[Kawasaki]JRR 激しいトップ争いをしていた柳川だったがまさかの転倒

■ 2014年 全日本ロードレース選手権 第4戦 SUGO SUPERBIKE 120miles ENDURANCE RACE
■ JSB1000
■ 開催日:2014年6月29日(日)
■ サーキット名:スポーツランドSUGO(3.737 km)

全日本ロードレース第4戦のJSB1000クラスは、全長3.7キロのコースを52周する120マイル・ミニ耐久レース。ライダーは1名でも2名でも走行可能だが、ガソリン補給やタイヤ交換などのピット作業が必要となり、マシンもピットクルーも耐久レース同様の準備が欠かせない。そのため各チームは耐火服を着用して、タイヤ交換や給油作業の反復練習を行うなど、いつもと違う光景が見られた。チームグリーンは柳川、渡辺それぞれが一人でチェッカーまで走行する2台体制でエントリー。スムースなピット作業ができるようピットインのタイミングや作業の手順確認を夕方遅くまで行っていた。

薄日の射すドライコンディションで行われた金曜日の合同走行で、1分28秒633と3番手のタイムを出したのは柳川だったが、渡辺は午後のセッションで一気に1秒以上も縮めて1分27秒963の3番手タイムをマーク。マシンの仕上がりが順調に進んでいることを証明して見せた。結果、総合では渡辺が3位、4位に柳川の順で金曜日の走行を終えた。

あけて土曜日の予選はウエットコンディションとなった。走行時間は60分。セッティングを出しながら徐々にペースアップを図り、1分38秒台前半で渡辺がまずリーディングボードのトップに立った。柳川も序盤で38秒台に入れ、渡辺に続く。リーディングボードが激しく動いたのは制限時間が10分を切ってから だ。まず中須賀選手に代わり、野佐根選手がトップに立つと柳川が1分37秒前半でトップを奪取。再び中須賀選手がこれを上回ったもののすぐさま柳川が37秒041でトップを奪い返し、タイムアップかと思われたが、ラストラップで中須賀選手が再度トップに。惜しくも柳川は2番手タイムとなった。一方、渡辺はセッティングに時間がかかり、昨日までの勢いが影をひそめ11周目に出した1分38秒377が予選タイムとなり9番グリッドを獲得するにとどまった。

降りしきる雨の中、JSB1000クラスのレース進行が始まったのは午後12時35分。ところがこのころから雨脚が強くなり、マシンがグリッドに着いたころにはコース上にいくつもの川が出現するような状態となった。結果、レースディレイ・周回数減算の判断が下された。天気の回復を期待したものの雨脚はますます強まり、再びレースディレイ・ラップ減算の宣言。サイティングラップは午後2時からに変更された。ところが天気は回復せず、さらに二度三度とスケジュールは変更され、ついには午後4時スタート、周回数は40周となりピットイン義務もなくなった。スタートは当初の予定通りルマン方式。国内では8時間耐久レースでおなじみのスタイルで、ライダーがバイクに駆け寄りエンジンをスタートさせるやり方だ。

好スタートを見せたのは柳川。3番手で1コーナーに飛び込むとオープニングラップのホームストレート上で中須賀選手をパスして2番手に浮上。続く2ラップ目のホームストレートで前を行く加賀山選手を捕えてトップに躍り出た。ラップタイムは1分38秒台後半から次第にタイムアップして、加賀山に対して1秒以上アドバンテージを確保。柳川を先頭に5台がパッケージとなってトップ集団を形成した。渡辺もまずまずのスタートでポジションキープ。トップグループと変わらぬラップタイムで藤田選手に次ぐ9番手を走行。尻上がりにペースを上げ始めてきた。7周目に39秒台を挟みながら8ラップ目に1分38秒297と自己ベストを記録。ここから4周続けて自己ベストを更新し、11周目には1分37秒716をマークする。ポジションも津田選手をかわして12周目には藤田選手もパス。5番手ながらもセカンドグループの先頭に躍り出て、レース後半に向けてトップ集団を追い上げる体制に入った。

7ラップ目までトップを走行していた柳川は、ハイポイントコーナーで中須賀にかわされたが引き離されることなく2番手で走行。11周目には1分36秒827をマークして中須賀選手に0.2秒差と肉薄。シケインで引き離されそうになるが、10%勾配から1コーナーまでのストレートでサイドバイサイドの展開に持ち込むなど、中須賀選手にプレッシャーをかけ続けた。ところがその周回のSPコーナーインでまさかのアクシデント発生。コース幅ぎりぎりを攻めていた柳川のフロントタイヤがコース上にひかれた白線に乗りあげ、コントロールを失った柳川は濡れた路面を横切るようにスリップダウン。反対サイドのクッションウォールに激突。すぐさまコース復帰を試みたがダメージが大きくそのままリタイアとなってしまった。

ポジションアップした周回に柳川がリタイアに。そんな状況下に追い込まれた渡辺だったが自分の走りを徹底。1分37秒台中盤をキープしてトップ3台の背中を追う。21周目に当初から決めていた給油ピットインを敢行。前後ともにタイヤも交換してコース復帰した。誰よりも先にピット作業に取り組んだこともあり、9番手にまでポジションは後退したが、着実な挽回を狙って周回を重ねた。8番手に浮上したのは29ラップ目。続く30ラップ目には中冨選手がピットインして7番手と順調に挽回していたその矢先だった。ハイポイントコーナーでオイル漏れを起こしたマシンが発生し、33周目にセーフティカーがコースインすると路面確認をするためにそのまま2ラップを先導走行。濡れた路面のせいもありオイルがコースを横断するように広がったため赤旗中断となり、レースは規定により終了。順位は35ラップ終了時のものが採用され、渡辺は表彰台にあと一歩、4位でチェッカーとなった。

渡辺 一樹(4位)のコメント
「予選は最悪でした。セットアップが思うように進まずフラストレーションがたまる一方。ポジションもタイムもかなり不満の残る内容でした。決勝ではトップグループと変わらぬペースをキープ。ただ、ピットイン後に前車のオイルの影響なのかシールドが曇ってしまい、ペースアップできないまま数周を消化してしまいました。タイヤ交換で一気に追い上げる体制だったのですが、追い抜いて視界が開けたと思ったらペースカー導入で、そのままレッドフラッグが提示されレースは成立。4位に入賞したものの満足のできない幕切れとなりました。8耐ではこの鬱憤を晴らしたいと思っています。」

柳川 明(RET)のコメント
「万全の体調で臨んだレースウィーク。8耐へのステップとして貴重な一戦とすべきところでしたが、自分のミスでまさかの転倒を喫してしまいました。トップ争いをする中でわずか数センチのコントロールミスが大きなアクシデントとなり反省しています。トップグループの中でどう組み立てればいいかわかっていただけにもったいないことをしたと思っています。レースディレイが繰り返され当初より2時間近く遅くなっても、じっとスタンドで待ていてくださったファンの皆さんにも申し訳ない気持ちでいっぱいです。この悔しさは8耐で返します。ぜひ応援よろしくお願いします。」

釈迦堂監督のコメント
「歯車が全くかみ合わなかったレースウィークでした。体調も万全に近い状態となって、これまでの分を取り戻してほしかった柳川がまさかの転倒リタイアでノーポイント。渡辺も練習走行から予選と気負いが生じてコースアウト転倒するなど、どこかちぐはぐしたムードがチームを支配しました。せめてもの救いは粘りの走行で完走し、4位入賞を果たしたこと。それにしても確実にマシンが進化してきていただけに、この足踏みは残念です。レギュラーシーズンはもちろんですが、8耐に向けた準備についても再度考え直す必要がありそうです。下を向いている時間はありませんし、今できることを着実にこなし、勝つためにどこから修正していけばいいのかをもう一度組み立てなおしたいと思います。」

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