[HONDA]MotoGP Rd.12 イギリスGP プレビュー

第12戦イギリスGPが、8月29日(金)から31日(日)までの3日間、ノーザンプトン郊外のシルバーストーンで開催されます。後半戦のスタートとなった第10戦インディアナポリスGPと、第11戦チェコGPの2連戦から1週間のインターバル。束の間の休養を取った選手たちが、再び、戦いに挑みます。

イギリスGPは、ロードレース世界選手権(WGP)がスタートした1949年に、マン島で始まりました。76年までは「Tourist Trophy」として、マン島の公道コースで開催されました。その後、77年から86年まではシルバーストーンで、87年から2009年まではドニントンパークで行われました。そして、シルバーストーンのコースが大幅に改修された10年には、再び、その場所がWGPの舞台となり、今年で5年目の開催です。

10年に改修されたシルバーストーンは、一周5.900km。イタリアGPの行われるムジェロ、オーストラリアGPの舞台であるフィリップアイランドと並ぶ、指折りの高速サーキットです。昨年ポールポジション(PP)を獲得したマルク・マルケス(Repsol Honda Team)のベストタイムは2分00秒691で、アベレージスピードは175.9km。今年は2分を切るベストラップが期待されます。

シーズン2連覇に向けて着実に前進しているマルケスは、第11戦チェコGPを終えて、10勝と1度の4位で総合首位。昨年のイギリスGPでは、PPを獲得したものの、決勝日の朝のウォームアップで転倒。左肩を脱きゅうするなど、万全の体調で決勝に臨めず、2位で終えました。今年は万全の体調で予選、決勝をこなし、今季11勝目に挑みます。マルケスはこれまで、シルバーストーンでは10年に125ccで優勝。Moto2時代は雨の影響などで、3位が最高位です。今年は最高峰クラスで自身初となる、イギリスGPでの勝利を目指します。

前戦チェコGPで今季初優勝。昨年のマレーシアGP以来、14戦ぶりの優勝を果たして上り調子のダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が、チェコGPからの2連勝に挑みます。今年は、11戦を終えて1勝を含む8度の表彰台に立ち、総合2位。総合3位のバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)とは13点差と接近しているだけに、今大会ではさらにリードを築く意気込みです。ペドロサのシルバーストーンでの成績は、12年、13年と連続で3位。まだ優勝がないだけに、初のシルバーストーン制覇に挑みます。

好調な走りを続けるRepsol Honda Teamの両選手。マルケスとペドロサで、開幕11連勝を達成しました。今大会は、今季4度目となるRepsol Honda Teamの1-2フィニッシュが期待されます。

総合9位のステファン・ブラドル(LCR Honda MotoGP)は、得意とするシルバーストーンに自信をのぞかせています。Moto2時代の11年には、優勝を経験しているサーキットです。昨年の大会では、コーナリングスピードを生かせず、悔しいレースとなりましたが、それでも6位でフィニッシュしました。今年はトップ5入りを狙い、全力を尽くします。

総合11位と苦戦が続くアルバロ・バウティスタ(GO & FUN Honda Gresini)は、得意とするシルバーストーンからの復活に気合を入れています。おととしの大会ではPPを獲得。昨年は予選8番手も、フリー走行では常にトップ5に入る好走をみせました。前戦チェコGPのあとの合同テストで、サスペンションのセットアップが決まり上り調子。テストの成果をイギリスGPで生かす意気込みです。

Hondaの市販レーシングマシン「RCV1000R」勢では、シーズン中盤戦に入って好調な走りをみせる総合12位のスコット・レディング(GO & FUN Honda Gresini)が、ホームグランプリに闘志を燃やしています。後半戦のスタートとなった第10戦インディアナポリスGPでは、オープンクラストップの9位でフィニッシュ。チェコGPでは、RCV1000勢トップの11位でチェッカーを受けました。イギリスGPでは、2008年に125ccで優勝。昨年はMoto2クラスで優勝と、地元ファンの期待に応えてきました。最高峰クラスにステップアップして初のイギリスGPを迎える今年も、地元ファンの期待に応えるつもりです。

総合13位の青山博一(Drive M7 Aspar)、総合17位のカレル・アブラハム(Cardion AB Motoracing)にとって、今大会は自己ベストを目指す戦い。ニッキー・ヘイデン(Drive M7 Aspar)の代役として出場3戦目のレオン・キャミアにとっても、レディングと同じくホームグランプリ。気合を入れています。

し烈な戦いが続くMoto2クラスは、前戦チェコGPで今季5勝目を挙げた総合首位のエステベ・ラバト(Marc VDS Racing Team)と、12点差で総合2位につけるミカ・カリオ(Marc VDS Racing Team)の、チームメート同士の戦いに大きな注目が集まっています。シーズンが中盤戦に入ってからは、この2人が優勝争いを演じることが多く、前戦チェコGPでは、ラバトとカリオが1-2フィニッシュ。今大会も、この2人の戦いに注目が集まっています。一方、総合3位のマーベリック・ビニャーレス(Paginas Amarillas HP 40)は、シルバーストーンを得意としているだけに、今季2勝目に気合を入れています。

昨年のイギリスGPで2位表彰台を獲得した中上貴晶(IDEMITSU Honda Team Asia)は、今季初の表彰台に気合満点。長島哲太(Teluru Team JiR Webike)は、今季初のポイント獲得に闘志を燃やしています。

Moto3クラスは、チャンピオン争いがし烈になってきました。総合首位のジャック・ミラー(KTM)が169点。総合2位のアレックス・マルケス(Estrella Galicia 0,0)が146点。以下、エフレン・バスケス(SaxoPrint-RTG)が145点。ロマノ・フェナティ(KTM)が135点。アレックス・リンス(Estrella Galicia 0,0)が125点。前戦チェコGPで初優勝を果たしたアレックス・マスボー(Ongetta-Rivacold)が117点と、Honda勢とKTM勢が激戦を続けています。高速サーキットのシルバーストーン。前戦チェコGP同様、大集団による優勝争いとなり、今季最も厳しい戦いになることが予想されます。

■コメント
マルク・マルケス(MotoGP 総合1位)
「前戦チェコGPはとても難しいレースでした。しかし、最も重要なことは、そうした状況の中でも、ポイントをしっかりと獲得できたということです。前戦チェコGPまでは、優勝というみんなの期待の中で戦ってきました。しかし、今はそうしたプレッシャーから解放されました。今、自分にとって一番大事なのは、チャンピオンシップをきっちりと戦うことであり、すべてのレースで優勝することではありません。相変わらず忙しいスケジュールですが、チェコGPのあとにはテストができましたし、いくらか休めました。昨年の大会では、ウォームアップで転倒し、肩を脱きゅうしたことが決勝レースに影響しました。今年は、100%の状態でレースを戦えることを望んでいます」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 総合2位)
「ブルノで優勝することができ、レース後のテストもポジティブでしたので、とてもいい気分で今大会を迎えられます。前回、前々回と2週連続のレースとなり、とても厳しいスケジュールでした。しかし、チェコGPのあとの1週間は、とてもいい休養が取れて、充電もできました。昨年のイギリスGPは、マルクとホルヘ(ロレンソ)の優勝争いに加われなかったので、今年は絶対に、彼らの優勝争いに加わりたいです。シルバーストーンはハイスピードでの切り返しが多く、スローコーナーもあるので、いいセットアップとバランスが重要になります。イギリスはいつも天候が不安定なので、それにも注意していかなければなりません」

ステファン・ブラドル(MotoGP 総合9位)
「シルバーストーンは、すばらしいサーキットですが、天候があまりにも不安定なのが課題です。今年は、ウエットかドライか、はっきりしたコンディションでレースウイークを過ごせることを願っています。シルバーストーンは高速コースですが、ハードブレーキングのポイントはそれほど多くありません。MotoGPで初めて走ったおととしは8位。昨年は6位でした。RC213Vとシルバーストーンの相性はいいと思いますし、チェコGPを終えたあとのテストでいいパッケージを作ることができましたので、トップグループにチャレンジできることを期待しています。決して簡単ではありませんが、全力で挑みます」

アルバロ・バウティスタ(MotoGP 総合11位)
「シルバーストーンは長くて大きなサーキットです。これまで、常にいいリザルトを残してきました。おととしはポールポジションを獲得しました。昨年は5位でフィニッシュできました。ここ数戦は、リアのトラクション不足に苦しんでいますが、チェコGP後のテストでトライしたサスペンションのセットアップで、いい状態に戻せると思いますし、いいリザルトが残せると確信しています」

スコット・レディング(MotoGP 総合12位)
「ホームグランプリは特別なレースです。125ccクラスのときも、そしてMoto2クラスのときも、家族や地元ファンの前で走るホームグランプリはとても重要で、興奮しました。2008年には初めて優勝することができ、すばらしい気分でした。そして昨年もMoto2で優勝することができました。ユニオンジャックカラーのマシンで優勝できたことはいい思い出です。みんなが声援を送ってくれたし、大きな拍手を送ってくれました。本当に信じられないようなすばらしい経験でした。今年は、MotoGPクラスで初めて経験するホームグランプリです。ワークスマシンと戦うのは厳しいサーキットですが、いつものように全力で挑みます。開幕が待ちきれません」

青山博一(MotoGP 総合13位)
「イギリスはオートバイレースの盛んな国なので、シルバーストーンはいつも特別なグランプリになります。ファンはレースのことをよく知っています。シルバーストーンはロングコースなので攻略するのがとても難しいです。天候も不安定なので、本当にどうなるか予測がつきません。しかし、前回のチェコGPでは、レース後のテストでいいセットアップを見つけられましたので、それを試すのがとても楽しみです。チェコのテストで得たセットアップがよければ、そして初日からいい走りができるようならば、トップ10フィニッシュができると思います。シルバーストーンはハイスピードでの切り返しがあり、それが一つのキーポイントになります。決勝レースで最高の結果を残せるようにがんばります」

カレル・アブラハム(MotoGP 総合17位)
「シルバーストーンの長いストレートと最高速は本当にすばらしいです。2011年の大会では7位でフィニッシュしていますし、自分にとって最高のレースの一つです。しかし、12年は大会前のアラゴンでのテストでケガをして、昨年は肩の手術のため欠場しています。今年はRCV1000R勢のトップでフィニッシュできるよう、全力で挑みます」

レオン・キャミア(MotoGP 総合25位)
「前戦チェコGPでは、自分でも驚くほど大きなステップを刻み、ポイントを獲得できました。今週も同じように着実にセットアップを進めて、いい結果を残したいです。シルバーストーンは知り尽くしています。それが自分にとってどれだけのアドバンテージになるかは分わかりませんが、コースを知っている分、追い風になると思います。MotoGPで、地元ファンの前でレースをするという夢が実現します。MotoGPクラスで最高のリザルトを残す選手たちとのギャップを、少しでも縮めるために全力で挑みます。チェコのテストは今回のレースに向けてとても重要でした。さらにペースを改善していけるようにがんばります」

エステベ・ラバト(Moto2 総合1位)
「シルバーストーンは特別なサーキットです。パワーが必要になりますし、高速での切り返しも要求されます。雨が多く風が強く、天候が変わりやすいサーキットなので、気をつけなければなりません。しかも、サーキットの敷地が広いので、どういうコンディションになるのか分からないですし、予測がとても難しいです。しかし、前戦チェコGPで優勝することができたことで、とても気持ちよくイギリスGPを迎えることができます。今大会もベストを尽くします」

ミカ・カリオ(Moto2 総合2位)
「シルバーストーンは好きなサーキットです。インディアナポリスと同じようなコースです。今年はインディアナポリスで優勝することができたので、今回もいいレースができることを期待しています。ここまで、マシンがよく、チームは全力を尽くしてくれています。インディアナポリスGP、チェコGpの2連戦で、とてもいい戦いができましたし、今大会も同じように戦いたいです。プレッシャーは感じません。金曜日のフリー走行からいい状態で走れるようにがんばります」

マーベリック・ビニャーレス(Moto2 総合3位)
「これまでシルバーストーンでは、3大会に出場し、そのすべてでポールポジションを獲得してきた好きなサーキットです。2012年には優勝をしました。昨年は4台によるし烈な優勝争いの中、わずかの差で4位でした。Moto2クラスでは初めてのレースになりますが、Moto3クラスでみせたようなレースができることを願っています」

中上貴晶(Moto2 総合23位)
「厳しいレースが続いています。昨年優勝争いをしたインディアナポリスGPで11位。チェコGPでは19位と、不本意な結果に終わりました。最大の問題はフロントのフィーリングで、思うように攻められません。この問題を解決しなければ前に進めないので、今大会も、この問題の解消に取り組みたいです。昨年は、(スコット)レディングと最終ラップまでバトルをしたことで思い出深いです。今年もいいレースができるようにがんばります」

長島哲太(Moto2 ノーポイント)
「後半戦も3戦目。シーズンは早くも12戦目を迎えます。今年はレースをこなすごとにトップグループとのギャップを縮めてきました。しかしブルノでは、その差がまた開いたように感じたので、再び縮めなくてはいけません。ブルノの決勝は、不運にも接触により終わりました。今大会は運も味方につけてがんばろうと思います。シルバーストーンは、ビデオを見た印象では、コース幅が広くて路面のギャップが結構ありそうです。ライン取りがとても重要になりそうなので、初日からしっかりコースを攻略したいです」

アレックス・マルケス(Moto3 総合2位)
「昨年の大会では3位になれましたし、とてもいい走りができました。高速コーナーと高速シケインが多く、我々にはとても合っているコースだと思います。前戦チェコGPでは、わずかにタイムをロスして数ポイントを失いました。今大会は、すべてのセッションに全力で取り組み、最高の状態に仕上げたいです。ブルノのような失敗をしないように最終ラップの厳しい接戦を戦わなくてはいけません。ブルノのようにポイントリーダーの前でフィニッシュしなければなりません」

エフレン・バスケス(Moto3 総合3位)
「ブルノでのチェコGPは厳しいレースになりましたが、シルバーストーンでは、インディアナポリスGPのようなバトルをして優勝したいです。シルバーストンは大好きなサーキットですが、昨年は10位でした。今年はいいレースができると確信しています。Moto3クラスはすごく接戦になっていますし、シルバーストーンでは我々にアドバンテージがあるのではないか、と言う人もいますが、これまで通り、Honda勢はもちろんのこと、KTM勢との厳しい戦いが待ち受けていると思います」

アレックス・リンス(Moto3 総合5位)
「2連戦のあと、1週間レースから離れたことは、シルバーストーンに向けてとてもいい時間になりました。シルバーストーンは高速コースですが、天候が不安定なので、コンディションに合わせてしっかりセットアップしなければなりません。シルバーストーンは、いくつかのスローコーナーがありますが、それでもほかのサーキットに比べればスピードが速く、自分たちにとってはいいレイアウトだと思います。昨年の大会は2位でした。今年は優勝を目指し、金曜日のフリー走行から集中して、いい状態で決勝を迎えたいです」

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