[YAMAHA]MotoGP Rd.17 J・ロレンソ&YZR-M1が優勝!

ヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ・ロレンソがツインリンクもてぎで行われた日本GPでポール・トゥ・ウインを飾った。

チームメイトのV・ロッシは6位。モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・クラッチローとB・スミスは、それぞれ7位と8位。ヤマハ・YSP・レーシング・チームから出場した中須賀克行は11位でゴールした。ロレンソの勝利によりモーターサイクルの世界最高峰ロードレース(GP500及びMotoGP)でのヤマハ選手の通算優勝回数は200回目となった。

レースウイークの初日と2日目に雨が降ったため、決勝日の朝のウォームアップ・セッションが初めてのドライ・コンディションとなった今回。難しい状況にもひるまず、快晴に恵まれた決勝でポール発進のロレンソは、まさに弾丸のように飛び出して真っ先に第1コーナーへ。ホールショットを奪うとそのままリード。しばらくは、M・マルケス、D・ペドロサのホンダ勢がコンマ数秒差で後ろにつく接近戦の様相。しかしロレンソは終盤にはいると、マルケスらとの差を少しずつ拡大。17周目頃には2秒近い差がつく。しかし20周目を超えた頃に周回遅れが絡み、その差は約1.3秒に縮まるも、ラスト数周のところで再びリードを広げ3秒以上の差をつけてゴール。自己通算51回目の勝利を挙げた。

グリッド2列目中央スタートのロッシは、好スタートを見せた。1周目はロレンソのすぐ後ろ2番手を走る。しかし2ラップ目の第11コーナー進入で、しっかりマシンを制動しきれず、大きくはらむ間にマルケスとペドロサに先行を許し4番手に。すぐに戦いに復帰したが、次のラップでも同様の事態となり、11番手まで後退。しかしここからロッシの本来の強さが発揮され、身体を伏せて次々にパス。ラスト4周の頃には6番手まで挽回。終盤はそのポジションを守ってゴールした。

ロレンソはこの勝利により、チャンピオンシップのライバル、マルケスとの差を5ポイント短縮。13ポイント差を追って、最終戦のバレンシアGPに臨むこととなった。ロッシはシリーズポイントを合計224ポイントに伸ばし、ランキング4位をキープしている。

モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・クラッチローとB・スミスが互いにバトルを展開し、競り勝ったクラッチローがサテライト・トップのランキング5位を確実にした。

スタートで前に出たのはスミスのほうだった。グリッド13位から絶好のスタートを切って一気に6位まで浮上。ソフト・タイヤの選択が功を奏し、作戦通りに序盤からハイペースをキープした。3ラップ目の11コーナーでロッシがミスをする間に、スミスはついに5位に浮上。後方からクラッチローがハード・チャージをしかけるも、これを9ラップ目まで抑え込んだ。

クラッチローは別のタイヤ・チョイスを行っていた。硬めのリアタイヤを選んだクラッチローはレース後半で実力を発揮。終盤まで6位をキープしたが、ロッシの追い上げを振り切ることはできなかった。

7位を獲得したクラッチローはシリーズポイントが合計188ポイントとなり、ランキング争いのライバル、A・バウティスタとの差を28ポイントに拡大。最終戦を残してランキング5位が決定した。

一方のスミスは、A・エスパロガロに19ポイント差をつけてランキング10位に大手をかけた。モトGPデビューの今シーズン、とくにここまでの最後の7戦では6戦でトップ10入りを果たすなど大きな成長を見せてきた。そして今日は、チームメイトのクラッチローに3秒差と迫る活躍。

コメント
◆J・ロレンソ選手談(優勝)
「僕はソフト・コンパウンドのタイヤを、他のライダーたちはハード・コンパウンドを選んでいたので、レース終盤は苦しい戦いになると予想していた。でも実際には、終盤でさらにプッシュすることができて、ラップタイムも上がっていったんだ。作戦通りというわけにはいかなかったけれど、ホンダの本拠地で勝てたことは最高の喜び!」

◆V・ロッシ選手談(6位)
「スタートはとってもうまくいったのに、2ラップ目の第11コーナーに進入しようというところで思いきりブレーキをかけることができず、コーナーの奥深くまで飛び込んで行ってしまった。ここでふたつポジションを下げてしまったんだ。しかも次のラップでも同じことが起きた…。前のラップでブレーキが不十分だったことを覚えていなければならないのに、同じことを繰り返したのは完全に僕のミス。今度はコースアウトまでしてしまって、大きく遅れてしまった。そのあとは全力で挽回を目指し、ペースも良かったので、4位までは上がれると思ったんだけれど…」

◆W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談
「ヤマハ200勝目は、ここ日本で、最高の形で実現した。しかもチャンピオンシップの状況も着実に上向いている。チームスタッフとホルヘが話し合いを重ね、今日のタイヤ・チョイスを決定した。リスキーではあったが、この判断が最後に好結果を導いたのだ。ここまで懸命に頑張ってきた今シーズンの、大きなご褒美だと言ってもいいだろう。鎖骨骨折というアクシデントでふたつのミスをおかしてしまったが、今、依然としてチャンピオン候補のひとりとして生き残っている。次は最終戦のバレンシア。タイトルの行方を見守りたい」

◆M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談
「非常に難しい状況下で、完璧なレースを見せてくれた。フリープラクティスのキャンセルで走行時間が大幅に短縮され、しかもライバルたちのほうが明らかに強いことがわかっているこのコースで、このような最高の成績を手にすることができた。チームとホルヘは本当に素晴らしかった。プラクティスでリードし、決勝で優勝することを目標にここにやって来て、いつもとはまったく違う状況のなかでしっかりとそれを遂行した。もてぎでの勝利は倍の喜びだ! バレンティーノのほうは、残念ながらミスをおかし、それが順位に影響してしまった。スタートは素晴らしかったので、本来ならもっと上でゴールしていたはずだが…。我々はすでに、次のバレンシアに照準を合わせている」

◆C・クラッチロー選手談(7位)
「非常に苦しい戦いだった。オープニングラップで早くもフロントブレーキがオーバーヒート気味になり、また硬めのタイヤ・チョイスもベストの選択ではなかったことがわかったんだ…。ちなみにブラッドリーは柔らかめを選んでいた。ブレーキに問題が出たため、コーナー進入で深くまで突っ込みすぎないようにしなければならなくなった。タイヤのほうはレース後半でフィーリングが良くなり、ようやくブラッドリーをパス。でもバレンティーノに追い上げられたときは、とてもかなわなかったんだ。上位陣と戦うために必要なものは、あとほんのわずかなんだけれど、仮にロレンソと同じソフト・タイヤを履いたとしても、彼と同等のペースで走ることはできないだろう。彼はそれくらい素晴らしかったよ。今日の結果でランキング5位を確実にすることができたのはハッピー。開幕前からサテライトのトップを目標にしていたからね。これから故郷に戻り、しばしの休養をもらってから最終戦のバレンシアに臨む」

◆B・スミス選手談(8位)
「8位を獲得できてうれしいよ。予選は13位だったから、そこからのスタートでは相当、厳しい戦いになることを覚悟していたからね。ところが運よく絶好のスタートを切ることができたので、そのあとも全力でプッシュし続けてブラドルについて行ったんだ。タンクが満杯のときの走り方を改善してきて、それが功を奏して良いリズムをつかむことができた。バレンティーノが序盤でミスしたのを見て、必ず挽回してくると思っていたので、追い上げられ、抜かれたあとは彼について行こうと頑張ってみた。他のサテライト・ライダーたちとの差が、これまでで最も縮まったように思う。ドライ・コンディションでの走行がたった1回しかなかったなかで、ここまでできた。シーズン開幕以来、ここまで成長できたことがとてもうれしいんだ。ランキング10位がほぼ確実になったので、最終戦では好レースだけを意識して走りたい」

◆中須賀克行選手談(11位)
「今回のレース参戦は、YZR-M1の開発を兼ねてのもので、マシンにはテストパーツが組み込まれていましたが、きっちりとレースを走り終えることができたので、開発チームにいいデータを渡すことができました。これから、やるべきことが明確に見えたし、来年はさらにいいマシンに進化すると思います。開発スタッフにとって、MotoGPに出場するのは昨年に続いて2回目ですが、こういう経験も、全体に士気が上がっていいと思うし、さらにいいマシンができると思っています。ただ、マシンのセットアップを詰め切れなかったため、結果だけが悔しいですね」

◆星野仁 ヤマハ・YSP・レーシング・チーム・スーパーバイザー談
「テストパーツが組み込まれていて、最終的にマシンのセッティングを詰め切れずに、中須賀選手には苦しい思いをさせてしまいましたが、その中で、転倒なくきっちりとレースを走りきってくれたので、とてもいいデータが取れました。ロレンソ選手やロッシ選手と同じレースを走るというのは、気象やコースコンディションなどもまったく同じ条件となるので、彼らのデータやコメントなどが、より一層リアルに受け止めることができるので、とても貴重です。これに中須賀選手が残してくれたデータを合わせて、来年型YZR-M1にフィードバックします」

◆板橋一男 ヤマハ・YSP・レーシング・チーム 監督談(YSPメンバーズクラブ会長/YSP成増)
「ヤマハ発動機、ヤマハ発動機販売、チームスタッフ、スポンサーの皆さま方の協力の下、また、YSPのビッグフラッグをなびかせ応援してくださったヤマハファンの皆さまのご声援のおかげで、全国のそして世界のモータースポーツファンの皆さま方にYSPブランドを発信できましたことに心から感謝申し上げます。開発ライダーとしての使命、データ収集の役割の重圧のなか、中須賀選手がYSPを背負い素晴らしい走りを披露してくれたことで、応援してくださった皆さま方と感動を共有できたと思います。チームとしては気持ちを切り替え、11月3日の全日本最終戦・MFJGPに向けて強い気持ちでチーム一丸となり、フルコースでの鈴鹿初勝利とチャンピオン獲得を目指してベストを尽くします。引き続き応援のほどよろしくお願いいたします」

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