オートレースEV化へ向けて始動!

公益財団法人「JKA」が、オートレースに使用する競技車両のEV化に向けて検討している。
現在のオートレース競技車両は、スズキとオートレース関連団体が共同開発した排気量600cc・500ccのエンジンが使用されているが、JKAでは新たにモーターを搭載することを検討するという。

競技車両の開発を行う一般財団法人オートレース振興協会が発表した「平成25 年度事業計画書」の中でも「EV(電動)型競走車に関する調査研究事業」が重要項目として挙げられている。これによると、「オートレース場の周辺環境(騒音・排ガス)の改善及び売上向上が期待できるナイター開催場の拡大が図れるEV(電動)型競走車の開発に向けて、財団法人JKAと共同で調査研究を行う」としている。

レース場から響き渡るエキゾーストノートに酔いしれる、というのも今や昔。最近では国際格式のサーキットでも排気騒音に対する規制が厳格化している。周辺環境との共存を図っていくためには、これは致し方ないことだ。そこにきて、EVが次世代モビリティとして急速に注目を集めている現在、オートレース界としてもいち早く対応に乗り出したということだろう。また、ナイター開催については、かつて一大ブームを巻き起こした「東京シティ競馬」の例を見ても分かるように、従来は対象外とされてきた若者や女性など新たな顧客層を呼び込む魅力がある。オートレースのナイターでは群馬県の伊勢崎オートレース場など一部施設において期間限定で開催されているが、EV化によりその機会が拡大できる可能性がある。

ただし、オートレース競技車両のEV化にあたっては、競技に耐えうるスペックの開発など、乗り越えなければならない技術的ハードルも高そうだ。公益財団法人JKAと一般財団法人オートレース振興協会が公開している「電動競技車両設計仕様書」によると、「性能は基本的にはAR600型のエンジンを使用した現行車両と同等」としている。具体的には、1周500mのラップタイムは16〜17秒、最高速度は150km/h、100km/h〜150km/hの中間加速時間は約4.5秒。さらに、レースでの周回数は通常6周だが、8周〜10周のレースや出走前の試走3周分なども想定した十分な航続距離が求められている。また、モーターの耐久性についても、「選手が引退するまで平均5万kmの使用に耐えること」などと厳しいリクエストを出している。

どうやら、日本のモータースポーツ界のEV化はオートレースから始まりそうな予感である。そこで培われた高性能EV開発の技術は、必ずや市販車にもフィードバックされるはずだ。

Webikeニュース編集長 ケニー佐川

◆公益財団法人JKA公式サイト
◆一般財団法人オートレース振興協会公式サイト

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ケニー佐川

ケニー佐川Webikeニュース編集長

投稿者プロフィール

早稲田大学教育学部卒業後、情報メディア企業グループ、マーケティング・コンサルタント会社などを経て独立。趣味で始めたロードレースを通じてモータージャーナルの世界へ。
雑誌編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。
株式会社モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。
日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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