[HONDA]MotoGP Rd.9 決勝 不安定な天候となったレースでマルケス9連勝

シーズン前半戦の締めくくりとなる第9戦ドイツGPは、スタート前に一時的に強い雨が降り、ウエットレースで行われました。しかし、すぐに雨は上がり、サイティングラップの時点でコースは乾き始め、ウォームアップが開始されたときには、ほぼドライコンディションとなっていました。

このまま路面が乾くと判断した選手とチームは、グリッド上でスリックタイヤにチェンジしました。一方、スタートしてから状況を判断しようとする選手とチームは、レインタイヤを履いたままウォームアップに出ることになりました。しかし、コース上がほとんど乾いてしまったこともあり、スリックタイヤを装着したマシンにチェンジするため、14名の選手がピットロードに滑り込んでピットスタートを選択しました。

この結果、ドイツGPの決勝は、グリッド上からスタートした選手が9名、マシンをチェンジしてピットスタートを選択した選手が14名と、2つのグループに分かれてスタートを切ることになりました。

オープニングラップは、グリッド上からスタートした9台が先行しますが、ピットスタートを選択したマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が、1周目10番手から2周目に7番手へ、3周目に3番手、4周目に2番手と一気にポジションを上げ、グリッド上でスリックタイヤを選択したステファン・ブラドル(LCR Honda MotoGP)を追撃しました。

その後、快調にラップを刻んだマルケスは、6周目にブラドルを抜いてトップに浮上、それからはチームメートのダニ・ペドロサを従えて快調にラップを刻み、終盤ペースを上げたマルケスが、30周のレースで真っ先にチェッカーを受けました。

この優勝でマルケスは、1970年にG・アゴスチーニが達成した開幕9連勝という記録に44年ぶりに並びました。また、9連勝達成は、G・アゴスチーニ、M・ヘイルウッド、J・サーティス、M・ドゥーハンに続いて5人目。現役ライダーでは前戦のオランダGPで8連勝という最多記録をマークしましたが、その記録を9勝へと伸ばしました。この優勝で総合2位のペドロサとのポイント差を77として、2年連続チャンピオンに向けて、また一歩前進しました。

2位のペドロサは、マルケス同様、レインタイヤでウォームアップに出てピットロードに入ってマシンをチェンジし、スリックタイヤを装着したマシンでピットスタートを選択しました。戦略でもコース上でもマルケスをピタリとマークしたペドロサは、マルケスとともにポジションを上げることに成功。7周目からは、マルケスとペドロサのRepsol Honda Teamの2人が1-2態勢を築き、第2戦アメリカズGP、第3戦アルゼンチンGPに続き、今季3度目の1-2フィニッシュを果たしました。両選手がそろって表彰台に立つのは今季7度目となりました。

予選10番手から決勝に挑んだアルバロ・バウティスタ(GO & FUN Honda Gresini)も、マシンをチェンジしてピットスタートする方法を選択しますが、ピットロード出口の位置取りが悪く、オープニングラップは22番手と厳しいポジションとなりました。しかし、そこからすばらしい追い上げを見せて、9位でフィニッシュしました。

そして、バウティスタのチームメートで市販レーシングマシン「RCV1000R」で出場のスコット・レディングもマシンチェンジを行ってピットスタートし、オープニングラップで18番手と苦しいポジションでしたが、そこから快調にラップを刻んで、RCV1000R勢で最上位の11位でフィニッシュしました。

グリッド上でスリックタイヤにスイッチし、前半5番手を走った青山博一(Drive M7 Aspar)は12位。青山と同様に、グリッド上でスリックにスイッチのカレル・アブラハム(Cardion AB Motoracing)が13位。マシンをチェンジしてピットスタートを選択したニッキー・ヘイデン(Drive M7 Aspar)は、ピットロード出口でのポジション取りが悪く、オープニングラップ最後尾の23番手から追い上げて14位でフィニッシュしました。

グリッド上でスリックタイヤを選択して序盤トップを走ったブラドルは、スリックタイヤを装着するも、ウエットコンディション用のセッティングだったためにペースを上げられず16位までダウン。地元の声援に応えることができませんでした。

Moto2クラスは、初ポールポジション(PP)から好スタートを切ったドミニク・エージャーター(Technomag carXpert)が初優勝。エージャーターと最終ラップまでし烈な戦いを繰り広げたミカ・カリオ(Marc VDS Racing Team)が2位。シモーネ・コルシ(NGM Forward Racing)が3位でフィニッシュしました。総合首位のエステベ・ラバト(Marc VDS Racing Team)は、コルシとし烈な3位争いを繰り広げて4位。総合3位のマーベリック・ビニャーレス(Paginas Amarillas HP 40)が5位でフィニッシュしました。中上貴晶(IDEMITSU Honda Team Asia)は21位。長島哲太(Teluru Team JiR Webike)は22位でした。

Moto3は、5台の優勝争いとなり、ジャック・ミラー(KTM)が優勝。2位にブラッド・バインダー(マヒンドラ)と続き、この2人とし烈な戦いを繰り広げたアレックス・マスボー(Ongetta-Rivacold)が3位になり、2年ぶりの表彰台に立ちました。

カタルニア、オランダと2連勝のアレックス・マルケス(Estrella Galicia 0,0)は、車体のセッティングに苦しんで4位。エフレン・バスケス(SaxoPrint-RTG)が6位、ジョン・マクフィー(SaxoPrint-RTG)が7位でフィニッシュしました。9戦を終えて総合首位はミラー、総合2位にアレックス・マルケス、総合3位にバスケスがそれぞれポジションを上げました。リタイアに終わったアレックス・リンス(Estrella Galicia 0,0)は総合5位、マスボーは総合7位。Honda勢の後半戦の巻き返しが期待されます。

コメント
■マルク・マルケス(MotoGP 優勝)
「コースに出て行くときは、前戦オランダGPのアッセンのようなレースになったと思ったのですが、路面はあっという間に乾いていきました。グリッドでは、(ステファン)ブラドル選手がスリックタイヤを装着したのが見えました。しかし、トラックの後半部分はまだ濡れていたので、どうしようかと迷いました。最終的にチャンピオンシップを戦うダニ(ペドロサ)とバレンティーノ(ロッシ)選手(ヤマハ)がどうするかを見てから決めようと思いました。彼らがレインタイヤだったので、そのままで行くことにしました。しかし、路面がほとんど乾いていたので、スリックタイヤのマシンにチェンジしてスタートを切ることにして、それからはダニと厳しいレースになりました。今回も勝つことができました。さらに25点を獲得し、すばらしい気分で夏休みに入れるのでうれしいです」

■ダニ・ペドロサ(MotoGP 2位)
「レース序盤は、アッセンのようなレースだと思いました。グリッドにつくときはコースの半分くらいが濡れていましたが、スタートの時間が来てウォームアップに出たときには、コースはほとんど乾いていました。1カ所だけ濡れているコーナーがありましたが、スリックタイヤを装着したマシンにチェンジすることに決めました。ほとんどのライダーがピットスタートを選択し、優勝争いは難しいものになりました。しかし、今日はマルク(マルケス)と接近戦になり、いいペースで戦うことができました。ブルノでテストをして、今より速く走れる状態にしてインディアナポリスに向かいたいです」

■アルバロ・バウティスタ(MotoGP 9位)
「グリッドについたときは、まだコースは濡れていました。そして、ウォームアップのときも一部濡れているところがあったので、ほかの選手たちがどうするのかを見て、決めようと思いました。ほとんどのライダーがスリックタイヤを装着したマシンにチェンジするためにピットに向かったので、自分もそうすることにしました。しかし、ピットロードの出口ではスペースがなく、後方からスタートするしかありませんでした。序盤は後方から厳しい走りを強いられましたが、たくさんのライダーをパスできたので楽しいレースでした。今日はピットからスタートする選手が多く、ハプニングが起きるんじゃないかと思いましたが、なにも起きませんでした。これから夏休みに入ります。後半戦はいいレースができることを願っています」

■スコット・レディング(MotoGP 11位)
「今日はスリックタイヤでスタートしたほかのHondaライダーたちに、とても追いつけるとは思いませんでした。とにかく、同じようにピットに入ってマシンチェンジをしたニッキー(ヘイデン)選手だけには負けないようにがんばろうと思いました。それから全力でプッシュしましたが、『ファクトリー』と比較しても速いペースで走ることができました。ところどころ濡れているところがありましたが、とても気持ちよく乗れました。ポル・エスパルガロ選手(ヤマハ)を抜いたときは2〜3ラップ、前をキープすることができました。アルバロ(バウティスタ)選手を抜いたときも同じです。今日は本当にいい一日になったし、とてもハッピーでした」

■青山博一(MotoGP 12位)
「今日は難しいレースになりましたが、チームの判断もよく、いいレースができました。路面コンディションは微妙でしたが、最初からスリックタイヤで行くことにしました。序盤は一部濡れているところがあって慎重に走らなければなりませんでしたが、結果的にいい判断だったと思います。中盤以降は、フロントのフィーリングがなくなり、ペースを上げることができませんでしたが、終盤になって、また状態がよくなりペースを回復することができました。フロントの一時的な問題がなければ、もっといいポジションでフィニッシュできたと思います。今日のコンディションを考えれば12位になれてよかったです。満足しています」

■カレル・アブラハム(MotoGP 13位)
「難しいレースだったので、13位でフィニッシュできたし、3ポイント獲得したことに満足しています。レースが始まるときは、ほとんどのライダーがグリッド上にはいなくて、おもしろい展開でした。ウォームアップでは、1カ所をのぞいて、ほとんどドライコンディションになっていたし、レインタイヤでウォームアップに出ていった選手たちの判断は当然だと思います。そういう状況の中でスリックタイヤを選択してグリッド上からスタートしたのは正しい判断でした。しかし、青山(博一)選手の前でゴールできなかったのが残念でした」

■ニッキー・ヘイデン(MotoGP 14位)
「ひどいレースでした。路面コンディションが不安定だったし、レース序盤はうまく走ることができませんでした。路面は冷えていたし、タイヤは温まっていないし、ペースを上げることができませんでした。今日は、ウォームアップでマシンチェンジしたあと、ピットスタートの位置取りが悪くて、その遅れを取り戻すのにずいぶん苦労しました。終盤には、青山選手とアブラハム選手に追いついたのですが、抜くことはできませんでした。次戦はいいレースができることを期待しています」

■ステファン・ブラドル(MotoGP 16位)
「サイティングラップはレインタイヤでしたが、グリッドについたときにはスリックで行こうと決めました。おそらくあっという間に乾くだろうと思ったからです。しかし、時間が足りなくて、フロントのセッティングをしっかりドライ用に変えることができませんでした。そのためウエットセッティングのままスリックタイヤで行くことになりました。どうなるか分からないし本当にギャンブルでした。スタートのとき、ほかのライダーたちがピットスタートをしているのを見たときに、スリック用にセットアップしたマシンにチェンジしてスタートすればよかったと思いました。結果的に、序盤はリードすることができましたが、最終的に3秒も遅いペースで走らなければなりませんでした。ホームGPをこんな形で終えることになり、本当に残念です。こんな結果に終わり、サポートしてくれた大勢のファンに謝罪しなければなりません」

■ドミニク・エージャーター(Moto2 優勝)
「昨日は初めてのPPを獲得したし、今日は初めて優勝することができました。間違いなく、最高のレースウイークになりました。今日はミカ(カリオ)選手が毎周激しくプッシュしていたので、ついていくのも大変だったし、ミスをしないように全力を尽くしました。とにかく、彼についていって、終盤、勝負をしようと思っていました。そして一度抜いたときはすぐに抜き返されましたが、最終ラップにもう一度抜くことができました。最終コーナーではインをうまくブロックすることができました。すばらしいレースになったことにとても満足しています。チーム、スポンサーに感謝します」

■ミカ・カリオ(Moto2 2位)
「2位に終わったときはいつもフラストレーションがたまりますが、今日はほとんどの周回でリードしていただけに、余計に残念でした。今日は2周目にエージャーター選手を抜いてトップに立ちました。彼はそれからずっと後ろにいて、ラスト4周で自分の前に出ましたが、タイムが落ちたので、再び抜き返して逃げることにしました。そして最終ラップを迎えたのですが、エージャーター選手は11コーナーからのダウンヒルでスピードを乗せて12コーナーの進入で抜いてきました。それで次の最終コーナーで抜こうとしましたが、抜き返すことはできませんでした。タイトル争いをしているので無理はしませんでした」

■シモーネ・コルシ(Moto2 3位)
「スタートは悪くなかったのですが、ドミニク選手とミカ選手のペースは速くて、ついていくことができませんでした。今日は、(エステべ)ラバト選手と(マーベリック)ビニャーレス選手とすばらしいレースをしました。最終ラップのラバト選手とのバトルは、ビッグファイトでした。最終ラップに抜かれましたが、最終コーナーで抜き返すことができたし、3位表彰台に立てて本当にうれしいです」

■中上貴晶(Moto2 21位)
「3日間を通して、いいマシンに仕上げることができませんでした。一番の問題はタイヤパフォーマンスを引き出せなかったことで、3日間ともに攻めきれない走りが続きました。ここは特殊なサーキットですが、それにセッティングを合わせきれなかったという感じです。夏休み前の大事なレースだったので、本当に残念です。気持ちを切り替えて、後半戦はいいレースをしたいです」

■長島哲太(Moto2 22位)
「スタートして1コーナーでアズラン(シャー・カマルザマン)選手(IDEMITSU Honda Team Asia)が目の前で転び、それでポジションを上げることができませんでした。そのあと(ジョシュ)ヘリン選手(AirAsia Caterham)とバトルになり、そこでもかなりタイムロスしましたが、ヘリン選手を抜いてからはペースもよくなり、いい走りができたと思います。タイヤが消耗してきた後半はペースをキープするのがやっとで、タイムを上げることができませんでした。土曜日の転倒で左肩が痛かったのですが、それほど走りには影響ありませんでした。前半戦が終わりました。9戦を終えてポイントを獲得できなかったので、後半は毎戦、ポイントを獲得できるようにがんばります」

■アレックス・マスボー(Moto3 3位)
「ザクセンリンクはいつも難しいレースになります。一昨年は2位になってすばらしいレースになりましたが、こうしてまた表彰台に立つことができました。この数戦、マシンの状態はとてもよくて、プッシュする走りができるようになっていました。今日はジャック(ミラー)選手についていくのがやっとでしたが、こうして表彰台に立てて本当にうれしいです」

■アレックス・マルケス(Moto3 4位)
「夏休み前なのでいいレースをしたいと思っていました。今日は4位でしたが、気分は悪くありません。スタートがよかったし、(ジャック)ミラー選手についていくこともできました。しかし、フロントの安定感がなくて、限界の走りを強いられました。リアにもいくつか不安があったので、ペースを上げられませんでした。こういう状態で4位になれたのはとてもよかったと思います。後半戦のスタートになるインディアナポリスに向けてトレーニングを続けます」

■エフレン・バスケス(Moto3 6位)
「昨日の転倒で体調は完全ではありませんでした。痛みもひどかったのですが、転倒のため、17番グリッドからスタートになっていたので、本当に厳しいレースでした。今日はベストを尽くしました。チャンピオンシップのためにポイントを獲得できて本当によかったです」

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