[HONDA]JMX Rd.1 決勝 IA1では成田亮が両ヒートを制覇し、Team HRCが総合成績で1-2を飾る

IA1では成田亮が両ヒートを制覇し、Team HRCが総合成績で1-2を飾る
IA2では富田俊樹が両ヒート3位で好発進

全日本モトクロス選手権は、2014年も再び熊本県のHSR九州(ホンダセーフティ&ライディングプラザ九州)で幕を開けました。Hondaの二輪車生産拠点の1つ、熊本製作所の敷地内にあるこのコースは、シーズンオフの際にリニューアルされ、まったく新しいレイアウトに生まれ変わりました。まず大量の砂が搬入され、この土地本来の特徴である阿蘇の火山灰による黒土の上に盛られました。さらにレイアウトの変更によって全長が500mほど延長され、約2.2kmの長さとなり、コース幅も全体的に拡大。世界選手権が開催できるほどの仕様となりました。

HondaファクトリーチームのTeam HRCは今季、最高峰クラスのIA1に2013年覇者の成田亮と2013年ランキング2位の小方誠を、IA2には昨年に引き続き田中雅己と、新たにチームに加入した2013年IA2チャンピオンの富田俊樹を擁し、4台体制で臨みます。

●IA1(450/250)ヒート1
昨年、最終レースでの逆転劇で2年連続チャンピオンに輝いた成田亮がホールショットを奪い、1周目をトップでクリア。しかし2周目、平田優(ヤマハ)にパスされて2番手に後退しました。小方誠はスタートに失敗して1周目は8番手となります。小方は次周では順位を1つ上げて、レース前半では7番手の位置をキープしました。

2番手に後退した成田は、平田の走りを分析しながらラップタイムを上げていき、5周目にはこのヒートのファステストラップタイムを刻みながら平田を猛追。そして、予選でも速さを披露してきたフープスで一気に差を縮め、6周目に再びトップの座を取り戻しました。
レース後半は、追いすがる平田に対して、成田が約3秒のアドバンテージをキープ。そしてレースは15周でチェッカーとなり、成田が今季最初の全日本レースで勝利を収めました。小方はレース後半までペースを守り、11周目には4番手にポジションアップ。田中教世(ヤマハ)の背後に迫る4位フィニッシュを果たしました。

●IA1(450/250)ヒート2
成田が再び好スタートを決め、オープニングラップをトップでクリア。これに平田、新井宏彰(カワサキ)、星野優位(SEKI Racing MotoRoman & KBF-RS)、小方と続きました。2周目で成田は平田の追撃を受けます。本来、成田が得意としているフープスで平田が先行。しかし直後に平田が転倒し、成田はトップを守りました。

この段階で小方は小島庸平(スズキ)に抜かれて5番手を走っていましたが、次周には一気に3台を抜いて2番手までポジションアップ。徐々に後続を引き離し、チームメートの成田に接近しました。そして8周目、ペースを上げた小方が成田を抜き、トップに立ちました。
すると、小方に抜かれた成田もペースを上げ、Team HRCの2台はライバルを完全に引き離して走行。一時は小方が成田に2秒ほど先行しました。しかし、ラスト2周で成田が最速ラップタイムを記録して小方に再接近。最終ラップで逆転に成功し、成田がトップ、小方が2位でゴールしました。これによりTeam HRCがホームコース大会を制しました。

●IA2(250/125)ヒート1
小川孝平(Team ITOMO)が1周目をトップでクリア。次周には、このヒートのファステストラップタイムを刻み、逃げきり態勢に入りました。これを追ったのがTeam HRCの富田俊樹。3周目には、小川に迫る好タイムを記録して、約2秒差で小川をマークしました。ところがレースも中盤に入った6周目、富田は痛恨の転倒を喫し、4番手へと後退しました。

田中雅己はスタートで出遅れ、1周目は8番手となります。3周目には7番手に浮上しますが、その後は前走車の攻略に手間取りました。レース後半、小川はミスによりタイムを落とし、竹中純矢(スズキ)の接近を許しましたが、最後まで約3秒のリードをキープ。開幕戦での優勝を達成しました。富田は終盤に順位を1つ上げて3位、田中は8位でゴールしました。

●IA2(250/125)ヒート2
Team HRCの2人はそろって好スタートを決め、富田がトップ、田中が2番手でオープニングラップをクリア。勝谷武史(カワサキ)を挟み、小川が4番手で続きました。2周目以降はこの4名がトップ争いを展開します。4周目、田中と富田は勝谷に抜かれて順位を下げました。その後、勝谷は集団を引き離して独走。一方で田中と富田は、僅差の2番手争いを続けました。

8周目、富田が田中を抜いて2番手に浮上。10周目には田中が転倒を喫し、2番手以下は富田、小川、能塚智寛(カワサキ)、田中の順となりました。さらにレース終盤の11周目が終わるところで、小川も転倒により後退。ラスト2周の14周目には、富田が能塚に抜かれました。そして勝谷がトップ、能塚が2位、富田が3位でゴール。田中は4位、小川は8位となりました。

コメント
■成田亮(IA1・優勝/優勝)
「実は今回のコース改修は、いろいろな思いから昨年、僕がHondaにお願いしたことでした。これに応えてくれたHondaに対し、なんとしても勝利で恩返ししたいと思っていたことから、レース前は正直、プレッシャーもありました。予選ではつい熱くなりすぎてしまい、ゴール後にほかの選手に対してよくない態度を取ってしまいました。申し訳ありませんでした。今後はチャンピオンライダーにふさわしい行動をしていきます。決勝は冷静に挑めましたので、ヒート1では平田選手、ヒート2では小方選手に先行されましたが、抜き返せる場所を探すことができました。最終的に勝利の要因となったのは、僕の負けず嫌いの精神だと思います。これからも『勝ちたい』という気持ちを大切にしていきたいと思います」

■小方誠(IA1・4位/2位)
「ヒート1はスタートで出遅れてしまいました。しかも、レース序盤から中盤にかけて前を走るライダーのペースに飲み込まれてしまい、追い上げが遅れてしまいました。この反省を生かし、ヒート2ではスタートに集中して臨み、序盤から積極的に順位を上げる走りを心がけました。この作戦がうまくいき、成田選手のパッシングにも成功しました。その勢いで引き離すつもりでしたが、成田選手に自分のラインを研究されてしまったようで、うまくいきませんでした。すぐ背後にいることは分かっていましたので、最終ラップは絶対に仕掛けてくると思っていましたが、自分が予想していたコース後半のリズムセクションではありませんでした。最後まであきらめずにプッシュしましたが、再逆転はできず、本当に悔しいです」

■富田俊樹(IA2・3位/3位)
「今季からファクトリーチームで走れるようになり、レースだけに集中できる夢のような環境に感動しています。一方で、ディフェンディングチャンピオンという立場もあって、開幕戦はかなりの緊張を予想していました。ですが、想像していたよりはリラックスして臨むことができました。特にヒート1は、自分のミスによる転倒がなければ勝てる可能性が大きいレースだったと思うので、両ヒートを3位でまとめた今大会の成績にはもちろん納得はしていません。またヒート2では、午前とは路面コンディションが変わったことから、いいラインをうまく選択することができず、今後の課題も多く残った大会でした。今年は、年間タイトル防衛だけでなく、勝ち星を増やすということもテーマにしたいと思います」

■田中雅己(IA2・8位/4位)
「レース前にあまり乗り込みができない状況が続いて、不安の残る開幕となりました。昨年のような緊張はありませんでしたが、ヒート1はスタートに失敗して出遅れてから、うまく走行ラインを変えられず、前を走るライダーのペースにはまってしまいました。今季は悪くても6位以内に入るという目標がありましたので、最初からこれを達成できない状況となりました。ですが、ヒート2では気持ちを切り替え、好スタートからトップ争いを演じることができました。優勝した勝谷選手はかなり速かったですが、もう少しマシンへの乗り込みを行ってスピードアップを図れば、十分に勝負できる位置に自分がいることも確認できました。途中の転倒がもったいなかったのですが、収穫もあったレースだと思います」

■芹沢直樹 | Team HRC監督代理
「IA1は、両ヒートで成田の前をライバルが走る展開でした。ですが、一度抜かれても相手の走りを研究して終盤に逆転するというのは、成田が得意とする戦略の1つなので、安心できる部分もありました。ヒート2では1-2フィニッシュが達成できたので、これ以上の満足はありません。一方、IA2は実力がきっ抗した混戦模様のクラスですから、簡単には勝利できないと分かっていました。その中でミスはあったものの、富田はうまく両ヒートをまとめられたと思います。田中はヒート2で本来のキレが戻り、課題は残りましたが、勝てるスピードがあることは証明できたと思います。ちなみに4名の選手には今季、『かつて自分が現役だったときにはできなかった、かっこいい走りで勝利を目指してほしい』と要望を出しています。楽しみながら勝利し、両クラスの年間ランキング1-2獲得を狙っていきます」

■小川孝平(IA2・優勝/8位)
「シーズンオフから調子がよかったので、早くレースがしたかったです。しかも今回は、足まわりのセッティングもばっちり決まっていたので、優勝も可能だと思って臨みました。昨年までは、サスペンションセッティングがうまくいかないと、イライラしてしまうことがありました。しかし、それではいけないと思い、今はマシンの状態をメカニックやサポートしてくれている方々に、しっかりと状況を伝えられるよう努力を続けています。その結果、自分の好みに合うマシンになってきました。ヒート2では自分のミスで順位を落としてしまったのが残念ですが、開幕最初のレースで勝つことができたので、波に乗れそうです」

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