[YAMAHA]MotoGP Rd.9 決勝 ロレンソが表彰台獲得!

■大会名称:MotoGP第9戦ドイツGP
■開催日:2014年7月13日(日)決勝結果
■開催地:ドイツ/ザクセンリンク(3.671km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:21度
■路面温度:27度
■PP:M・マルケス(1分20秒937/ホンダ)
■FL:M・マルケス(1分22秒037/ホンダ)

モビスター・ヤマハ・MotoGPのJ・ロレンソが、難しいコンディションのなか表彰台獲得の健闘。チームメイトのV・ロッシも力強い走りを見せ、12番手から追い上げて4位を獲得した。

決勝スタートの20分前に雨が降り出し、波瀾の展開となったドイツGP。初めはウエット・レースが宣言されたが、サイティング・ラップを終えたあとで、ほとんどのライダーがピットに戻ってタイヤをウエットからスリックへ交換。前回のアッセンでは、スタートを遅らせる判断がなされて再度2ラップのサイティング・ラップが行われたが、ウエット・レースとして始まった今回は1ラップのサイティング・ラップとなり、ピットレーンの出口が閉められた。その結果、コースはほとんど空の状態。わずか8台が、S・ブラドルを先頭に走行するのみとなり、残りは狭いピットレーンにひしめき合うようにしながら、スタートの合図を待つ格好となった。

ピットレーン出口の混雑などが、ロレンソを縁石まで追いやり、他車との接触やペナルティを避けるために16位まで後退を余儀なくされた。その状況を把握するまでにいくらか時間がかかったが、その後、一気にペースを上げて順位を挽回。A・イアンノーネとA・ドビツィオーゾをパスしてロッシの後方までたどり着き、まもなくロッシの前に出ることに成功した。さらにふたりそろってブラドルをパスして、それぞれ3位と4位へ。残りの20ラップで前を走るD・ペドロサとの差を詰めていこうとしたが叶わず、そのまま3位でゴール。トップのM・マルケスからは10.317秒離される結果となった。

ロッシはスタートのシグナルと同時に飛び出し、数台をパスして自分のポジションを確保。そして9ラップ目にはブラドルの後方についた。ポールシッターのブラドルはスリック・タイヤで好スタートを切っていたが、マシンがウエットのセッティングだったため、完全なドライ仕様のロッシにはかなわない。まもなくロッシが前に出て3位。しかしその後、ロレンソに先行を許して4位となりチェッカーを受けた。トップからは19.194秒の差。

3位を獲得したロレンソは16ポイントを加算してランキング5位。4位のドビツィオーゾに2ポイント差に迫っている。一方のロッシは13ポイントを獲得し、合計141ポイントでランキング3位。2位のペドロサとの差はわずか7ポイント。

モンスター・ヤマハ・テック3のP・エスパルガロが7位を獲得。スタート直前に雨が降り出し、ウエット・レースとされたあとで急激に路面が乾き出したため、他の多くのライダーとともにウォームアップ・ラップのあとドライ用セッティングのマシンに交換。エスパルガロは1周目を21位で終えたが、果敢な走りで素早く順位を上げ、11ラップ目にはポイント圏内の15位。ラップタイムでは5位と同レベルの1分23秒台前半をキープした。その後も次々に前方のライダーをかき分けて行き、17ラップ目には10位に上がり、その3ラップ後にはS・レディングを抜いて9位につけた。持ち前の忍耐力を発揮し、20ラップ目で自己ベストをマークしながら、ベテランのドビツィオーゾを追い詰めてパス。さらに残り3ラップの第12コーナーでC・クラッチローをとらえて7位に浮上した。

一方、チームメイトのB・スミスは序盤で転倒。再スタートして完走したもののポイントを獲得することはできなかった。マシンを交換したあとスミスは、素早くリズムをつかんで上位グループについていったが、3ラップ目に転倒して最後尾まで後退してしまった。その後はコンスタントにハイペースをキープして懸命に挽回を図り、終盤では4位と同等のラップタイムをマーク。しかし残念ながらすでに離れ過ぎていたため、19位まで上がったところでチェッカーとなった。

雨に邪魔された決勝。NGMフォワード・レーシングのA・エスパルガロは難しいコンディションを走り切って6位を獲得。シリーズポイントを合計77ポイントに伸ばしてランキング6位。

スタート直前に雨が降り出したが、すぐに乾き始めるなか、エスパルガロは他の13台と同様、ウォームアップ・ラップのあとウエット・セッティングからドライ・セッティングへと変更。一方、チームメイトのC・エドワーズは初めからスリック・タイヤを装着しており、グリッドからスタートした。

ピットレーンからスタートしたエスパルガロは追い上げを強いられて6位。一方のエドワーズはタイヤに関しては正しい判断をしていたものの、序盤でペースを上げられず苦しい展開。レース後半になって徐々にフィーリングが良くなってくると、20ラップ目で自己ベストの1分23秒538を記録するなどペースを上げたが、順位では20位に留まった。

MotoGPはこのあと4週間のサマーブレイク。次回は8月10日、インディアナポリス・モーター・スピードウエイで行われる。

コメント
【モビスター・ヤマハ・MotoGP】
■J・ロレンソ選手談(3位)
「ようやくまた表彰台に上ることができたので満足しているよ。前回と前々回は、プラクティスでは速かったのに、いろいろな理由でそれができなかったからね…。今日はドライでレースをしたかったけれど、スタート直前になって雨粒が落ちてきた。みんながウエット・タイヤを装着し、そのあとまたピットに戻ってスリックに交換するということになってしまった。スタート直後はフロントのカーボン・ブレーキが十分に暖まっていなかったため、他のライダーにぶつからないようにしなければならず、このような状況で前へ出るのは許されないから、他を前へ行かせて僕は一度後退したんだ。中途半端なコースコンディションでトップグループがとても速く、初めから6秒、7秒、8秒といったような大きな差ができてしまった。彼らについて行くにはコンマ1、2秒は必要だっただろう。

それでも僕自身、ベストを尽くしていいレースができたと思う。とても集中していたし、走りも良かった。もしもあとコンマ1、2秒速かったなら、優勝を目指すこともできただろう。少しずつだけれど、トップに近づいてきている。マシンは電子制御システムが改善され、タイヤがマシンに合ってきて、僕自身も去年よりはずっと調子がいい。そのおかげで身体も心も強くなっているんだ。夏の間はスペインで家族や友人と過ごす予定」

■V・ロッシ選手談(4位)
「雨に翻弄されてしまった。前回のアッセン同様、天候に関しては運が悪いね。スタート直後はウエットだったが、まもなく乾き始め、ほとんどのライダーがピットからスタートすることになってしまったので難しいだけじゃなく危険な状態だったんだ。僕はかなりいい位置にいたんだけれど、表彰台を獲得するだけのペースはなかった。このサーキットでライバルたちに勝つのが難しいことは初めからわかっていたことで、あとは何とかロレンソについていきたかったけれど、今日は彼のほうが速かったんだ。シーズンの半分が終了し、4度の2位を含めて合計5回、表彰台に上ることができた。ここまでの戦い方には満足しているよ。優勝がないのは悲しいけれど、速さも競争力も十分にあると思う。この調子を維持してマルケスに挑戦し続けたい」

■M・メレガリ、モビスター・ヤマハ・MotoGP、マネージング・ディレクター談
「今回もまた、コンディションの変化に翻弄されて難しいレースになってしまった。ホルヘはここで、アッセンの不運を過去のものにし、再び表彰台を狙える位置に上がってきたことを証明することができた。素晴らしい走りだった。ただライバルたちのほうが、我々よりも早くリズムをつかんでいたため、マルケスやペドロサとのギャップを埋めるのは難しかった。ピットレーンからあれだけ多くのライダーがスタートするのは安全性を考えれば最善ではないが、唯一、可能な方法だったのだろう。バレンティーノは今朝のウォームアップまでのペースを出し切ることができなかったものの、変わりやすいコンディションのなかでしっかり走りきり4位を獲得した。ここまで9戦を終え、とくに最後の2戦は非常に複雑なレースだった。今はチームの全員が短いサマーブレイクを楽しみにしている。そしてインディアナポリスでの再開に向けて準備を整える」

【モンスター・ヤマハ・テック 3】
■P・エスパルガロ選手談(7位)
「どうしようもないことだけど、今回もまた天気に邪魔されたのが悔しい。スタート直前の雨が、またしてもトリッキーな状況を作り出したんだ。ピットレーンからスタートしたとき、僕の前にはドビツィオーゾがいて、彼は明らかに問題を抱えているようだった。おそらくリミッターをオンにしたままピットを離れたため、僕はそこで貴重な時間とポジションを一気に失うことになってしまったんだ。雨での経験の浅い僕は、初めとても慎重に走り、いつものリズムをつかむまでにまた時間がかかってしまった。しかもこのコースは、そのレイアウト上、パスが難しい。いろいろなことが重なって苦しい状況に陥っていた。ラップタイムならトップ5を争えるだけのペースが出ていたのに、運が味方してくれなかったということ。結果には満足できなかったけれど、今日もほんとうにたくさんのことを学ぶことができた。このあとはしばらく休暇がとれるので、次回のインディアナポリスまでにさらに強くなって戻ってきたい」

■B・スミス選手談(19位)
「今日はフィーリングが良かったし、好成績を獲得できる可能性を感じていただけに悔しい結果になってしまった。でも結局、あの転倒は僕自身のミスなんだ。他のみんなと同じようにピットに戻り、マシンを交換。この判断は正しかった。スタート後、第1コーナーでバレンティーノがディ・ミリオをパスするのを見たときには、僕もバレンティーノについて行けるだけの速さがあると思ったし、この難しいコンディションのもと、彼について行って、その走りを参考にしたいと考えたんだ。それでディ・ミリオのインに飛び込み一旦はパスしたが、コーナーの頂点のところで彼がこちら側へ戻ってきたため、僕は縁石に乗り上げてしまった。そしてそのあたりがまだ濡れていたので、どうすることもできずに転倒してしまったというわけ。マシンもタイヤもセッティングもすべて好調だったので、このようなことになってしまい非常に残念。しかも僕自身のペースも5位や6位と同等だったのだから好成績も不可能じゃなかった。ただ、運が味方してくれなかったんだ。夏はしっかり休み、今以上に強い気持ちを持って再開に備えたい」

■H・ポンシャラル、モンスター・ヤマハ・テック 3、チームマネジャー談
「今回もまた非常に面白いレースになった。地元のブラドルが最初にスリック・タイヤでスタートしたときには、ドイツ人の初優勝が実現するかに思われた。しかし数ラップ後にはもう状況が変化して、いつものようにマルクがレースをリードして他が追う展開になっていたのだ。ポルとブラッドは、他の多くのライダーと同様にピットレーンからスタート。とくにポルは、慣れないコンディションのなかでも落ち着いて走っていて、リズムをつかむやトップ5と同等のタイムをたたき出した。それだけに天候の影響が悔しいと言わざるを得ない。彼はそれでも見事な追い上げを見せてドゥカティ勢ふたりをパス。今回も多くを学び、ベストを尽くした。我々チームとしても彼の今日の成果を誇りに感じている。

一方のブラッドリーは非常に残念な結果になった。彼がいいリズムで走っていたことはわかっているし、初めはポルの前、バレンティーノのすぐ後ろにつけていた。しかし残念ながら今回もまた小さなミスをおかしてしまい、大きな代償を払わされることになったのだ。再スタートを図り、完走できたのはラッキーだったが、我々のなかにはやはり後味の悪さが残った。なぜならラップタイムを見れば、ポルと同等のポジションが可能だったからだ。もしそうなっていれば、チームとして非常に素晴らしい成績。本来ならもっと上を目指すことができたはずなだけに、ブラッドリーにとっては厳しいウイークエンド。このあとはしっかり休養をとり、バッテリーを再充電して次のインディアナポリスに臨んでもらいたい。チームの皆にもまた、楽しいサマーホリデーを過ごしてもらえるよう祈っている」

【NGMフォワード・レーシング】
■A・エスパルガロ選手談(6位)
「混乱のスタート。クレイジーなレースだった。ウォームアップ・ラップでコースが乾き始めているのがわかったので、ピットに戻ってマシンをドライ用に交換することを決断。ピットレーンからのスタートはまるでモトクロス・スタイルで、レースは楽しめたけれども、フロントに柔らかめのタイヤをチョイスしてしまったのは間違いだった。2ラップもするとコースが完全にドライになり、レース後半はフロント・タイヤのグリップが落ちてきたため厳しい状況になってしまったんだ。それまではホルヘやバレンティーノと戦えるだけのペースで走っていただけに悔しい。でも6位という結果とランキング6位の成果を持ってドイツを離れることができるのはハッピーだよ。このあとは海辺で休暇を過ごし、バッテリーを充電してさらに強くなりたい」

■C・エドワーズ選手談(20位)
「難しいレースだったよ。スリック・タイヤでグリッドからスタートした数少ないライダーのうちのひとりになったが、十分に自信を持てなかったために、周回を重ねるごとに順位が下がってしまった。後半になるとようやくフィーリングが良くなってきて、プッシュできるようになったんだ。束の間の休暇を楽しみ、そのあとは今シーズン2回目になるアメリカでのレースが待っている」

■津谷晃司、MS開発部 モトGPプロジェクトリーダー談
「前戦に引き続き、レース直前の降雨に翻弄されたレースでしたが、ホルヘは微妙なコンディションのなか精神的にもタフな走りで追い上げて、3戦ぶりに表彰台に上がることができ、ここから彼の本来の強さを取り戻していけると思います。バレンティーノ、ポルも最後まで粘り強く走り続けて、ほぼ最後尾から順位を挽回してくれました。ライダー達の熱い走りを支えられるよう、またファンの皆さまの期待に応えることができるよう、我々はサマーブレイク中もマシンの改善に取り組み続けますので、引き続き後半戦もご支援・ご声援よろしくお願いします」

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