躍するバレンティーノ・ロッシ(Hondaとヤマハで達成)に並びました。次の第13戦サンマリノGPでは、ミック・ドゥーハンがHondaマシンで樹立した、シーズン12勝というシーズン最多記録に挑みます。

前戦チェコGPで、今季初優勝を果たしたダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、オープニングラップで予選5番手から6番手にポジションを落としました。しかし、2周目にアレックス・エスパルガロ(FORWARD YAMAHA)をパスして5番手に。そこからさらにペースを上げて、3番手争いを繰り広げる、ロッシとアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)のグループに追いつきました。
レース中盤には、3番手争いのグループでトップに立ちますが、終盤にロッシに抜かれて4位になり、惜しくも表彰台を逃しました。しかし、ポイントランキング2位の座はキープしており、総合でRepsol Honda Teamの1-2となっています。

予選9番手から決勝に挑んだステファン・ブラドル(LCR Honda MotoGP)は、序盤のミスで13番手までポジションダウン。しかし、そこから着実に追い上げて7位でフィニッシュしました。今大会はポル・エスパルガロ(ヤマハ)、ブラッドリー・スミス(ヤマハ)、アンドレア・イアンノーネ(ドゥカティ)、アルバロ・バウティスタ(GO&Fun・Honda Gresini)とのし烈な6番手争いを繰り広げました。

終盤にかけて追い上げをみせたブラドルですが、グループのトップを走っていたポル・エスパルガロには届かず、7位でチェッカーを受けました。このグループで走行していたバウティスタは、8番手で迎えたラスト2周で、転倒リタイアに終わりました。

ホームグランプリに闘志を燃やしていたスコット・レディング(GO & FUN Honda Gresini)は、10位でフィニッシュしました。序盤は、フルタンク時のマシンをコントロールするのに苦戦しましたが、中盤以降はリズムある走りを披露。イギリス人ライダーの最上位である10位となり、地元ファンから大きな声援を受けました。

そのほか、予選14番手のカレル・アブラハム(Cardion AB Motoracing)は13位、予選16番手の青山博一(Drive M7 Aspar)は14位でフィニッシュし、それぞれポイントを獲得。ニッキー・ヘイデン(Drive M7 Aspar)の代役で出場のレオン・キャミアは16位でした。

Moto2クラスは、総合首位のエステベ・ラバト(Marc VDS Racing Team)とチームメートのミカ・カリオがし烈なトップ争いを展開。ラストラップで先頭に立ったラバトが、2戦連続、今季6勝目を挙げました。

予選4番手から決勝に挑んだラバトは、タンクがフル状態の序盤はなかなかペースを上げられずにいました。しかし、燃料が少なくなるにつれてペースを上げ、マーベリック・ビニャーレス(Paginas Amarillas HP 40)やヨハン・ザルコ(AirAsia Caterham)、ジョナス・フォルガー(AGR Team)らと形成していた第2グループから抜け出し、トップを走るカリオを猛追。終盤にカリオを捕らえると、サイド・バイ・サイドのバトルに持ち込み、最終ラップで逆転。トップでチェッカーを受けました。

2位にはカリオが入りました。第10戦インディアナポリスGPで4勝目を上げたときは、ポイントランキングでラバトに7点差まで迫りましたが、2戦連続でラバトの後塵を拝する2位に終わったことで、その差は17点に開きました。しかし、大差とまではいかないので、シーズン終盤戦の2人のチャンピオン争いが、ますますヒートアップすることは必至です。3位はビニャーレスで、今季5度目の表彰を獲得。総合3位をキープしました。12番手から決勝に挑んだ中上貴晶(IDEMITSU Honda Team Asia)は、ペースが上がらず15位でフィニッシュしました。

Moto3クラスは、今季3度目のPPから決勝に挑んだアレックス・リンス(Estrella Galicia 0,0)が、今季初優勝を挙げました。

今大会は、レース中盤までトップグループが15台前後に膨れ上がる大接戦となりました。その中から、リンス、アレックス・マルケス(Estrella Galicia 0,0)、エネア・バスティアニーニ(KTM)、ミゲル・オリベイラ(マヒンドラ)の4台が抜け出し、最終ラップまでし烈な戦いを繰り広げました。リンスは今回の優勝で、総合5位から3位に浮上しました。

予選3番手から決勝に挑んだ総合2位のアレックス・マルケスは、優勝争いには加わったものの、惜しくも2位でした。それでもチャンピオン争いに目を移すと、総合1位のジャック・ミラー(KTM)が6位に終わったことで、その差を13点に縮めました。以下、アレックス・マスボー(Ongetta-Rivacold)は8位フィニッシュ、総合3位のエフレン・バスケス(SaxoPrint-RTG)は転倒リタイアに終わり、総合4位へとランクを一つ落としました。

■コメント
マルク・マルケス(MotoGP 優勝)
「優勝できてとてもうれしいです。路面コンディションが昨日までと変わったことで、今日のレースは、ちょっと状況が変化しました。気温が上がった今日のレースにおいて、ホルヘ(ロレンソ)とバレンティーノ(ロッシ)の前でフィニッシュできました。ホルヘと最後まですばらしいペースで戦えました。オートモトドラム・ブルノ・サーキットではいいレースができなかったので、今日のレースで優勝することがとても重要でした。昨年のレースは最終コーナーでホルヘに抜かれましたが、今日はトップでフィニッシュできてとてもうれしいです」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 4位)
「厳しいレースでした。スタートがよくなくて、オープニングラップでトップグループに離されてしまいました。しかし、それからはトップグループと同じペースで走ることができましたし、バレンティーノやアンドレア(ドヴィツィオーゾ)とのバトルを経て、4位でフィニッシュしました。今週は最高の週末とはなりませんでしたが、次のレースでは、再びトップを目指したいです」

ステファン・ブラドル(MotoGP 7位)
「今日は3列目からのレースで、スタートもよかったのですが、序盤にミスをしてポジションを13番手まで落としてしまいました。それを思えば、7位でフィニッシュできましたし、それほど悪い結果ではありません。今日は、序盤の後れを取り戻し、前のグループに追いつくために全力で走りました。その後、前を走る(ブラッドリー)スミスがマシンにトラブルを抱えてスローダウンしたために行き場を失い、再びペースを回復するのが大変でした。しかし、(アルバロ)バウティスタを抜き、(アンドレア)イアンノーネをかわし、7位でフィニッシュできました。今大会はリアのグリップに苦しみました。次戦は改善したいです」

スコット・レディング(MotoGP 10位)
「今日はフルタンクのときにうまく走れませんでした。ブレーキングもコーナリングも決まらず、それでも10位でフィニッシュできたので、とてもハッピーです。今日は、序盤にペースが上がらなかったことで、前のグループに差をつけられましたが、カル・クラッチロー(ドゥカティ)とほかのRCV1000R勢相手にはリードを築けました。終盤はいいリズムで走れましたし、(ヨニー)ヘルナンデス(ドゥカティ)がパスしました。イギリス人のトップでフィニッシュできたことも、とてもうれしいです」

カレル・アブラハム(MotoGP 13位)
「それほど悪いレースではありませんでした。しかし、序盤の3ラップをもう少しうまく走れていれば、もっといいレースができたと思います。今日は、クラッチローやスコット・レディングとほぼ同じタイムで走れました。しかし、序盤の差を縮められませんでした。それは自分の後ろのグループにとっても同じで、大きなギャップを築くことができました。今日は大きなリスクを冒すことなく、レースを戦うことができました」

青山博一(MotoGP 14位)
「金曜日と土曜日に比べて、今日は路面温度が上がり、想定していたタイムで走れませんでした。フルタンクのときに、ブレーキでマシンをしっかり止められず、何度もオーバーランしてポジションを下げたことも影響しました。燃料が軽くなってきてからはリズムを取り戻しましたが、タイヤが思うようにグリップせず、立ち上がりでタイムをロスしていました。自分としては、2分04秒台で周回したかったのですが、それがかなったのは数えるほどでしたので、残念でした。シルバーストーンは、シーズンを通して苦手なコースです。今日は内容もポジションも悪かったので、次のレースではしっかり巻き返したいです」

レオン・キャミア(MotoGP 16位)
「今日はもう少しいけたと思いますし、納得のいかないレースでした。スタートして数周は、ブレーキのフィーリングがおかしく、思うようにマシンを止められませんでした。マシンの状態は金曜日からほとんど変わっておらず、決勝ではブレーキのフィーリングがおかしかったことを除けば、何人かのライダーをパスでき、成果のあるレースでした。ただ、リアタイヤのスライドが激しかったため、厳しいレースでした。MotoGPマシンに慣れるには、まだまだ時間が必要だと感じました」

アルバロ・バウティスタ(MotoGP リタイア)
「ウォームアップでいくつか変更を加えたことで、これまでに比べて快適に走ることができました。リズムもよかったですし、攻めの走りができました。そのためポジションをわずかに上げることができましたし、7番手争いの集団に加われました。しかし、ラスト2周でフロントのグリップを失って転倒してしまいました。前を走るポル・エスパルガロには届かないと思っていましたし、無理はしていませんでした。今大会は完走しようと思っていたので、本当に残念でした。苦しいレースが続いており、楽しいレースができないでいます。しかし、ケガをしなかったのはよかったです。引き続き、マシンをよくして戦いたいです」

エステベ・ラバト(Moto2 優勝)
「スタートはそれほど悪くなかったのですが、フルタンクの状態では、なかなかプッシュできませんでした。(ジョナス)フォルガーと(マーベリック)ビニャーレス、そして(ヨハン)ザルコとバトルをして、最終的にミカに追いつき、ラストラップでパスできました。今日は自分よりもいい状態で走る選手が多かったですし、そういう状況の中で優勝できて、とてもうれしいです。今日はリスクのある走りでしたが、最終的にいいリザルトを手にすることができました。今日の勝利は、本当に特別な優勝でした」

ミカ・カリオ(Moto2 2位)
「今日は予想通りのコンディションと展開になりました。シルバーストーンで逃げるのが、とても難しいというのは分かっていましたが、序盤からプッシュして逃げることにしました。レース中盤には、後続に1.5秒のリードを築きましたが、ティト(ラバト)が、終盤に速いのは分かっていました。実際、ティトが間隔を縮めてきたので、さらにプッシュして逃げようとしました。しかし、ペースを上げられず、スリップにつかれてからはあっという間にアドバンテージがなくなりました。そこからは厳しい戦いになり、本当に残念です。シーズンはまだ長いです。今日の結果により、ポイント差は今までよりも開きましたが、心配はしていません。それでも、今後のティトとの戦いは、もっと積極的にならなければと感じました」

マーベリック・ビニャーレス(Moto2 3位)
「今日は前を走っていた2人よりもスムーズに走れていましたし、優勝できると思いました。しかし、彼らの前には出られませんでした。こういうことはときどきあります。これがレースです。仕方がありません」

中上貴晶(Moto2 15位)
「今週は、ウイークを通してフロントのフィーリングがよくなったのですが、立ち上がりでリアのトラクションが不足しており、スピニングとムービングの症状が出て、タイムをロスしてしまいました。単独で走っていれば、自分のライン取りでもっとスムーズに走れたと思うのですが、集団の中に入ってしまったので、立ち上がりで後れ、ブレーキングで追いつくというパターンでした。非常に厳しいレースでしたし、悔しい一日でした」

アレックス・リンス(Moto3 優勝)
「優勝できてとてもうれしいです。今日はすべてがうまくいきましたし、特にコース終盤の3つのコーナーはパーフェクトでした。4人で優勝を争い、戦略が難しかったのですが、その戦いを制することができました。今日はアレックス(マルケス)と、何人かのグループで、最初からプッシュすることになると思っていました。しかし、(ニッコロ)アントネッリ(KTM)と(エネア)バスティアニーニが、それを難しくしてしまいました。それでも、今日は本当に楽しいレースでした。この勝利は、間違いなく、チームワークとHondaのサポートのおかげです」

アレックス・マルケス(Moto3 2位)
「今日はとてもいいレースができましたし、今日の結果には満足しています。今日のレースは、優勝を目標に、ハイペースで逃げて、グループを小さくしようと考えていました。しかし、スリップストリームの使い合いとなり、逃げるのがとても難しいレースになりました。終盤は4台による優勝争いになり、最終ラップの最終コーナーまで優勝を狙っていました。しかし、少しだけ攻めの気持ちが足りませんでした。それでも、チャンピオンシップではリーダーとの差を13ポイントに縮めることができ、よかったと思います」

アレックス・マスボー(Moto3 8位)
「最悪のレースでした。今大会はレースウイークを通じてリアのグリップの問題を解決できませんでした。その中でも1カ所、特に遅い場所があり、そこで必ずポジションを落としました。それを取り戻そうと全力でトライしました。今回は8位になり、ポイントを獲得できてよかったです」

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