H-Dにオフロードモデルが誕生か!?

ハーレーのスポーツスターをベースに本格的なオフロードバイクを作ってしまった人物がいる。CADを駆使して半導体のハイテク部品を設計することが本業だったジム ・カルドゥッチ氏は、そこで磨いた腕前を生かしてオリジナルのアルミ削り出しパーツなどを次々と製作。大好きなスポーツスターのエンジンやフレームを骨格に、足りないパーツはアフターパーツを組み合わせてプロトタイプとして完成させたCarducci Dual Sport SC3 Adventure (カルドゥッチ デュアル スポーツ SC3アドベンチャー)」である。

ベース車両にはエンジンがラバーマウントではない、1993〜2003モデルの「スポーツスター 883 &1200」を使用。これはラバーマウント仕様だと重く、かつオフロード走行のフィーリングが掴みづらいからだとか。最初に設計したパーツのひとつがアルミ合金から削り出したスイングアームで、ノーマルと比べてかなり長いが軽量高剛性で捻じれにも強いのが特徴。その他にも自慢のアルミ製タンクや三又、フライスクリーンやスキッドプレート、エンジンガード、フェンダーなどもカスタムメイドである。

ノーマルのスポーツスターからの流用部分はエンジンと小変更のフレーム、リヤブレーキ、メーター類などで多くはない。現在は採用予定の前後オーリンズ製サスペンションやレオビンチ製マフラー、コルビン製シートなど、10社近いアフターパーツメーカーと見積り交渉をしている段階であり、本業の知識を生かして、構造分析や流体力学など検証を兼ねてプロトタイプの試走を繰り返しているようだ。

「カルドゥッチDual Sport」のビジネスは立ち上げから1年未満だが、すでに本部と工場はカリフォルニアにあり、すべてのカスタムパーツはそこで製造されているそうだ。当初は個々のパーツを売るというアイデアもあったそうだが、コストに見合わないということで、コンプリートモデルとして「SC3アドベンチャー」を提供することに決めたという。
今のところ、年間6台を生産する体制で価格は7万2000ドル(約740万円)とのことだが、今後はコストダウンにより求めやすい仕様にしていく計画もある。

気になる性能についてはカルドゥッチ自身、「オフロード性能はKTM950と990の中間ぐらいで、乾燥重量475ポンド(215kg)も同1190アドベンチャーやBMW F800GSと同等レベル。オフロードパークをかなり激しく走り込んでみたが、トラクション性能に優れ、驚くほど扱いやすい」とコメントしている。走りのシーンも動画で公開されているので、気になる向きはチェックしてみては。

「ハーレーのノスタルジックなVツインエンジンでアドベンチャーモデルを作りたかったし、もっと基本に戻れる何かが欲しかった」と同氏。その言葉には、最近の行き過ぎたハイテクマシンへのアンチテーゼが込められているようにも思える。果たして第二の「Buell」になれるか、今後の動向に注目したいところだ。

Webikeニュース編集長 ケニー佐川

【関連ニュース】
◆H-Dスポーツスターベースのオフロード車のプロトタイプが完成
◆Carducci Dual Sport Sportster Conversion

写真出展元:Motorcycle USA

ケニー佐川

ケニー佐川Webikeニュース編集長

投稿者プロフィール

早稲田大学教育学部卒業後、情報メディア企業グループ、マーケティング・コンサルタント会社などを経て独立。趣味で始めたロードレースを通じてモータージャーナルの世界へ。
雑誌編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。
株式会社モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。
日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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