[DUNLOP]MotoGP Rd.8 波乱のレースで、雨の得意なウエスト選手が初優勝

1949年から世界グランプリを開催し続けている唯一のサーキット、アッセンで第8戦を迎えた。毎年、不安定な天候に悩まされるコースとしても知られている。オランダ北部にあるため気温は比較的低い。路面のグリップは比較的いいといわれてきたが、最近はかなり磨耗している。今回、ダンロップはリアにミディアム&ハードのタイヤを供給。これはイタリアGPと同じセットだ。フロントはいつもと同じミディアム&ハードを使用する。

予選直前に雨がぱらついたが、予選はほぼドライコンディションで行われた。首位のE・ラバット選手(KALEX)が、3戦連続6度目のポールポジションを獲得した。「天気や気温が変わって大変だった。タイヤ選択が難しかったが、予選の最後にはうまくいった。明日も慎重にタイヤを選びたい。ウェットでもドライでも大丈夫だよ」とラバット選手。続いて、D・アーゲター選手(SUTER)が自己最高の2番手をゲット。3番手にイギリス人のS・ロウ選手(SPEED UP)が2度目のフロントロー3位をつかんだ。

また、中上貴晶選手(KALEX)は5位2列目と、開幕戦以来の好位置を獲得した。「最後にベストラップを出せて、いい予選になった。いいペースで走れている。明日はまた気持ちを切りかえて、しっかり走りたいと思う」と中上選手。長島哲太選手(TSR)は30位となる。
「コースが難しいので、徐々に慣れているところです。まだいくつかのコーナーをうまく走れない。明日、もし雨が降ったら、面白いレースになるかもしれない」と長島選手。

決勝当日、Moto3クラスはドライコンディションで行われたが、Moto2クラスのスタート直前に天候が悪化。大雨が降り始めたため、20分のスタートディレイとなった。すぐに雨は止んだが、ウェットコンディションでレースはスタートした。ロウ選手がホールショットを決めて、S・コルシ選手(KALEX)、M・カリオ選手(KALEX)、ラバット選手、M・ヴィニャーレス選手(KALEX)などが続く。レースが始まると、再び雨が降り始める。アーゲター選手など、数人のスリックタイヤを選んだライダーは苦しいライディングを強いられる。

レースはコルシ選手、ロウ選手の2台がリード。3位以下に8列目スタートのA・ウエスト選手(SPEED UP)、J・シモン選手(KALEX)、T・ルティ選手(SUTER)、ヴィニャーレス選手、カリオ選手などが続き、ラバット選手は8位につける。9周目、2番手につけていたロウ選手がスリップダウン。再スタートするが、再び転倒してしまう。これでコルシ選手が単独トップに立つ。2位以下はウエスト選手、ルティ選手、シモン選手、ヴィニャーレス選手、カリオ選手などが僅差で続く。ラバット選手は9位につける。12周目、今度はコルシ選手が転倒。すぐに再スタートするが大きく後退。これでウエスト選手がトップに上がるが、シモン選手、ヴィニャーレス選手、、カリオ選手、L・サロム選手(KALEX)などが僅差で続く。雨が止み、徐々に路面が乾いていく難しいコンディションは続く。

終盤に入ると、トップ争いはウエスト選手、サロム選手、ヴィニャーレス選手、カリオ選手の4台に絞られる。残り4周になると、サロム選手が転倒して後退。トップ争いはウエスト選手、ヴィニャーレス選手、カリオ選手の3台の戦いとなり、ウエスト選手が先頭を守っていく。ウェットコンディションを得意としているウエスト選手は、最後までトップをキープしていくと、Moto2クラス初優勝を成し遂げた。ウエスト選手が優勝したのは2003年雨のオランダGP以来のことだった。

続いて、ヴィニャーレス選手が2位でゴール。カリオ選手が3位表彰台を死守した。ポイントリーダーのラバット選手は、最初のサイティングラップで転倒するミスもあり、レースでは8位でチェッカーを受けた。この結果、ポイントテーブルでは首位のラバット選手と2位カリオ選手の差は26点に詰まった。また、中上選手は序盤からペースが上がらず、14位でゴール。長島選手は中盤に転倒したが再スタートして20位に入っている。

●レース後のコメント

優勝 A・ウエスト選手
「久々に勝ててうれしいよ。11年前アッセンに勝ってから、また同じところで勝てたなんて。なぜかわからないけど、雨で滑ってもうまく走れるんだ。雨のレースになるとハッピーな気持ちになるよね。ここ数戦うまくいかなかったから、自信が戻ってきた。次のレースも前向きな気持ちで臨めるね」

2位 M・ヴィニャーレス選手
「今まで一番大変なレースだったよ。本当に厳しかった。だから、2位になれて完璧な結果だと思う。少しずつ感触を確かめながら走って行ったんだ。次のザクセンに向けて、いいはずみになったよ」

3位 M・カリオ選手
「ヘビーレイン、小雨、乾いていく路面と、すべてのコンディションがあって、大変だったよ。何度も転倒車に巻き込まれそうになった。終盤はラップタイムが上がったけど、危うく転倒車にぶつかりそうになったから、3位をキープしようと思ったんだ。ラバット選手が後ろにいたから、この結果はチャンピオンシップにとって重要だね」

14位 中上貴晶選手
「スタートはよかったのですが、1コーナーでアーゲター選手に押し出されてしまい、それで大きくポジションを落としました。難しいコンディションだったため、とにかく転ばず、完走するために全力を尽くした。予選のいいフィーリングを生かせなかったのはとても残念ですが、次のドイツに向けて気持ちを切り替えたい」

20位 長島哲太選手
「今日はドライ・セッティングのままレインタイヤでスタートしたのですが、全然グリップしなくて、まるで走れませんでした。イタリアGPのウェットコンディションのときは、とても気持ちよく走れました。そのときのフィーリングにはほど遠く、まるで攻めることができませんでした。本当に残念です。来週は鈴鹿8耐のテストがあるので、そのテストをがんばって、ドイツGPを迎えたいです」

Moto3はマルケス選手が2連勝を決める
気温が低めということもあり、フロント、リア共にミディアム&ソフトタイヤを供給した。他のクラスは雨に影響されたが、Moto3クラスの予選はほぼドライコンディションで行われた。目下、ポイントリーダーのJ・ミラー選手(KTM)が今季4度目のポールポジションをつかんだ。「ここ数戦は難しかったが、アラゴンのテストでマシンの状態がよくなった。今回は出だしから調子がいい。明日のレースもしっかり走りたい」とミラー選手。続いて、前戦のウィナー、A・マルケス選手(KTM)が2位。N・アヨ選手(HUSQVARNA)が初のフロントロー3位をつかむ。ランキング2位のR・フェナーティ選手(KTM)は、2日目の午前中にエンジントラブルが出る不運もあり、9位3列目となる。

ドライコンディションで決勝レースを迎えた。スタートが切られると、ミラー選手が好ダッシュ。後ろからマルケス選手、アヨ選手、N・アントネッリ選手(KTM)などが続く。ところが、ミラー選手は2周目に入ると第1コーナーで転倒。また、フェナーティ選手はコースアウトして後退する。混乱を尻目にトップに立ったのはマルケス選手で、序盤に約1秒の差をつける。単独2位にリンス選手が続き、3位争いはK・ハニカ選手(KTM)、A・マスブー選手(HONDA)、E・バスケス選手(HONDA)など10台が僅差で続く。9周目、トップのマルケス選手は少しコースを外れてしまい、リンス選手とテールトゥノーズ状態に。3位以下はなおもバスケス選手、ハニカ選手、マスブー選手、M・オリヴィエーラ選手(MAHINDRA)など9台が僅差で続く。この集団の約2秒後方にフェナーティ選手が続く。後半に入っても、マルケス選手とリンス選手が1、2体制。3位争いからはオリヴィエーラ選手が抜け出していく。また、フェナーティ選手は3位争いの集団に加わっていたが、14周目に転倒してしまう。

終盤に入ると、再びマルケス選手がリンス選手を引き離す。リンス選手はオリヴィエーラ選手の追いつかれて2位争いを展開。残り5周でオリヴィエーラ選手が前にでる。マルケス選手は、そのままトップを守りきり、カタルニアGPに続いて2連勝を達成した。続いて、ラストラップで逆転したリンス選手が2位でチェッカー。オリヴィエーラ選手が今季初の3位表彰台を獲得した。転倒後に再スタートしたフェナーティ選手は18位、ミラー選手もノーポイントに終わる。ポイントテーブルでは、ミラー選手が首位を守ったが、フェナーティ選手とマルケス選手が7点差の2位に並んでいる。

●レース後のコメント

優勝 A・マルケス選手
「2勝目を達成できてとてもうれしい。昨日から今日にかけて、路面コンディションが大きく変わって、厳しいレースだった。レース序盤は全く気持ちよく走れず、転倒するのではないかと思った。風が強いのも難しかった。中盤、自分のミスでリンス選手に追いつかれたが、その後フィーリングがよくなり、ペースを上げられた。最後はリードを広げられたので、走ることに集中しました」

2位 A・リンス選手
「今週は厳しい走りが続いていたので、2位になれたことで本当に報われた気分です。序盤、マルケス選手に差をつけられたが、彼がミスをしたので追いつくことができた。しかし、左足の痛みもあり、走ることに集中できなかったことで、徐々に遅れてしまった。終盤、オリヴィエーラ選手が追いついてきて、彼に抜かれたが、最終ラップに抜き返すことができた。2位になれててよかった」

3位 M・オリヴィエーラ選手
「序盤のアクシデントに巻き込まれなかったのはラッキーだった。予選で走りのいい感触をつかめていたので、レースでも自分のリズムを守って走っていった。そしたら、順位を上げることができたんだ。最後はブレーキミスがあって、リンス選手に抜かれてしまった。でも、表彰台に上がれてうれしい。この調子でいい結果を残していきたい」

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