【試乗インプレッション】「K1200RS」「速いオートバイ」が苦手な人へ

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 もうパワー自慢の4気筒スポーツに乗る歳じゃない。そう考える大人のライダーは多い。80年代のオートバイブームを力いっぱい駆け抜けた反動か、いまや150馬力オーバーが当たり前の世界に疲れてしまうのか「速いオートバイ」はもれなく拒否してしまう。心当たり、ありません?
 でも、このRスポーツに関していえば、それは大きな間違い。とかく、スポーツモデル嫌いのライダーは「速いオートバイ」といえばキツい前傾姿勢とガチガチの乗り心地の悪さを連想しがちだけれど、RスポーツはベースモデルがネイキッドのK1200Rだけあってポジションはわずかに前傾といった程度。顔つきこそスポーツだけど気分はネイキッドと変わらない。
 しかも足周りのフィーリングは目からウロコの柔らかさで、乗り心地抜群なのにコーナーを曲がっている最中はビシッと背骨が一本通っている。ギャップを見つけても、前後のタイヤが均等に路面に張りついているので、「こう走りたいな」というイメージも難なく実現……。思うとおりにオートバイが動かせる。これはもう、ライダーにとっては快感以外なにものでもないはず。BMWのデュオレバー&パラレバーという独特の前後サスペンション方式に改めて感動させられる思いだ。
 それに加えて、エンジンは掛け値なしの163馬力。すべてに動じないフットワークがあるため、この数値にも恐怖感は感じないが、アウトバーン疾走に標準を合わせた車体は、鼻歌まじりのクルージングでも気がつくと日本の法定速度を軽く超えてしまう。調子に乗りすぎは厳禁というわけ。ちなみに6速で時速100㎞/hのときタコメーターは約3700rpm。レッドゾーンが11000回転からなので、高速クルージングは余裕そのものだ。そこから回転を上げていくと、エンジンの唸りに比例して4気筒らしい目のくらむような加速へとつながる。
 これがネイキッドモデルのRだったら、163馬力の加速による風圧にド根性で立ち向かう真っ最中だろうから、快感に酔う余裕などあるはずもない。しかし、ハーフカウルのおかげでライダーは平和だ。疲れないこともありがたいが、落ち着いてライディングを味わえるというアドバンテージは大きい。2005年に新型の4気筒を積んだSが発表されてから約2年。なぜ、もっと早い段階でこのハーフカウルが装着されなかったのか、今となっては不思議なくらいだ。欲をいえば、1日500㎞を走るようなロングツーリング向けに、スクリーンはもうすこし大きめでもいい思うが、これはあくまで欲をいえば…という話だ。
 いかにハイパワーなオートバイを敬遠するライダーでも、渋滞の街乗りでもこなし、ゆったり旅も楽しめて、ワインディングで忘れていたエキサイティングさを思い知らされれば、いやでも偏見を捨てざるを得なくなるだろう。「上がり」のオートバイを好む傾向はどこへやら…… まだまだ枯れないライダーとしての自分に嬉しくなる。ちなみに「速いオートバイ」を敬遠しがちなライダーほど、Rスポーツの快感の虜になりやすいので、お店で試乗などする場合はご注意を。速さ=乗りづらいはもう昔の話。オートバイ乗りとしてのアナタを枯らさない4気筒の快感。うかつに知ると、戻れなくなること間違いありませんから。

002K1200Sから始まったテレレバーの進化形となるデュオレバーが採用されている。動きのしなやかさは格別で、曲がっている最中でもフロントタイヤの接地感があり安心感が高い。
 しなやかなリアショックとパラレバーとの組み合わせでタイヤが滑るような怖さをまったく感じさせない。工場オプションの電子制御サスペンション(ESA)があれば手元で自由に減衰を変更することができる。003低重心を狙い55度も前傾されて搭載された横置き4気筒エンジンはピークで163馬力を叩き出す。ライダーが快適なポジションをとれるのも、エンジンのコンパクトさがあってこそだ。004BMW独自のリアサスペンション方式がパラレバー。バネ下重量の軽減やボディ幅をスリムに保つのにひと役かっている。唐突なオートバイの動きの変化をやさしく受け止めてくれる。005メーター周りはいたってシンプルで、スピードメーター・タコメーターともにアナログ。流行に乗ってデジタルメーターに走らないところがドイツ車らしい剛健さを感じるポイント。グリップヒーターはツーリング派の必須装備。006適度な堅さで疲れず、シートの上でお尻が滑ることもない。ライダーとバイクをつなぐ部分であるだけに重要なシートだが、特に不満はない。タンデムも充分可能なキャパシティを確保している。007身長177cmのライダーでちょうど両足のかかとがつく。身長が160cm台でもとくに不安を感じることはないはず。ポジションは軽く前傾だが、ほぼアップライト気分だ。

情報提供元 [オートバイ]

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