【試乗レポート】オフロードライダー待望のKTM2015年モデルがいよいよ登場!

年々進化の目覚ましい、KTMのオフロードモデル。モトクロス世界選手権でも輝かしい成績を残し、日本のメーカーを押しのけてシェアを大きく拡大している。特に近年人気が高まってきたエンデューロレースの会場では、多くのユーザーがKTMのモデルを選んでいる。それは毎年進化する幅広いラインナップ、特に軽量でトルクフルなエンデューロ向けの2サイクルモデルを未だにリリースしている数少ないメーカーだからであろう。

7月18日に長野県・爺ヶ岳で2015年モデルの試乗会があり、ウェビックスタッフも参加することができた。いち早くその実力のインプレッションをお伝えする。

今回試乗したのは、エンデューロのEXCシリーズとモトクロスのSXシリーズ。
あいにくの天候となったが、そのハードなコンディションだからこそ、確かめられる性能を感じることができた。場所は、近年盛り上がりを見せているエンデューロレースシリーズのJNCC開催会場ともなる爺ヶ岳スキー場を試乗コース。エンデューロレースに参加する中級から初級者のレベルのライダーが試乗に参加。これからエンデューロを始めよう、次のステップとしてバイクを乗り換えたいというライダーに近い目線でのインプレッションなので、マシン選びの参考として欲しい。

【エンデューロモデル】
2015年のKTMエンデューロラインは、フルモデルチェンジではなく2014年モデルを更に熟成させた仕様となっている。カラーリングの変更だけではない細かな部分での改良は、更にマシンを良くしていこうという「READY TO RACE」の精神を力強く感じた。

外装はプラスチックに直接印刷する「イン・モールド製法」によって、ステッカーの剥がれや、洗車時の破れなどを防止しており、フレームの色も2015年モデルからEXCスタンダードモデル、SIXDAYSモデル両方ともにKTMオレンジカラーとなった。適度なしなり感のあるクロモリ材がメインフレームに採用されており、アルミフレームの車輌とはまた違った乗り味となっている。

リアショックはWP製のPDSショックアブソーバーをリンクレスでマウント。リアタイヤから伝わる感触をダイレクトにライダーに伝え、リンク機構を障害物にヒットすることがない設計となっている。フロントフォークは全車48mmのインナーチューブ径を持つWP製フォークで、高剛性のトリプルクランプにマウントされており、トリプルクランプはEXCスタンダードモデルは鋳造製、SIXDAYSモデルは鍛造削り出しが装着されている。エンジンもキャブレターセッティングや、パワー特性の見直し、各部ガスケットやシール類の改良と、耐久性の向上や、軽量化もあわせて実施されている。

世界では2割ほどだが、日本国内では7割のユーザーが選ぶEXC SIXDAYSモデル。

スタンダードモデルから更にREADY TO RACEを目指し、実践的で機能的なパーツが多く投入されているのが特徴だ。フロントフォークは更に上位モデルのフォークが採用され、マシンのホールド感の高い専用のキャメルシート、エンジンプロテクターやケースガード、フロントディスクガードといったガード類と、リアブレーキペダル破損防止のセーフティーワイヤーなど、そのままエンデューロレースに参加できる仕様だ。そして2015年のSIXDAYSモデルは世界最大のエンデューロレースであるISDE(インターナショナル・シックス・デイズ・エンデューロ)の開催国であるアルゼンチンの国旗カラーをモチーフにしたオリジナルグラフィックを採用している。淡いブルーとオレンジカラーが非常に美しく、今までにないオフロードバイクのカラーを演出している。

▼125EXC SIXDAYSモデル 2サイクル 124.8cc


半乾燥重量で約94kgとKTMのエンデューロモデルとして最軽量の車両となる125EXC。サイズもスマートであり、跨った瞬間からその軽さを感じることができる。シート高は960mmと決して低くはないが、その軽さから安心感があり、女性でも取り回しやすい車両となっている。始動はEXCモデルとしては唯一キックのみの設定だが、エンジンは転倒しても掛かりやすく、軽量な車体を目指した125ccのモデルとしてはデメリットに感じることはない。キャブレターはKeihinのPWK36Sを採用し、ジェッティングパーツに困ることもないはずだ。

走り出してすぐに感じるのは低速での力強いトルク感だ。アイドリング付近でもエンストすることなく進み、開け始めからトルクで前に押し出すようなトラクションを感じることができる。そのまま開け続けるとさすがに低中低速域では、上位モデルほどのパワー感はなかったが、その上の回転数から2サイクルらしいパワーが弾け出てくる。

特に登りのセクションなど、高回転に入れてしまえば十分なパワー感で、グイグイと登っていくことができる。上位モデルと同様の太さを持つ48mmのフロントフォークは剛性感も高く、ラフなブレーキングでも、しっかりと作動してくれる安心感があり、軽量な車体も相まって不安を感じることなくハードな路面に突っ込んでいくことができる。

そして一番軽さが際立つコーナリングは、タイトコーナーでクラッチを切って、立ち上がりで一気につないでいけば、非常に軽快に回ることができる。この軽さと、低速でのトルク感は、ウッズやテクニカルなロックセクション、下りの多いコースなどでは上位のモデルに比べて大きな武器になるはずだ。

2サイクルに乗りなれており、かつ適切にギアを選べるライダー、小柄でとにかく軽い車両が良いというライダーには良い選択肢ではないだろうか。

125EXCはSIXDAYSモデルのみが日本に導入されるが、チャンバーにはカーボンのパイププロテクター、樹脂製のエンジンプロテクターが装備されるなど、即レースに出られるほどの装備が施されたモデルに仕上がっている。とくに足回りの作動性のすばらしさはSIXDAYSモデルの特徴だ。

▼250EXC SIXDAYSモデル 2サイクル 249cc


国内KTMモデルとしては2サイクル最大排気量となる250EXC。軽さとパワーを両立させ、リアタイヤも140とそのパワーをしっかりと受け止める足回りだ。ロングコーナーでアクセルを開けていくと、しっかりと加重を掛けても外へ外へとはじき出されるようなパワー感は、2サイクルならではの吹けあがりだ。

2015年モデルでの改良点も多く、エンジンは排気バルブの特性が更にトルク重視の特性となり、低回転は厚いトルクで、そのまま高回転まで一気にパワーが立ち上がる。バッテリーも更に小型化され、エンジンカバー類のガスケットも密閉性の高いものに見直されている。

250という排気量であるが、とにかく軽くパワフルでアクセルを開けながらクラッチを繋いでいくだけで、フロントが浮き上がる。KTMの全モデルに共通するクロモリフレームはしなやかで、アルミフレームの国産モトクロッサーとは明らかに異なる「しなり感」があるのがわかる。ビギナーライダーにとってフレームがバイクの挙動を適度にいなしてくれることで疲労が少なく感じられるはずだ。

2サイクル250ccのパワーで登りは爽快の一言だが、高回転域でちょっとでもラフなアクセル操作をすれば、リアタイヤが前に出るようなパワーがでてくるので、ラフなアクセル操作は厳禁。

エンジンブレーキはほとんどないので、積極的にリアブレーキでコントロールする必要がある、これぞ2サイクルエンデューロマシンだ。

▼250EXC-F SIXDAYSモデル 4サイクル 248.6cc


4サイクルのEXC-Fシリーズの中で、もっとも軽く、もっとも小さい排気量となる250EXC-F。ケーヒン製のフューエルインジェクションを採用し、低回転から高回転までよどみないパワーを発揮するエンジンに仕上がっているマシンだ。

車体のサイズはコンパクトで自分の股下にタンクがあるようなポジションだ。これはEXCモデル全車に言えることであるが、足つきに関しては決してよいとはいえない。960mmのシート高となるので、一度跨って確かめてみるのが良いかもしれない。

走り始めると路面がマディであっても、するすると前に進むトラクションの良いエンジン特性で、モトクロッサーの250SX-Fとは異なりエンデューロ向きにセッティングされていることが分かる。高回転までしっかりとパワーが続き、唐突なパワーの出方もなく、実に扱いやすい。実は一番初心者向きな車輌は250EXC-Fかも知れないと思うほど懐の広いマシンだ。

古くから250ccのエンデューロモデルというと市販のトレール車を改造したモデルが多く走っていた時代があったが、エンデューロ専用のしっかりした足回りと軽量な車体、パンチがありつつもコントローラブルなエンジンといった確実な進化は、もはや遠回りせずにこのバイクを一番に選んでしまっていいと言えるだろう。きっとバイクと共に上達していけるはずだ。

▼350EXC-F SIXDAYSモデル 4サイクル 349.7cc


250ccで物足りないエキスパートライダーが乗るモデル、、、と理解しがちな350EXC-Fだが、乗ってみた印象は、250よりもトルクが強く非常に乗りやすい。とくに低中速ではクラッチを使うこともなく、アクセルワークだけでぐいぐいと進んでいく。とくに今日のようなマディコンディションにおいて、フロントが取られるようなワダチでも、アクセルさえあいていれば、エンジンが止まることなく進んでくれる。こういった特性は2サイクルでは出せない力強さだ。

250よりもトルクフルで、250よりも楽が出来る・・・それが350EXC-Fの魅力だ。アクセルワークは250よりもシビアになるし、車重も2kgほど重くはあるが、体感ではほとんど差を感じることはない。250ccという排気量に制限やこだわりがなければ、検討すべきバイクだ。

▼500EXC-F SIXDAYSモデル 4サイクル 510.4cc


500ccのビッグシングルと言うと重戦車のようなイメージを想像してしまうが、KTMの500EXC-Fはほとんど250と変わらない車格で大きさを感じさせることはない。ただ緊張を感じさせるのは、フェンダーに書かれた500という文字だけた。

エンジン始動から図太い排気音で他のモデルとは明らかにそのエンジンの持つポテンシャルが異なることを感じさせる。クラッチをつないだ瞬間にアイドリング付近からの分厚いトルクでするすると進んでいき、マディの路面であっても重量としなやかなサスペンションで、ワダチもスムーズにクリアできるのが面白い。他のモデルではない車体の安定感が魅力だ。とはいえコーナリングからの立ち上がりでアクセルを開けていけば一気にリアが流れ出し、ストレートでもフロントが浮き上がるようなパワーは痛快だ。全開にすることは出来なくても、下から出てくるパワーで軽々とバイクが動くので、色々なマシンアクションが出来るのは500ccという排気量ならではだろう。

現在のトレール車両よりも軽量な車体は、ナンバーを取ってツーリングやトレッキングに使うことも十分に可能だ。なんといっても500ccという排気量は、長距離もこなせるし、エンジンを回さなくても軽快に走ってくれることは疲労も感じづらいはず。一番ファンライドに向いているのは500EXCかも知れない!

【モトクロスモデル】
モトクロス世界選手権ではアントニオ=カイローリが駆る350SX-Fが多くのタイトルをもたらし、その優れた設計思想を世に示した。日本の4メーカーと熾烈なタイトル争いを繰り広げているのがKTM SXシリーズだ。試乗コースはあいにくのコンディションで、そのポテンシャルの多くを発揮することはできなかったが、フレームやエンジンの一部にマイナーチェンジを施し、さらなるポテンシャルアップを果たしている。

特に50SXから、65、80とキッズがレースを楽しめる車輌から450SX-Fまで幅広いラインナップを用意し、どんなユーザーにもその門戸は開かれている。

▼125SX 2サイクル 124.8cc


125ccの2サイクル、そしてモトクロッサーといえばひたすらにピーキーな印象があるが、乗り始めた印象は低速のトルクがあり、まるで自分の記憶が古いものだったようだと理解した。

エンデューロモデルの125EXCと比べで、サスペンションは腰があり、リアサスペンションに関してはリンク機構を備えている。ジャンプを考えた設計だ。エンジンも高回転では、EXCよりもパワーが有り、アクセル操作により一層気を使わなくてはいけない。

4サイクルのモトクロッサーは、低回転からも扱いやすいが、この125SXの軽量な車体は、エンジン特性に慣れてしまえば、充分ビギナーでも乗りこなせるはずだ。特に2サイクルのマシンに愛着のあるライダーならば、ピッタリとマッチするはずだ。

今回試乗はできなかったが、SXシリーズにはこのほかに、250SX-F、350SX-F、450SX-Fがラインナップされている。

【スポーツミニサイクル】


▼85SX 2サイクル 84.93cc
キッズやレディースライダーがモトクロスレースで使用するモデルの85SX。70kgを切る軽量ボディと、パンチの効いた2サイクルの心臓を備えており、限られたパワーバンドを駆使することが出来るライダーなら、2スト125や4スト250クラスの車両と同等に駆け抜けることができるパフォーマンスを持っている。最近はエンデューロでも軽量な車体を好むユーザーが、このクラスのマシンに乗っており、大人が乗っても楽しめる素地がある。

ビギナーな筆者は、乗り始めてすぐにそのパワー感に驚いた。マディ路面で足をとられてしまうような場所でも、しっかりと開けていけば、体が追いつかない加速を見せる。SX85の能力を垣間見たと同時に、ジュニア用モトクロッサーを侮ってはいけないことを再認識させられた。これが85クラスの面白さであり、奥深さであろう。

【KTMラインナップ】
http://www.ktm-japan.co.jp/lineup/2015/all

【関連ニュース】
【新車】KTM、エンデューロ専用で開発されたEXCシリーズの2015年モデルを発売
【新車】KTM、モトクロス専用SXシリーズ・MINICYCLEシリーズの2015年モデルを発売

関連記事

編集部おすすめ

  1. パルサーカバーとジェネレーターカバーの2点をラインナップ ヨシムラジャパンは、カワサキZ9…
  2. 第10回!4ミニだらけの恒例イベント 10月27日(土)に、鈴鹿ツインサーキットで「ENJ…
  3. ツーリングプランのコースを無料でナビゲーション ナビタイムジャパンは、2018年8月17日…
  4. 高品質なスプロケットやブレーキディスクでおなじみのサンスターから、Z900RS用の超お得なキ…
ページ上部へ戻る