[HONDA]JMX Rd.5 前戦に続いて両ヒートをTeam HRC勢が制す

全9戦で行われる全日本モトクロス選手権は、シーズン後半に突入。東北地方3連戦の真ん中となる第5戦東北大会が、岩手県の藤沢スポーツランドで開催されました。

小高い山の斜面を縫うようにレイアウトされた、アップダウンが豊富なコースは、サンド質の路面を持ち、周りを緑に囲まれた美しさも特徴。例年7月中旬に全日本選手権が行われることから、猛暑かマディのどちらかになることがほとんどです。

そして、今年は梅雨明けしなかったこともあり、予選が行われた19日(土)、決勝が開催された20日(日)とも、天候は基本的に雨。特に日曜日は、朝から時折り激しい降雨となったことから、前戦に続いてとてもマディなコンディションとなりました。そのため、IA1とIA2のレースは、25分+1周に短縮されて行われました。

●IA1(450/250)ヒート1
ホールショットを奪ったのは、ポイントリーダーとして今大会を迎えたTeam HRCの成田亮。チームメートの小方誠も好スタートを切りましたが、2コーナーで転倒を喫し、最後尾からの追い上げレースとなりました。そして、1周目を成田、熱田孝高(スズキ)、新井宏彰(カワサキ)、星野優位(SEKI Racing MotoRoman&KBF-RS)の順でクリアしました。

レース序盤、星野は新井を抜いて3番手に浮上すると、前を走る熱田をマーク。一方でトップの成田は、熱田と4〜5秒の差を保ちながら周回を続けました。また、小方は怒とうの追い上げにより、2周目には11番手、3周目には7番手まで順位を回復しました。

レース中盤になっても、成田は熱田との差をキープ。7周目には、2番手争いで星野が熱田を抜いて前に出ましたが、その直後に転倒して後退。熱田もこの周に遅れ、成田が一気にアドバンテージを拡大しました。そして、レースは11周で終了。成田が今季6勝目を挙げました。また、星野は4位、小方は6位に入賞しました。

●IA1(450/250)ヒート2
小方がホールショット。成田は、スタート直後にフロントタイヤを浮かせてしまうミスにより、大きく出遅れました。それでも、成田は混戦の1周目にライバルを次々とパスして4番手まで浮上。一方の小方は熱田の逆転を許し、熱田、小方、平田優(ヤマハ)、成田、深谷広一(TEAM MOTO SPORTS FUKAYA×TEAM CRF)の順で、1周目をクリアしました。

2周目、小方は熱田を抜いてトップに返り咲くと、3周目に熱田がミスしたこともあり、早くも20秒ほどのリードを得ました。一方の成田は、3周目に平田が転倒している間にポジションを1つ上げ、2番手の熱田に接近。しかし、その後10秒以上の先行を許しました。

レース後半、小方は大量リードをキープ。成田はペースアップを果たし、残り3周となった8周目にファステストラップを叩き出すと、2番手の熱田に急接近し、逆転に成功しました。そして、小方が今季3度目となるトップチェッカーを受け、成田が2位でゴール。Team HRCが1-2フィニッシュを飾りました。また、深谷は6位入賞を果たしました。

●IA2(250/125)ヒート1
Team HRCの富田俊樹がホールショット。しかし、チームメートの田中雅己は、コース前半では12番手だったものの、その後のミスによってほぼ最後尾まで順位を落としました。レース序盤、富田は快調に周回を重ね、わずか4周で2番手を走る竹中純矢との差を30秒以上にまで拡大。しかし、田中はマシンを柔らかい泥の中にスタックさせてしまい、レースから完全に脱落することになりました。

レース後半、富田はなおも大量リードを奪った状態で、トップを守っていました。ところが、最終ラップとなった10周目、富田の前を走っていた周回遅れがスタック。富田が走りやすいラインが空くのを待つ間に竹中が接近し、わずかながら前に出ました。しかし、最後は富田が競り勝ち、今季2勝目。田中は、ゴールしたものの規定周回数不足に終わりました。

●IA2(250/125)ヒート2
Team HRC勢はいずれもスタートダッシュに失敗し、富田が1周目10番手、田中が同23番手からの追い上げを強いられました。2周目、富田は7番手まで浮上。しかし、その後は大塚豪太(T.E.SPORT)を攻略できず、5番手を走行していた池本凌汰(スズキ)が3周目に後退したことから6番手とはなったものの、富田はIAルーキーの泥を浴び続けることになりました。

しかし、レースが後半に入った6周目、大塚がミスによって後退したことで、富田は5番手にポジションアップ。すると、すぐに前を走る横澤拓夢(NRT)に迫りました。そして7周目、横澤がミスを喫して富田が4番手に浮上。この段階でトップ3とは大きな差があったことから、富田は4位でゴールしました。横澤は6位入賞。田中は12位まで追い上げてフィニッシュしました。

コメント
■成田亮(IA1 優勝/2位)
「ヒート1は、スタートで前に出られたことで、結果的には楽なレース展開に持ち込めました。レース序盤から中盤、熱田選手が数秒後ろにいることは分かっていました。こういう状況で強い選手だということはよく知っているので、プレッシャーはありましたが、とにかくいいラインを外さないことと、転ばないことを心がけて、丁寧な走りを続けました。それが相手のミスにもつながったと思います。ヒート2のスタートは、前輪を浮かせてしまい、バランスを崩しました。チームからは『ビリでスタートしても5位以内には入れるから、そういう状況になっても絶対に焦るな』と言われていたので、それを思い出して冷静に追い上げました。総合成績ではトップでしたが、両ヒート制覇ができなかったので、とにかく悔しいです」

■小方誠(IA1 6位/優勝)
「ヒート1はスタート自体も悪くなかったのですが、さらに順位を上げようとしたところ、自分のミスにより転倒してしまいました。後ろからきたマシンに衝突されたのですが、身体にダメージはなく、その後は途中までうまく追い上げられました。しかし、後半はミスもあって思うような順位まで上げることができませんでした。ヒート2は、これまで取り組んできたいろんなことを思い出しながら、とにかくスタートで前に出ることに気持ちを集中させました。熱田選手に抜かれたことで、自分のほうが遅かったラインを修正できたので、うまくペースを上げることができました。終盤は、成田選手が追い上げてきていることがサインボードで分かっていましたが、タイム差がかなりあったので冷静に走れました」

■富田俊樹(IA2 優勝/4位)
「これまで、ヒート1では走りが硬くなってしまうことが多かったのですが、今回はすごく冷静に走れました。最終ラップは、前で周回遅れのマシンがスタックしたときに、後続と20秒の差があると思っていたので、ラインを変えて柔らかい泥に入っていくよりも、待ってでも固い路面を走るほうが得策だと考えました。ところが、竹中選手との差はあまりなかったようで、いきなり横に並ばれて、かなり焦りました。最終的に勝てたのでよかったです。ヒート2はスタートで出遅れ、しかもゴーグルの捨てレンズを外す間にもたつき、ライバルたちの先行を許してしまいました。走れるラインが少なく、追い上げはかなり厳しい状態でした。最後まで冷静に走れていたことを考えると、スタートの出遅れがかなり悔やまれます」

■田中雅己(IA2 規定周回数不足/12位)
「ヒート1は、最初から最後までまともに乗れず、途中で深い泥の中にマシンをスタックさせてしまい、どうしようもありませんでした。ヒート2は、マシンのセットを大きく変えて挑んだのですが、スタート直後の3コーナーで、前のライダーが止まっていたところに追突して、また出遅れてしまいました。その後、ヒート1より感触はよかったものの、上位勢には完全に離されてしまいました。苦手なマディとはいえ、練習やテストでは悪くないのに、レースになるとここまで成績を落としてしまうというのは、気持ちの部分が大きいと反省しています。序盤のミスが最後まで響いてしまうレースを続けてしまっているので、まずは広い視野を持ってスタート直後の混戦から抜け出すことを考え、次戦に臨みます」

■芹沢直樹| Team HRC監督代理
「IA1は、前戦に続いて成田と小方が勝利を分け合ってくれて、しかもヒート2は1-2フィニッシュで、両ヒートの総合成績では成田がトップだったので、チームとしてはハッピーに終わりました。特に、成田はこのインターバルで自らアメリカに行き、完ぺきな状態に仕上げてきた上での総合優勝。ほかのライダーが見習うべき点は非常に多いと感じています。IA2では、そこまでマディではなかった土曜日の段階で、富田がライバルの勝谷武史選手をしのぐタイムを出した点も評価しています。田中は、予選からリズムに乗れず、練習やテストでは好調なのに、それを今回もレース結果につなげられなかったのが残念です。しかし、下を向いていても仕方がないので、チームとしてしっかり対策を考えたいと思います。チームとしては、前戦がかなりヘビーなマディコンディションだったことから、泥への対策を施したマシンの仕様を、ドライコンディションでのテスト時にも確認していました。これも、IA1で2勝、IA2で1勝という今大会の結果につながったと思います」

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