[HONDA]JRR Rd.9 決勝 JSB1000は高橋巧がランキング3位、秋吉耕佑がランキング6位で終える

MFJ全日本ロードレース選手権は最終戦を迎え、今大会は全クラスにとって、タイトル決定戦となりました。

前戦での鎖骨骨折から復帰した秋吉耕佑(F.C.C.TSR Honda)は、この大会でのダブルウインにかけ、ランキングトップを走る高橋巧(MuSASHi RT ハルク・プロ)は、自身初のチャンピオン獲得に挑むことになりました。

ノックアウト方式で行われた予選は、Q1で2度も赤旗が提示される荒れた展開となりました。東村伊佐三(カワサキ)がヘアピンで転倒すると、両足を骨折する重傷で赤旗が提示。残り6分で予選が再開するものの、最終コーナーで安田毅史(Honda 鈴鹿レーシングチーム)が出口修(カワサキ)の転倒に巻き込まれて再度赤旗となりました。このため、安田は10番手タイムを記録していましたが、Q2を走ることができませんでした。なお、ポールポジション(PP)は中須賀克行(ヤマハ)が獲得しました。

Q1の結果でレース1の全グリッドが決まり、Q2の結果では、レース2の10番手までのグリッドが決まります。予選が終わり、レース1はPPが中須賀、2番手が津田拓也(スズキ)、3番手が秋吉、4番手が高橋、10番手が山口辰也(TOHO Racing with MORIWAKI)となりました。レース2はPPが中須賀、2番手が高橋、3番手が津田、4番手が秋吉、山口が7番手からのスタートとなりました。

曇り空の下で行われたレース1では、ホールショットを奪った秋吉と、それを追う中須賀のトップ争いとなり、その後方に津田、高橋、柳川明(カワサキ)が続きました。

3ラップ目のスプーンで、高橋が津田を捕らえて3番手に浮上、柳川も4番手に浮上し、津田は5番手へと後退します。4ラップ目には柳川が前に出ますが、シケインで高橋が前に、さらに5ラップ目の1コーナーで柳川が前にと、激しい3番手争いを繰り広げます。2人は2分6秒台のバトルを展開し、前を走る秋吉、中須賀に追いつき、トップグループは津田を含めて5台となりました。

6ラップ目のシケインで、高橋は5番手へと後退しますが、7ラップ目の2コーナーから3コーナーにかけての攻防で、秋吉、中須賀、津田、高橋、柳川とオーダーが変わります。柳川はシケインで高橋を捕らえ、さらに8ラップ目の1コーナーで津田を捕らえると、3番手に浮上しました。

10ラップ目、逆バンクで中須賀が首位を奪って逃げ始め、2番手を津田、柳川、秋吉が争います。12ラップ目では、柳川がシケインの攻防で2番手となり、中須賀を追いますが、最終ラップに赤旗が提示され、レース終了となりました。優勝は中須賀、2位に柳川、3位に津田、4位に秋吉、5位に高橋、6位に山口となりました。この結果を受け、ランキングトップは柳川で141ポイント、2位が中須賀で139ポイント、3位が高橋で137ポイントとなり、タイトル決定は、レース2に持ち越しとなりました。

最終レースとなったレース2は、暗い雲が上空にあり、雨が心配されましたが、路面コンディションはドライでスタートが切られました。ホールショットは中須賀ですが、S字で秋吉がトップに浮上し、レースをリード。中須賀、高橋、柳川、渡辺一樹(カワサキ)と続き、シケインの進入で柳川が2番手に浮上しますが、シケインで中須賀が前に出て、秋吉、中須賀、柳川、渡辺、高橋、山口、津田、酒井大作(BMW)と続きます。高橋は果敢な走りで、次々と前を捕らえ、4ラップ目には2番手に浮上して秋吉を追いかけます。しかし、シケインで中須賀にかわされ、秋吉、中須賀、高橋、柳川が僅差でトップ争いを繰り広げます。そのすぐ後方には津田が迫り、渡辺も続き、山口も懸命に渡辺に食らいつきました。

5ラップ目、雨が落ちたことで、コース上に雨が降り始めたことを示すレッドクロスが提示されます。トップの秋吉は、マシンコントロールが難しくなったことを手を上げてアピールし、トップ集団はペースダウンしますが、渡辺はペースを落とすことなくトップに立ちます。秋吉のアピールは受け入れられずにレース続行となり、ライダーたちは、戸惑いながら、ペースアップを図ります。その後、7ラップ目にトップに立った中須賀が、独走態勢を築き、柳川と高橋の2番手争いとなりました。

秋吉は10ラップ目に5番手に浮上、6番手には山口、7番手に津田というオーダーになります。最終的に、トップの中須賀が危なげない走りで優勝を飾りました。2番手には柳川、3番手には渡辺、高橋は4番手、秋吉は5番手、山口は6番手で、それぞれ単独走行となり、そのままの順位でチェッカーを受けました。タイトルは中須賀が獲得。ランキング2位に柳川、3位に高橋となりました。山口はランキング5位を獲得、秋吉は6位となり、シーズンを締めくくりました。

ST600のPPは中冨伸一(ヤマハ)。決勝でも、中冨が先頭を走り、渡辺一馬(Kohara Racing Team)は2番手につけます。中冨は序盤からタイムを上げ、独走態勢に。それを追いかける渡辺、井筒仁康(カワサキ)、伊藤勇樹(ヤマハ)、岩崎哲朗(カワサキ)が数珠つなぎとなりました。

5ラップ目、井筒は最終シケインで渡辺をかわして2番手となり、そのまま中冨に迫ります。渡辺は井筒をマークし、この3台でトップ集団を形成します。井筒はその後、130Rで中冨の前に出ます。9ラップ目の1コーナーでは中冨が首位を奪い返しますが、130Rで痛恨の転倒リタイアとなり、再度井筒がトップに立ち、渡辺は2番手で周回を重ねました。結局、優勝は井筒、2位に渡辺が、3位に追い上げをみせた大崎誠之(ヤマハ)が入りました。小山知良(CLUB PLUSONE with T.Pro)は6位でした。この結果、渡辺が初のシリーズチャンピオンを決め、小山はランキング8位となりました。

J-GP2の予選では、野左根航汰(ヤマハ)がPPを獲得。3番手に浦本修充(MuSASHi RT ハルク・プロ)、6番手に岩田悟(CLUB PLUSONE)、7番手に長島哲太(テルル&イー・モバイル★Kohara RT)がつけました。長島は予選中盤に転倒し、右足のふくらはぎを痛めますが、ピットに戻り再アタックを敢行し、7番手となります。予選後は、松葉杖をついていましたが、決勝への意気込みは変わらず大きなものでした。また、藤井謙汰(F.C.C.TSR Honda)が参戦し、14番手となりました。

決勝では、野左根がホールショット。その野左根を、ST600とのダブルエントリーである井筒とデチャ・クライサルト(ヤマハ)、生形秀之(スズキ)、岩田、高橋英倫(カワサキ)、長島が僅差で追います。

4ラップ目の130Rで井筒が仕掛けて首位に立つと、野左根、クライサルト、岩田、生形、長島が続いて、トップ争いを繰り広げます。野左根はすかさず首位を奪い返し、岩田も3番手に浮上します。

6ラップ目には、6台のトップ争いの後方に浦本が接近。1ラップ目の130Rでコースアウトした浦本ですが、すぐに復帰し、そこからの追い上げでした。浦本は自身が記録したファステストラップを更新して、7ラップ目にはトップ集団に追いつきました。そして、8ラップ目に長島を捕らえ6番手となります。一方で、生形がシケインで2番手に浮上、野左根、生形、井筒、岩田、クライサルト、浦本というオーダーとなり、激しいトップ争いが展開します。そんな中、岩田が井筒を捕らえ3番手、浦本がクライサルトを捕らえ4番手へとポジションアップ。そして最終シケインで、生形が野左根に襲いかかり、野左根はトップを守りますが、あきらめない生形が10ラップ目の1コーナーで、ついにトップを奪います。

浦本は、11ラップ目には2番手にポジションアップ。生形の背後に迫り、その後、浦本がトップに躍り出ます。12ラップ目には岩田が浦本を捕らえトップに。2人の勝利にかける意気込みは激しいトップ争いへと展開します。浦本は再びコースアウトしますが、すぐにコース復帰し、トップ争いに戻ります。浦本、岩田、生形、野左根の攻防は最終ラップまで続きますが、浦本が最後までトップを守りきり、うれしい今季初優勝を飾りました。僅差で岩田が2位、3位に生形、4位に野左根となりました。また、長島は9位でチェッカーを受けました。

この結果、チャンピオンは野左根、2位に生形。3位に浦本となりました。岩田は5位。長島は6位でした。

J-GP3の予選では、山田誓己(TEAM PLUSONE & ENDURANCE)がこれまでのレコードを更新してのPP獲得。2番手につけた國峰啄磨(Project μ 7c HARC)と山田は、2分16秒台で3番手以下を引き離し、決勝レースでの一騎打ちを予感させました。

ホールショットは山田が奪いレースがスタートしますが、2ラップ目に赤旗が提示されてレースは中断。再スタートしたレースでも、山田がホールショットを奪ってトップに立ちます。その後、シケインで大久保光(HotRacing)が山田を捕らえ、トップに立ちますが、山田が大久保から首位を奪回。大久保、國峰、仲城英幸(Projectμ 7C HARC)が山田を追い、トップ集団を形成します。

3ラップ目、國峰は130Rで山田を捕らえます。山田は國峰を追い、3番手の仲城を大久保が追う展開。その集団は2つに分かれ、トップ集団と3番手争いとなります。激しい攻防が最終ラップまで続きましたが、6周目でトップに立った山田が、最後までトップを守りきり優勝しました。2位には國峰が入りました。また、3位争いを制したのは大久保で、4位は仲城となりました。山田は4勝を挙げ、初のシリーズチャンピオンを獲得しました。國峰はランキング2位、大久保は3位となりました。またこの日は、レース後に仲城の引退セレモニーが行われました。仲城は多くの仲間に見守られ、現役生活に別れを告げました。

コメント
◆高橋巧(JSB1000 5位/4位)
「最終戦の事前テストはなかったのですが、SUGOでMotoGPのテストをさせてもらえたので、走り込むことができ、自分の調子も確認でき、有利な状況でレースに臨めると思っていました。ですが、勝負ができる状況に持っていくことができませんでした。状況がそろわない中で2分6秒台を記録できたので、決勝でも懸命にコーナーでトライしましたが、難しかったです。2レース目は雨が落ちてきて、トップの秋吉さんが手を上げ、ペースダウンしたのですが、レースは続行し中途半端なレースになりました。何度も転倒しそうになる苦しいレースでした。納得できる結果ではありませんが、今の状況で精一杯走った結果です」

◆秋吉耕佑(JSB1000 4位/5位)
「1レース目に乗ったマシンで思うような走りができなかったので、2レース目はシャシーを替えて挑みました。大粒の雨が落ちてきたことで、マシンのコントロールが難しくなり、トップだったので、手を上げて危険をアピールしました。ですが、そのままレースが続くことになり……。そこから追い上げていくことは難しかったです。今回は、マシンとライダーのバランスが難しく、フィーリングが合わず、自分らしいレースができずに終わってしまいました」

◆渡辺一馬(ST600 2位)
「チャンピオンを獲得することができてホッとしています。レースで勝つことができずに悔しいですが、チャンピオンを獲得するために一年間戦ってきました。表彰台に上がり、チャンピオンを決められたことが素直にうれしいです。ST600が始まって以来、Hondaの選手がずっとチャンピオンをとっていたのに、昨年、ヤマハ陣営に奪われ、それを今年、僕が取り返す役目を果たせたことも、すごくうれしいです。マシンを用意してくれたHondaさんを始め、支援してくれた人の名前を挙げたらきりがないくらい、たくさんの人に応援していただきました。感謝しています。ありがとうございました」

◆浦本修充(J-GP2 優勝)
「スタートを失敗してしまったのですが、アベレージはよかったので、追い上げていこうと思ったら、130Rでギア抜けしてエンジンが止まってしまいました。そこからはひたすら、追い上げました。トップ集団が見えて追いついたら、『勝ちたい』と、それだけでした。最終戦は、とにかくマシンに乗り込んで、セッティングを気にすることなく走り続けたのがよかったのかもしれません。最後に勝つことができて本当によかったです」

◆岩田悟(J-GP2 2位)
「今回は予選から調子がよく、タイムも出ており、ましてや得意の鈴鹿なので、とにかくモチベーションを高く持って挑みました。ですが、前に出て集団を引っ張るまでにはいかなかったので、2〜3番手につけて、仕掛けていこうという作戦でした。勝つことができずに残念ですが、悔しいレースが続いていたので、最終戦で表彰台に上ることができてよかったです」

◆山田誓己(J-GP3 優勝)
「赤旗中断があり、周回数が考えていたよりも多くなったこともあって、終盤がつらくなってしまいました。左コーナーやスプーンで速度が乗せられずに苦しい戦いになりました。國峰選手とは、今シーズン何度もバトルをしているので、最終ラップに仕掛けてくるだろうと予想していました。しかも、来るなら130Rだろうと……。僕は、来たとしてもシケインで仕掛け返そうと思っていました。最後はタイトルより勝ちが欲しい、レースで勝たずにチャンピオンなんて、と思っていました。ですので、勝つことができて本当にうれしいです。チャンピオンになれてよかったです。支えてくれたすべての人に感謝します」

◆國峰啄磨(J-GP3 2位)
「予選で転倒してしまいました。ハイサイドで足から着地してしまい、足首にヒビが入ってしまい、力が入れられませんでした。痛み止めを注射して決勝に臨んだのですが、赤旗中断で、時間が延びてしまったことで、終盤は痛み止めが切れて痛み出しました。最後は130Rとシケインでの勝負だと思ったのですが、足に力を入れることができずに負けてしまいました。でも、ケガをしてしまったのに2位に入ることができたので、よかったとも思います。来年は、今年の反省を生かしたいと思います」

◆大久保光(J-GP3 3位)
「今回のレースは仲城さんとのバトルになり、トップ集団の2人に逃げられてしまいました。追いつくことができずに、また3位だ、と悔しい気持ちです。今年は自分でチームを立ち上げて、本当にたくさんの人に支えられて走ったのに、優勝することができず、申し訳ない気持ちでいっぱいです。来年こそは勝てるようにがんばりたいです」

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