ホンダ、MotoGP第18戦 バレンシアGP プレビュー

2013年シーズンの最終戦となる第18戦バレンシアGPが、11月8日(金)から10日(日)までの3日間、バレンシア・サーキットで開催されます。バレンシアGPは1999年にスタートし、今年で15回目を迎え、2002年からは最終戦の舞台として定着してきました。

バレンシア・サーキットは、スペインGPが開催されるヘレス、マレーシアGPのセパンと並び、ウインターテストの舞台として定着しています。そのため、ライダーの経験値が高く、チームが持つデータも豊富で、初日からレベルの高い走りが繰り広げられます。そして、ファンの脳裏に刻まれるような数多くの名勝負とドラマが繰り広げられてきました。

その中でも、2006年のニッキー・ヘイデンとバレンティーノ・ロッシの最終戦決着は、ファンの記憶に残るレースとなりました。当時、Repsol Honda Teamに所属していたヘイデンは、8点差の総合2位で最終戦を迎え、バレンシアの地で、見事に逆転チャンピオンを獲得しました。今年は、総合首位のマルク・マルケス(Repsol Honda Team)と総合2位のホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)のチャンピオン決定戦として、世界中の注目を集めています。06年以来の最終戦決着となり、昨年を大幅に上回る観客動員も期待されています。

過去14回の大会で、Hondaは7度の優勝を達成してきました。アレックス・バロス、ロッシ、マルコ・メランドリが、HondaのMotoGPマシンで勝利し、2011年にはRepsol Honda Teamのケーシー・ストーナーが制し、12年にはダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が07年、09年と合わせて3度目の優勝を飾りました。今年は、総合3位が確定しているペドロサの2年連続4度目の優勝と、マルケスの史上最年少チャンピオン獲得に世界中が注目しています。

バレンシア・サーキットは、一周4.005kmのテクニカルコース。左回りで低中速コーナーが連続し、メインストレートを除き、常にマシンがどちらかにバンクしていている難易度の高いレイアウトになっています。また、この時期のバレンシアは不安定な天候が多く、例年、チームの総合力が要求されるレースとなります。そして、選手にとっては高い集中力を求められるレースが続いています。

総合首位でタイトルに王手をかけているマルケスは、これまで経験したことがないプレッシャーの中で今大会を迎えることになります。今年は20歳でMotoGPクラスにデビューし、第2戦アメリカズGPで史上最年少記録で優勝し、世界中の注目を集めました。以後も次々に新記録を樹立してきました。

タイトル王手で迎えた第16戦オーストラリアGPでは、コース改修の影響でタイヤトラブルが続出し、レースが短縮され、さらにレース中にマシンをチェンジするフラッグ・トゥ・フラッグという異例の形でレースが行われました。そのレースでマルケスは優勝争いに加わりますが、チームの作戦ミスで失格となります。しかし、連戦となった第17戦日本GPでは2位でフィニッシュ。今季15度目の表彰台に立ち、タイトル獲得にあと一歩に迫りました。

マルケスは、2009年のバレンシアGPでは125ccクラスのチャンピオンを獲得。Moto2クラスのタイトルを獲得して迎えた昨年の大会では、最後尾スタートから優勝するという伝説のレースを披露して世界中を驚かせました。今年は最終戦を残し、総合2位のロレンソに13点差。最高峰クラスでは、史上最年少チャンピオン獲得という大偉業達成に注目が集まっています。

前戦日本GPで3位になり、総合3位が確定したペドロサは、最終戦バレンシアGPで今季4勝目を狙います。これまでバレンシアでは、125ccクラスで1勝、250ccクラスで2勝、最高峰クラスでは、07年、09年、12年と3勝を挙げて、地元ファンの期待に応えてきました。今年は、念願のチャンピオン獲得を果たすことはできませんでしたが、シーズン最後のレースを優勝で飾る意気込みです。

前戦日本GPでは、Repsol Honda Teamが、2002年からスタートしたチームタイトルを3年連続で獲得、通算6度としました。今大会は、マルケスの個人総合、そして、最高峰クラスでは20度目(全クラス通算62度目)のコンストラクターズタイトル獲得を目指すことになります。

総合6位でホームGPを迎えるアルバロ・バウティスタ(GO & FUN Honda Gresini)は、今季初の表彰台を狙います。今年はマルケス、ペドロサ、ロレンソの3人の激しいチャンピオン争いが続き、なかなか表彰台に立てないレースが続いています。バレンシアでは、125cc時代に1度、250ccクラスで2度の表彰台に立ってきました。今年は今季初表彰台を狙う戦いとなり、地元ファンの期待に応えようと気合を入れています。

現在総合7位のステファン・ブラドル(LCR Honda MotoGP)は、第15戦マレーシアGPのフリー走行で右足くるぶしを骨折しました。そのため、マレーシアGPと、連戦となった第16戦オーストラリアGPを欠場。しかし、マレーシアGP、オーストラリアGPに続く3連戦最後の第17戦日本GPでは、痛み止めの処置を施して5位でフィニッシュしました。日本GPでは完全な状態ではなく、今大会も100%の状態ではありませんが、日本GP以上の熱走に闘志を燃やしています。

CRTマシンで出場のブライアン・スターリング(GO & FUN Honda Gresini)は、今季2度目のポイント獲得を狙います。

激戦が続いたMoto2クラスは、前戦日本GPでポル・エスパルガロ(Tuenti HP 40)がタイトル獲得を決めました。今年は、マシンのセットアップに苦しみ、不完全燃焼のレースが続きましたが、後半戦は安定した速さをみせて念願のタイトル獲得を達成しました。ホームGPとなる今大会は、チャンピオンとして凱旋することになりますので、地元ファンの祝福の中で今季7勝目を狙います。

エスパルガロとし烈なタイトル争いを繰り広げたスコット・レディング(Marc VDS Racing Team)も最終戦の優勝を狙います。レディングは、第16戦オーストラリアGPの予選で左手首を骨折して欠場。これによって、総合首位から2位へランキングを落とし、逆転を目指した第17戦日本GPでは、スタート直後の多重クラッシュでタイトル獲得の望みも消滅しました。オーストラリアGPで骨折した左手はまだ完全な状態ではありませんが、最終戦に全力で挑みます。レディングは、エスパルガロと同じく、来季はMotoGPクラスへのチャレンジが決まっています。両選手のMoto2クラスのラストレースに注目が集まります。

オーストラリアGPで8位に終わってタイトル争いから脱落し、続く日本GPではレディングとともにスタート直後の多重クラッシュでリタイアを喫したエステべ・ラバト(Tuenti HP 40)は、ホームGPとなる最終戦バレンシアGPで、日本GPの雪辱に燃えています。今年は大きな成長を遂げてシーズン3勝を挙げました。来季のタイトル獲得に向けて、最終戦を優勝で飾る意気込みです。

中上貴晶(Italtrans Racing Team)は、最終戦で念願の初優勝を狙います。今年は5度の表彰台に立ち、大きな飛躍を遂げました。シーズン終盤は、念願の初優勝の期待が寄せられましたが、第14戦アラゴンGP以降は、表彰台に立てない苦しいレースが続いています。最終戦となる今大会は、スペイン選手権時代から得意としているコース。スペイン勢の激しい優勝争いに加わる意気込みです。また、IDEMITSU Honda Team Asiaのアズラン・シャー・カマルザマンは、ポイント獲得を目指します。

Moto3クラスは、表彰台にあと一歩のレースが続いている総合7位のジャック・ミラー(Caretta Technology – RTG)が、最終戦で初表彰台、初優勝を狙います。総合8位のアレクシ・マスボー(Ongetta-Rivacold)は今季3度目のフロントローと初表彰台に闘志をみせています。また、前戦日本GPで5位のロマノ・フェナティ(San Carlo Team Italia)も今季初表彰台、初優勝に気合を入れています。前戦日本GPで初ポイント獲得となる15位でフィニッシュした渡辺陽向(TASCA RACING)は、今季2度目のポイント獲得とベストリザルトを狙います。

コメント

◆マルク・マルケス(MotoGP ランキング1位)
「3週間の長い遠征を終え、自宅で1週間の休養を取ることができました。ツインリンクもてぎでは、フリー走行で転倒して首の筋肉を痛めてしまいましたのでリハビリを続けていました。今はだいぶんよくなりました。バレンシアでは、これまでいいレースをしてきました。ここではいつもベストを尽くそうと全力で挑み、特にMoto2に出場した昨年はいい思い出となりました。ただ、天候がとても変わりやすいので、それも考慮しなければなりません。ピットガレージに戻ってマシンに乗るのを今から楽しみにしています。もちろん、今年最後のグランプリがどんなレースなのかということも分かっています。しかし、これまでもそうだったように、金曜日から一生懸命取り組んでベストを尽くしたいです」

◆ダニ・ペドロサ(MotoGP ランキング3位)
「アジアの長い旅が終わりました。ホームのファンの前でレースをするのが楽しみです。バレンシアはいつも特別な雰囲気になりますので、そこでレースができることがうれしいです。今大会はチャンピオンシップから外れてしまいましたが、これまでここでは何度も優勝しているように、いい結果を残してきました。昨年はピットスタートから優勝することができました。今年も表彰台の一番高いところでフィニッシュしたいです」

◆アルバロ・バウティスタ(MotoGP ランキング6位)
「日本GPは走る時間が少なく、セットアップするのが大変でした。しかし、とてもいいレースになりました。完ぺきなスタートは切れませんでしたが、うまくポジションを上げることができました。しかし、表彰台争いからは離れてしまったのが残念でした。とはいっても、サテライトマシンではトップでしたし、ファクトリーライダーの前でフィニッシュできましたので満足しています。今シーズンはここまで表彰台を獲得することはできていませんが、昨年よりも強い戦いができたと思います。また、その強さを今週末のバレンシアで結果につなげられたらと思います。バレンシアは(コース幅が)狭く、テクニカルなコーナーが続き、得意ではありません。MotoGPマシンのパワーを最大限に発揮するのが難しいコースですが、マシンがうまく機能するようにセッティングに一生懸命取り組もうと思います」

◆ステファン・ブラドル(MotoGP ランキング7位)
「厳しいレースが続きましたが、モチベーションを上げてバレンシアへ向かいます。日本ではレース中に右足に少し痛みがありました。しかし、難しいコンディションのレースでしたし、その中で5位になれたのはすごいことでした。足首の動きはよくなってきましたが、まだ100%ではありません。しかし、ポジティブな結果を出してシーズンを締めくくりたいと思います。ドイツに戻ってからは、いつものトレーニングプログラムを続けてきました。2レースに欠場したのは大きく、ランキング6位も逃してしまいました。今年はラグナセカで初めて表彰台に上がることもできましたし、かなりいい仕事をしたと思います」

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