[HONDA]MotoGP フランスGPプレビュー

第5戦フランスGPが、5月16日(金)から18日(日)までの3日間、ル・マン・サーキットで開催されます。フランスGPは、1951年に第1回大会が行われ、今年で51回目。その長い歴史の中で、ル・マンでは1969年に初めてグランプリが開催され、今年で通算27回目、2000年から15年連続のグランプリ開催となります。

パリの南西約200kmに位置するル・マンは、四輪車の24時間耐久レースの舞台として世界的に知られています。このレースは、一部市街地を利用するサルテ・サーキットで行われますが、二輪のグランプリと24時間耐久レースは、一周4.180kmのブガッティ・サーキットで開催されます。

この時期のル・マンは雨が多く、過去にはレース中の天候の変化による“フラッグ・トゥ・フラッグ”が何度も行われてきました。選手やチームにとっては、コンディションの見極めが難しいレースとなります。しかし、今週の週間天気予報はおおむね良好で、レースウイークを通じて雨の心配は少なく、ドライコンディションで行われることが期待されます。

昨年の大会は、雨のレースとなり、ダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が優勝し、マルク・マルケス(Repsol Honda Team)が3位になりました。今年は、開幕から4戦連続優勝で総合首位のマルケス、4戦連続で表彰台に立ったペドロサが総合2位と、Repsol Honda Teamにとっては、最高の状態でフランス大会2連覇に挑みます。

開幕から4戦連続ポール・トゥ・ウインを達成したマルケスは、今大会はその記録更新に闘志を燃やしています。ルーキーとして挑んだ昨年の大会では、MotoGPマシンで初めて走るル・マンを見事に攻略してポールポジション(PP)を獲得。そして決勝でも優勝が期待されましたが、MotoGPクラスにスイッチしてから初めて経験するウエットレースとなり、序盤になかなかペースを上げられずにポジションを落としました。しかし、すばらしい学習能力を発揮し、猛烈な追い上げをみせて3位表彰台に立ちました。それから一年、史上最年少で2013年の世界チャンピオンに輝いたマルケスは、大きな成長を遂げました。ドライでもウエットでも、今年は優勝候補のナンバー1。開幕から5戦連続のポール・トゥ・ウイン達成が期待されます。

チームメートのペドロサは、フランスGP2連覇と今季初優勝に気合を入れています。昨年の大会では、最高峰クラス8年目にして初のフランスGP制覇を達成しました。これで、03年の125cc、04年、05年の250ccに続いて4度目のル・マン制覇と、3クラス制覇を達成しました。今大会は、マルケスとの優勝争いが期待されます。

ペドロサは、前戦スペインGPで3位表彰台に立ったあと、右前腕部に異常を感じたため、バルセロナで手術を受けました。順調に回復していますが、初日のフリー走行でその回復ぶりを確認することになります。スペインGPのあとに行われたテストで大きな成果を得ているだけに、ペドロサの走りに注目が集まっています。

総合6位につけるステファン・ブラドル(LCR Honda MotoGP)も、ペドロサ同様、前戦スペインGPのあと、右前腕部の手術を受けました。これはスペインGPの決勝レースで腕上がりの症状が出たためで、これからの長いシーズンを見越して、早い段階で手術を行うことを決断し、不安の解消に努めることになりました。右腕の回復を確認しながらの大会となりますが、今季2度目のフロントロー獲得と初表彰台獲得に向けて気合を入れています。

前戦スペインGPで今季初の完走を果たす6位でフィニッシュしたアルバロ・バウティスタ(GO & Fun Honda Gresini)は、2戦連続上位入賞と今季初表彰台を狙います。今年は開幕戦カタールGPで予選2番手と幸先いいスタートを切りましたが、決勝ではトップグループで健闘しながらも転倒リタイア。それからなかなか結果を残せないレースが続いていました。しかし、スペインGPの6位完走でモチベーションが高まっています。昨年の大会は6位入賞でしたが、今年はさらに上位を狙います。

Hondaの市販レーシングマシン「RCV1000R」勢は、レースをこなすごとにマシンのポテンシャルを引き出しています。総合11位につけるニッキー・ヘイデン(Drive M7 Aspar)は、開幕戦カタールGPの8位をしのぐリザルトに闘志満々。総合12位の青山博一(Drive M7 Aspar)は、第3戦アルゼンチンGPの10位以上を狙います。総合13位のスコット・レディング(GO & Fun Honda Gresini)は、開幕戦カタールGPの7位をしのぐリザルト獲得を目指します。開幕から3戦連続でポイント獲得のカレル・アブラハム(Cardion AB Motoracing)は、前戦スペインGPでリタイアしているだけに、今大会は今季4度目のポイント獲得を狙います。

Moto2クラスは、前戦スペインGP同様に大接戦が予想されます。昨年の大会は不安定な天候に翻ろうされましたが、フリー走行ではトップから1秒差以内に15台の接戦となりました。天候が安定すれば、1秒差以内に20台以上という大接戦が予想されます。

前戦スペインGPで4位と、今季初めて表彰台を逃した総合首位のエステベ・ラバト(Marc VDS Racing Team)は、スペインGPのあとに行ったアラゴン・テストでセットアップの確認を行い、今大会に挑みます。昨年の大会では小雨が降り続く難しいコンディションの中でノーポイント。今年はその雪辱と、今季3勝目を狙います。チームメートで総合2位のミカ・カリオは、昨年の大会で2位になっており、今年は2年連続表彰台とスペインGPから2連勝を狙います。また、昨年の大会ではMoto3クラスで優勝している総合3位のマーベリック・ビニャーレス(Pons HP 40)は、Moto3に続いてフランスGP2年連続優勝を狙っています。

日本人勢は、昨年の大会でPPを獲得し、決勝でも首位を快走しながら転倒リタイアに終わった中上貴晶(IDEMITSU Honda Team Asia)が、今季初表彰台と念願の初優勝に挑みます。長島哲太(Teluru Team JiR Webike)は、スペインGPを終えてイタリアのムジェロ・サーキットでテストを行ってのル・マン入り。初めて経験するサーキットとなりますが、コース攻略に気合を入れています。

Moto3クラスは、厳しいポイント争いになっていますが、総合3位のエフレン・バスケス(Saxoprint-RTG)、総合4位のアレックス・リンス(Estrella Galicia 0,0)、総合5位のアレックス・マルケス(Estrella Galicia 0,0)らHonda勢の活躍に注目されます。バスケスは、4戦を終えて3度の表彰台を獲得。今大会は初優勝を目指します。チャンピオン候補の一角を占めるリンスは、前戦スペインGPで今季初表彰台の3位。昨年の2位に続き2年連続表彰台と今季初優勝に闘志。今季2位が2度のアレックス・マルケスも今季初優勝に挑みます。

コメント
マルク・マルケス(MotoGP 総合1位)
「へレスでは本当にすばらしい週末になりました。そして、月曜日のテストもいい結果に終わり、今はル・マンに向かっています。天気については、だれも予想できないと思いますが、FP1からいい走りをしていくことが重要になると思います。昨年はここで初めてのウエットレースを経験し、たくさんのことを学びましたが、今年はドライコンディションでレースができればと思っています。ダニとホルヘ(ロレンソ、ヤマハ)、そしてバレンティーノ(ロッシ、ヤマハ)は、ここでポイントを取り戻そうと全力を尽くすと思いますが、自分も決勝に向けてしっかりメニューを消化していくだけです。ここでの勝利はチャンピオンシップに重要な意味を持つと思います」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 総合2位)
「へレスの週末を楽しむことができました。特にロッシとの後半のバトルは本当に楽しいものでした。しかし、月曜日のテストを終えて右腕に異常を感じ、火曜日にバルセロナでミール医師の診察を受けたところ、早急に手術することを勧められました。一刻も早い回復のために、我々はこのアドバイスに従いましたが、金曜日のFP1でどんな走りができるかは分かりません。昨年のル・マンでは初めて勝利することができましたが、とてもタフなレースでした。これまでもいい成績を残してきている好きなサーキットなので、天候には十分に注意していきたいです。スペインGP後のへレステストはとても有意義でした。いい感触をつかんだので、それをル・マンでも発揮できたらと思っています」

ステファン・ブラドル(MotoGP 総合6位)
「へレスで行われたスペインGPで症状が出た腕上がりの問題を解消するために、手術を受けました。手術は成功に終わり、ここ数日はル・マンの開幕に向けてケアを行っています。初日にどんな走りができるか、正直、今は予想もつきません。今回、このタイミングで手術することにしたのは、シーズンが始まったばかりですし、まだまだ先は長いからです。再び上位に食い込んでいくためにも、このタイミングで手術をするのがいいと考えました。回復する時間はまだ十分にあります。全力で挑みます」

ニッキー・ヘイデン(MotoGP 総合11位)
「ル・マンは、これまであまりいい思い出がありません。好きなコースとは全く正反対のサーキットでしたからね。しかし、子どもの頃から父親はそういう好き嫌いを許さなかったので、常に全力で挑んできました。ル・マンには好きなコーナーがいくつかあり、素敵なファンがいます。しかし、ル・マンは低速コーナーからの加速が重要になるので、我々のマシンには不利かもしれません。とにかくヘレスでのスペインGPで感じた手首の痛みに注意しながら、スペインの好調だった走りをキープしていけるように努力しなければなりません。楽しく、もっと速く走れるようにがんばります」

青山博一(MotoGP 総合12位)
「4戦を終えて、ここまではいい感じです。特にヘレス後のテストではセットアップも進み、それをル・マンで試すのが楽しみです。ル・マンは、基本的にストップ&ゴー型で、低速コーナーがとても難しいですね。とにかくヘレスからのいい流れをキープしていきたいです。伝統あるル・マンは、独特の雰囲気があって大好きです。ヘレスで足りなかった部分をここで見つけられたらうれしいです。それを生かせるサーキットが前半戦は多いので、とても重要な一戦になります」

スコット・レディング(MotoGP 総合13位)
「昨年は、ル・マンでMoto2初勝利を達成しました。このサーキットに戻って来られてとてもうれしいのですが、気になるのはその難しい天候です。MotoGPマシンではウエットコンディションを経験していないので、ウエットになれば初めての経験となります。ドライになれば、ヘレスよりもグリップを出すことが目標になります。それが実現すれば、我々のマシンとサーキットとの相性はいいはずなので、いい走りができると思います。ル・マンは狭くて小さいので、タイムは接近します。自分のライディングスタイルと電子制御の調整が重要になりますが、先週のスペインGPとその後のテストでの成果を生かせると思います」

アルバロ・バウティスタ(MotoGP 総合15位)
「ル・マンは決して好きなサーキットではありません。というのも、天候が不安定で、コンディションがコロコロ変わってセッティングが難しいからです。しかし、今の目標は、少しでも多くのポイントを得ることです。天気予報によれば、今大会も不安定なようで、そうなると状況はかなり難しいです。スペインGP後のテストでは、いくつかのセットアップにトライして、いい結果を得られました。このサーキットでも、それが生かせることを願っています」

カレル・アブラハム(MotoGP 総合17位)
「スペインGP後のテストでは、いくらかセットアップを進めることができました。決勝レースでの不思議な転倒のあとなので、とてもよかったです。ル・マンは、天候が不安定なこともあって、正直、あまり好きなサーキットではありません。ウエットとなれば、アスファルトのコンディションが一定ではなく、場所によってグリップが変わるので、難しいサーキットです。とにかく、ドライコンディションでレースができることを願っています」

エステベ・ラバト(Moto2 総合1位)
「大好きなアルメリアでテストを行って、ル・マンに挑みます。余計なプレッシャーはありません。アルメリアでは、2日間のテストを楽しめましたし、今まで以上にチームの総合力を知ることができました。アルメリアのサーキットはとてもすばらしく、ル・マンに向けて着実にセットアップを進めることができました。勝ち続けるためにも、この調子をキープしていきたいです」

ミカ・カリオ(Moto2 総合2位)
「ここまでの4戦を振り返ってみると、セットアップを進めるアイデアがいくつかありますが、スペインGPのレースウイークでは、これらを試すことができませんでした。しかし、アルメリアの2日間のテストで、これまでできなかった、7〜8のセットアップを試すことができました。その結果は上々で、これからのレースがとても楽しみになりました。ル・マンのレイアウトは、ストップ&ゴー型なので、あまり好きではありません。しかし、これまでもそれなりにこなしてきましたし、できることならアルメリアでのテストの成果をフランスで試してみたいと思っています」

マーベリック・ビニャーレス(Moto2 総合3位)
「アラゴンのテストでは、たくさんの周回をこなせましたし、いろいろなことを試すことができたので、とても意味あるものになりました。ここで試したことはアラゴンGPはもちろん、ル・マンに向けても有意義だったと思います。ここまでのいい流れをキープできるテストになりました」

中上貴晶(Moto2 総合20位)
「スペインGPを終えて、アラゴンで2日間のテストを実施しました。開幕から4戦、不運のレースが続いていることもあり、今回のテストはとても重要なものでした。今回のテストで得たデータをフランスでしっかり発揮したいと思います。アラゴンのテストを終えたあと、チームの本拠地があるフランスのアレスで数日を過ごしました。ダートトラックでトレーニングを行い、それからル・マンに向かいました。昨年の大会はトップを走っていて転倒するという悔しいレースだったので、今年はその雪辱を果たしたいです」

長島哲太(Moto2 ノーポイント)
「ル・マンは初めて走るサーキットなので、楽しみにしています。まだMotoGPのサイトで見ただけですが、回り込むコーナーが多く、今の僕のマシンには厳しい条件になるかもしれません。スペインGPのあと、イタリアのムジェロで3日間のテストを行いました。スポーツ走行的なもので、本格的な走りではありませんでしたが、コースを覚えるという点ではいいテストになりました。このテストには伊藤(真一)さんが来てくれて、いろいろアドバイスをもらいました。マシンに足りない部分を補うライディングの仕方など、とても勉強になりました。ル・マンでテストの成果を生かせたらと思います」

エフレン・バスケス(Moto3 総合3位)
「ル・マンは大好きなので、いいレースができると思います。ここまでは、スピードもありますし、Hondaはよくサポートしてくれています。フリー走行、予選といい状態をキープして、決勝に挑みたいです」

アレックス・リンス(Moto3 総合4位)
「フランスGPをとても楽しみにしています。ヘレスのスペインGPでは、チャンピオンシップリーダーのジャック・ミラー(KTM)との差を少し縮めることができたし、アラゴンでのテストもいい結果で、ル・マンでは彼に先着できる自信もつきました。テストはとても順調でしたし、モチベーションは高いです」

アレックス・マルケス(Moto3 総合5位)
「ル・マンは天候が不安定ですが、それに対応していかなければなりません。できれば晴れ続けてほしいです。今年はここまで天候に恵まれているので、マシンのセットアップをする時間がたくさんありました。昨年の大会は5位。やらなくてはいけないことがたくさんありました。今年も初日からいいセッティングを見つけられるようにがんばります」

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