[HONDA]JMX Rd.3 決勝 小方誠が今季初のヒート優勝&総合優勝

IA1では、小方誠が今季初のヒート優勝&総合優勝
IA2では、富田俊樹がヒート2で2位入賞

シーズン序盤の3連戦の最後となる、全日本モトクロス選手権第3戦の舞台は、広島県東部にある世羅グリーンパーク弘楽園。昨年は年1回のみ行われたこの中国大会は、再び、春と秋の2度の開催に戻されています。

丘の斜面を巧みに利用してレイアウトされたアップダウンのあるコースは、長いストレートと広いコース幅、多彩なジャンプが特徴。路面はハードパックで、ハイスピード設定です。また、緩やかな左カーブに設けられた20mを超える2連のラムソンジャンプが、このコースの名物となっています。

今大会は天候に恵まれ、予選が行われた5月10日(土)、決勝が開催された11日(日)ともに、朝から晴天。強い日差しとやや強めの風がすぐに路面を乾かしてしまうため、レースインターバルには、入念な散水作業が続けられました。

●IA1(450/250)ヒート1
星野裕(KTM)、小島庸平(スズキ)、深谷広一(TEAM. MOTO. SPORTS. FUKAYA×TEAM.CRF)の順でオープニングラップをクリア。Team HRC勢は、成田亮が4番手、小方誠が10番手からの追い上げを狙いました。ところが2周目、成田がスリップダウンを喫して、12番手まで順位を下げてしまいました。一方で小方は、10台ほどが縦に長いトップグループを形成する中で、序盤から積極的に順位を上げ、4周目には小島と深谷に次ぐ3番手に。その後は、冷静に前を走るライダーを観察し、中盤に入ったところでトップに立ちました。また成田も、混戦の中で着実にポジションを回復させていきました。

レース後半、大集団から数名が脱落し、上位勢は小方、熱田孝高(スズキ)、成田、深谷の順。成田は一時、2番手の熱田まで約4秒差に迫りましたが、その後にペースを落としました。終盤、トップの小方に熱田が接近すると、ここで小方がベストラップを更新して逃げきり、今季初優勝を達成。成田は深谷を振り切り、3位に成田、4位に深谷が入りました。

●IA1(450/250)ヒート2
小方と成田は再びスタートが決まらず、小方が5番手、成田が8番手で1周目をクリア。それでも、ヒート1に続いて、小方は序盤から順調に追い上げ、5周目には星野優位(SEKI Racing MotoRoman & KBF-RS)をパスして2番手に浮上しました。ところがその段階で、トップを走る新井宏彰(カワサキ)との差は、約6秒に広がっていました。

また、成田はペースを上げることができず、序盤は7台による4番手グループを走行。レース前半が終わる10周目の段階でも6番手と、苦しい展開となりました。そして、後半に入ったところで星野優位を抜いて5番手に浮上すると、以降は次第に単独走行となりました。

両ヒート制覇を狙った小方は、レース中盤に新井のリード拡大を許し、こちらも成田と同じく単独走行に。そのままレースは20周でチェッカーとなり、優勝の新井に次いで小方が2位でゴール。成田は5位でフィニッシュし、終盤に星野優位をパスした深谷が6位入賞を果たしました。その結果、両ヒートの総合成績で、小方がトップとなりました。

●IA2(250/125)ヒート1
Team HRC勢はそろって好スタートを決め、富田俊樹がトップ、田中雅己が勝谷武史(カワサキ)に次ぐ3番手で1周目をクリア。2周目に富田は2番手に後退し、その後は富田、田中、能塚智寛(カワサキ)が、2番手争いを繰り広げました。そして5周目に田中、6周目に富田が能塚にパスされ、ポジションを下げました。

しかし、富田と田中はその後に粘りをみせ、2人で接近戦を演じながらも能塚との差を最少にとどめると、レース後半には再び能塚に接近。ここに岡野聖(スズキ)が加わり、終盤には4台が2番手を争いました。ところが、富田と田中は終盤に岡野の先行を許してしまい、優勝の勝谷、2位の岡野、3位の能塚に次いで、富田は4位、田中は5位に終わりました。

●IA2(250/125)ヒート2
Team HRC勢は両者がスタートダッシュに失敗し、富田が1周目を7番手、田中は2周目を15番手でクリアする、苦しい展開となりました。それでも、3周目には富田が4番手までポジションアップ。田中も、5周目までに11番手へと順位を上げました。ところが、6周目のフープスで田中が転倒。22番手まで大きく順位を落としてしまいました。

一方の富田はレース中盤、2番手を争っていた岡野と能塚に迫り、9周目にまず岡野を攻略。そのまま能塚に迫ると、一度は少し引き離されたものの、レース時間が残り10分を切ったところで前に出ました。その後、粘る能塚に一時は先行を許しましたが、最終的に能塚を抑え、独走の勝谷に次ぐ2位となりました。なお、田中は19位でゴールしました。

コメント
■小方誠(IA1・優勝/2位)
「ヒート1は、スタートそのものは悪くなかったのですが、みんなと走行ラインが重なったため、少し引いて、確実に走ることにしました。その結果、予想以上に出遅れたので驚きましたが、早い段階でライバルを次々にパスできたことで、気持ちに余裕が出ました。3番手になったときには、前の2人がマシンを暴れさせていたので、トップに立てると確信しました。最後に熱田選手が迫ってきて、それまで差をあまり把握していなかったので焦りましたが、ペースを上げたところ、引き離せました。ヒート2は、2番手になった段階で新井選手との差が結構あり、このコースを知り尽くしている新井選手のラインを盗めませんでした。とはいえ、総合優勝もでき、これまでやってきたことが間違っていないと自信を持てました」

■成田亮(IA1・3位/5位)
「予選や練習走行でタイムが出ないまま決勝に臨んだことが、焦りによるヒート1の転倒につながりました。冷静であれば、勝負を急ぐ必要がないと判断できたと思います。12番手からの追い上げで3位という結果も、それを示していると思います。そして実は、この追い上げ途中に腰を痛めてしまいました。とはいえ、走るからにはヒート2も優勝を目指していたのですが、まずスタートに大失敗。追い上げていこうと前を見たら、2周目に新井選手がいきなり後ろを引き離していて、この段階で目標を、表彰台圏内に修正しました。しかし、腰をかばいながら走ったことで体力の消耗が激しく、5位に終わりました。次から地元東北での3連戦なので、気持ちを新たに臨みます」

■富田俊樹(IA2・4位/2位)
「ヒート1は、なかなかリズムがつかめなかったことでペースが上がらず、しかも後半にタレてしまいました。スタートでトップに立ったことで気持ちの部分でがんばりすぎてしまったのと、路面が荒れた後半にラインを変えられなかったことが敗因だと思います。逆にヒート2は、スタートで出遅れたことで、とにかく1つずつ前にという、シンプルな展開だったため、気持ち的には楽でした。最後までペースを落とすことなく、ラインの自由度もありました。しかし、勝谷選手が速すぎて全く歯が立ちませんでした。ただ、それはあくまで、現状における自分の実力とこのコースでの話です。勝谷選手との実力差を埋める努力を続け、秋にこのコースへと戻ってきたときには、勝利したいと思います」

■田中雅己(IA2・5位/19位)
「この大会では、両ヒートとも結果以前に走りがまるでよくない状態でした。ヒート1は、勝谷選手に逃げられたものの2番手争いに加わっていましたが、最後まで手探り状態でした。ヒート2は、スタートに失敗したあとで、ジャンプ中に接触されかけるような危ないシーンもあり、うまく追い上げられず、焦りが生じました。それが序盤の転倒につながったのだと思います。その後も、まるでいいところがないレースでした。ここのコースは嫌いではなかったのですが、勝谷選手があまりに速く、それにどう対処するかを考えているうちに、迷いが生まれてしまいました。自分の走りをしないことには、トップの勝谷選手どころか、ほかのライバルにも負けてしまうので、次戦は自分の走りだけに集中して挑みます」

■芹沢直樹|Team HRC監督代理
「IA1では、小方がドライ路面では自身初となる、最高峰クラスでの優勝を挙げました。しかも、スタートで出遅れながらテンポよく前に出て、終盤にペースを上げて逃げきりと、これまで課題としてきたことを数多くクリアしての結果に、大満足しています。ヒート2では、荒れた路面でのライン選択に苦しんだことによる2位だったので、この点は次戦以降に克服させていきます。成田は、このコースとの相性が悪く、ヒート1では珍しく転倒。それでも表彰台圏内までは追い上げ、さすがだと感じさせられました。ヒート2はさまざまな要因が重なっての5位でしたが、シーズンを通して考えれば、無理をする局面ではありません。しかも、次戦は得意なスポーツランドSUGO。小方も好調なので、チームとしても次が楽しみです。IA2は勝谷選手が段違いの速さで、残念ながら完敗でした。レースでもランキングでも、しぶとく後ろからプレッシャーをかけ続けながら、現状を打破する方法を考えていきます」

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